パナソニック、'10年のバンクーバー五輪に特設3Dシアター

-冬季初のHDオリンピック。新CMには上村愛子


11月2日発表


 パナソニック株式会社は2日、2010年2月12日に開幕するバンクーバー冬季オリンピックに向けたカメラなどの機器納入の状況や、マーケティング活動について説明を行なうプレスセミナーを開催した。

オリンピックスポンサーとしての歴史

 同社は「TOP(The Olympic Partner)スポンサー」として協賛し、大型LED表示装置「アストロビジョン」やプラズマテレビ、音響システム「RAMSA」、「P2HD」カメラなど、冬季大会として過去最大規模の機器を納入。夏の北京オリンピックと同様に、全ての映像がHDで制作/配信されることから、「冬季大会初のHDオリンピック」としている。

 「TOPスポンサー」は、“最高位のオリンピックスポンサー”とされ、日本企業では同社のみ。映像記録規格の「DVCPRO HD」が大会映像記録フォーマットに選ばれたのは、1992年のバルセロナ大会以降、バンクーバーが9大会目となる。同社は国際オリンピック委員会(IOC)と2016年のリオデジャネイロ大会までの長期スポンサー契約を結んでいる。

 バンクーバー市のBCプレイスで行なわれる開会式には、冬季大会の開会式として最大となる3面243m2(トリノ大会の約1.4倍)のLED表示装置を設置。また、DLPプロジェクタは17画面(北京オリンピックの約1.5倍)使用されるほか、大会地区や市街地用のセキュリティカメラとして1,200台を納入したという。

DVCPRO HD規格のカメラや編集機材などを納入会場にはP2カムのAJ-HPX3000G(右)などが展示されたハンドヘルド型のAG-HPX175

 今回から、新たにデジタルスチルカメラ「LUMIX」も納入。そのほか、メインステージとなるバンクーバーのオリンピック選手村と、サブステージのウィスラーにある選手村の間で高画質のビデオ会議を実現するというHD映像コミュニケーションシステムが採用される。このシステムが海外で納入されるのは初めて。

DLPプロジェクタは北京五輪の約1.5倍RAMSA音響システムを、フィギュアスケート会場などに納入HD映像を使ったビデオ会議システム
納入機器の概況TOPスポンサーとしての契約製品のカテゴリ新たにデジタルスチルカメラLUMIXも対象製品に
デビット・ラム公園内に設置される「フルHD 3Dシアター」

 さらに、今回の目玉として、103型PDPを使った、広さ約700m2のフルHD 3Dシアターをバンクーバーのデビット・ラム公園内の公式ライブサイト(お祭り広場)に設置。PDPとBlu-ray Discプレーヤーを使って、来場者がオリンピックのハイライト映像を「映画館と同等レベルの没入感と質感レベルで楽しめる場を提供する」という。

 また、50型PDPを使った家庭用3Dシアターシステムを2セット用意。将来のオリンピック観戦の新たな可能性と魅力を提案するとしている。



■ 新CMには上村愛子を起用。現地へ応援に行ける参加型企画も

布谷彰氏

 説明を行なったコーポレートブランドストラテジー本部 ブランドプロモーショングループ F1・オリンピック推進室の布谷彰室長は、オリンピックにおけるマーケティング活動のテーマ「Sharing the Passion」を紹介。自社について「HD技術で、会場で感動を演出し、世界中に感動を伝え、家庭で感動を再現できる唯一の企業」と述べた。

 また、環境の面では、同社が現地の活動で排出すると見込まれる416トン相当のCO2を排出権取引でオフセットすることや、HD映像のビデオ会議システムを使うことで、移動にかかるCO2を節約できることなどをアピールした。

 オリンピックに合わせて、薄型テレビ「VIERA」やレコーダの「DIGA」などAV機器の連携機能を訴求する「ビエラにリンク! 」の新CMを、開幕100日前の11月4日より公開することも発表。宣伝キャラクターに女子モーグル日本代表候補の上村愛子選手を起用し、2バージョン制作したという新CMが会場で披露された。

 また、オリンピック出場を目指す、ユニークなエピソードを持った国内外5人のアスリートによるブログ「One Winter, Five Dreams.」を開設。選手に応援メッセージを送ることができるほか、最もブログに貢献した読者を「ゴールド・ブロガー」としてバンクーバーに派遣、現地で直接応援できるという企画も用意している。

「Sharing the Passion」のコンセプトカーボンオフセットによる環境面への配慮もオリンピックに合わせて展開するPOPのイメージ
上村愛子選手を起用したプロモーションを展開する5人のアスリートによるブログ企画


(2009年 11月 2日)

[AV Watch編集部 中林暁]