WDLC、「パソコンも地デジカ」キャンペーンの取組みを紹介

-TV局の番組連動ガジェットや、Twitter連携サービスなど


WDLC参加各社であるテレビ局、PC/周辺機器メーカー、量販店の代表者が登壇した

6月24日開催


 ウィンドウズ デジタル ライフスタイル コンソーシアム(WDLC)は24日、地デジ搭載パソコンの普及を目的とした「Watch PC? パソコンも地デジカ」キャンペーンの取り組みについて紹介する記者発表会を開催した。

 このキャンペーンはテレビ局やPC/周辺機器メーカー、家電量販店などWDLC参加メーカーが協力し、パソコンでの地デジ普及促進を図るもの。4月から、地デジ完全移行の2011年7月まで行なわれ、9月末までは「第1クール」と位置付けられている。今回の発表会では、番組関連情報などを表示するツール「テレビNaviガジェット」を紹介。テレビ局がそれぞれ行なっている、番組との連携機能などがアピールされた。

 また、Twitterと連携したテレビ視聴向けサービス「ピーチク」のキャンペーン連動企画「サッカー中継特設ページ」についても説明。会場に一般視聴者を招き、実際のテレビ番組を使った利用シーンのデモを行なった。


■ 各放送局がテレビ番組連動ガジェットを開発

テレビNaviガジェットの本体ガジェット(右)と子ガジェット(上)

 「テレビNaviガジェット」は、テレビ局からの情報を元に、おすすめ番組などの情報を提供するというもの。放送中の番組を一覧表示でき、「視聴ボタン」をクリックすることでチューナが起動し、番組を視聴できる。また、アラート機能も備え、あらかじめ視聴したい番組を設定しておくことで、放送開始時間が近づくとアラートを表示。番組の見逃しを回避する機能も用意する。

 このガジェットはWDLC参加メーカーのうち、NEC、富士通、東芝、オンキヨー、マウスコンピューターのPC(現行モデル、または夏モデル以降。一部製品を除く)へのプリインストール、またはダウンロード権という形で入手可能。各社の視聴ソフトなどとは別の独立したガジェットとして動作する。また、アイ・オー・データとバッファローの地デジチューナカードを購入した場合も、ダウンロードで入手可能(ダウンロード期間は9月30日まで)。なお、ガジェットの利用にはユーザー登録が必要となる。

 ガジェットは、現在放送中の番組情報などが中心の「本体ガジェット」と、おすすめ番組、ドラマ特集、アニメ特集などの関連情報がメインの「子ガジェット」で構成。テレビ番組情報配信サイト「テレビドガッチ」に掲載されている情報などが表示される。

 それ以外に、単体で誰でもダウンロードできる番組連動のガジェットも、各テレビ局がダウンロード配布。各局がこれらの番組連動ガジェットの機能などを紹介した。

 日本テレビは、24時間のニュース専門番組「日テレニュース24」の最新ニュース表示や、キャラクターの「ダベア」が番組を紹介する「ダベアのイチオシ番組」などの機能が利用可能。気になるニュースや番組があった場合、クリックすることで動画でチェックできることを特徴としている。

日本テレビのこれまでのテレビ/パソコン連携の取組み新たなガジェットで、日テレニュース24の情報と連携「ダベア」(左上)が、ドラマなど注目番組のレコメンドを行なう

テレビ朝日の加藤アナウンサーがガジェットになって登場

 テレビ朝日は、「やじうまプラス」お天気キャスターを務める加藤真希子アナウンサーの姿をガジェット化。画面上に現れた加藤アナが傘を持っていると雨、といったように、天気情報がひと目でわかるようになっている。また、地デジチューナ搭載PCの場合は、ガジェットをクリックすることで放送中の番組を視聴できる機能も後日追加予定としている。会場には加藤真希子アナウンサーも来場した。


傘をさしていると「雨が降っている」状態。閉じた傘を持っていると「雨が降りそう」だという加藤アナウンサーが来場。「パソコン中心に生活している人も多いと思うので、是非ダウンロードして欲しいと思います」とコメントした

 TBSは、バラエティ番組「G.I.ゴロー」のガジェットを用意。出演者の山里研究員(南海キャンディーズ・山里亮太)や、AKB48のメンバーが動画で登場する毎週更新のコンテンツを配信。また、製作費15億円という韓国ドラマ「IRIS」のガジェットで、ドラマ関連の最新情報などを紹介。さらに、配信サイトの「TBSオンデマンド」と連携し、もうすぐ配信される番組や、配信終了が近い番組にすぐアクセスできる機能なども利用できる。

TBS「G.I.ゴロー」のガジェット。山里研究員と、メイドきたりえ(北原里英)、メイドまゆゆ(渡辺麻友)が登場「IRIS」のガジェット。番組内容や、キャンペーンなどの情報が掲載される「TBSオンデマンド」で配信終了間近の作品もガジェットからチェックできる

 テレビ東京は、経済ニュースなどの番組連携機能が利用可能。「Newsモーニングサテライト」、「E morning」、「NEWS FINE」、「ワールド・ビジネス・サテライト」(WBS)の最新ニュースを配信するほか、各ニュースの動画や詳細情報を掲載した番組サイトに誘導する。

テレビ東京のガジェット。気になるニュースなどから番組サイトの動画、詳細情報にリンク。WBS「トレたま」の取材報告動画などにすぐアクセスできる

 フジテレビは、動画配信サイト「フジテレビ OnDemand」のオススメ番組をガジェットに配信。ダイレクトに同サイトにアクセスし、番組を視聴可能となっている。発表会には、「フジテレビ OnDemand」にも番組が配信されているアイドリング!!!メンバーの遠藤舞さん、朝日奈央さん、伊藤祐奈さんが来場。「タイムリーな情報が見られるのもパソコンならでは」と、魅力をアピールした。

フジテレビからは、アイドリング!!!メンバーから3人が登場。5月に行なったライブが「フジテレビ OnDemand」で配信されている


■ セカンドルームの地デジ化推進へ

 WDLC会長の堂山昌司氏は、今回のキャンペーンについて「リビングだけでなく、寝室、子供部屋などセカンドルームへも地デジの普及を推進しようと考えている。各部屋のPCで観たり、リビングで楽しむことがこんなに楽しいのか、というライフスタイルをいろんな人に感じてもらいたい」とコメント。「テレビ局やメーカー、量販店と協力し、地デジを推進し、その中で、パソコンという位置付けを、面白いコンテンツやライフスタイルの提案でお伝えしていきたい」と述べた。

 ゲストとして来場した総務省情報流通行政局 地上放送課長の吉田博史氏は、「2年前『PCとテレビの融合で新しいライフスタイルが始まる』と申し上げていたが、残念ながらまだ道半ば。地デジ受信機の累計出荷台数7,780万台のうち、地デジPCは200万台。ただ一方で、2年前はひと月に2、3万台の出荷しかなく、4月に初めて10万台を超え、それだけ(今は順調に)増えている。地デジの良さは、野球のデータ放送でスコアを組み合わせて見たり、ドラマで字幕を使ったりといった、その人に合った魅力があり、ライフスタイルに合った使い方ができること」と述べた。

WDLC会長の堂山昌司氏総務省の吉田博史氏

 また、吉田氏は日本の地デジ方式がこれまで(日本含め)10カ国で採用されたことに触れ、「ブラジルではワールドカップのおかげでワンセグが爆発的人気だそうだが、このように日本発の新しいICTの使い方が世界に普及して欲しい。地デジPCも、民間のパワーと工夫で、それぞれの人に合った製品を作って、日本発の新しい技術になっていけば」と期待を寄せた。

 発表会では、放送中のテレビ番組を観ている人が、Twitterでコミュニケーションできるサービス「ピーチク」も紹介。12名のTwitterユーザーを招いてデモを行なった。同サービスでは、開催中のFIFAワールドカップ南アフリカ大会向けに「サッカー中継特設ページ」(5月24日~7月16日の期間限定)を用意しており、それにちなんで、Jリーグの試合(録画)を観ながら、参加者のツイートを1つのタイムライン上で表示。ゴールシーンの盛り上がりなどを再現した。今後は、「パソコンも地デジカ」キャンペーン連動コンテンツとして、選挙や野球中継などでも同様のページを開設する予定。

一般視聴者を招いた「ピーチク」のデモ。「ゴ~ル!」などインパクトのある絵柄のツイートをワンボタンで行なえる機能も搭載する

WDLC参加メーカーの最新パソコンや地デジチューナなども展示。上段左から順に、NEC、東芝、富士通、オンキヨー、マウスコンピューター、アイ・オー・データ、バッファロー、ソニー。なお、ソニーのPCは「テレビNaviがジェットを搭載しない。これは、視聴ソフト「Giga Pocket Digital」にガジェットと同様の機能が含まれているため。同ソフトでは番組情報と連動した情報配信やケータイ連携(右下写真)などを独自に行なっている


(2010年 6月 24日)

[AV Watch編集部 中林暁]