エプソン、世界初のプロジェクタ向け3D対応液晶パネル

-480Hz駆動技術「Bright 3D Drive」で明るい3D表示


0.74型の「L3C07U-95G00」

 セイコーエプソンは1日、3LCD方式のプロジェクタで3D表示を実現する、世界初の高温ポリシリコン(HTPS)TFT液晶パネル2機種を開発。量産出荷を開始した。

 ホームシアター用のフロントプロジェクタなどで採用される液晶パネルで、3D表示に対応したのが特徴。3D対応液晶テレビなどと同じフレームシーケンシャル方式で3D表示を行ない、新開発のパネル駆動技術「Bright 3D Drive」で明るい3D表示を可能にしたという。

 一般的に、液晶パネルでの3D表示では、左目用・右目用の映像を高速で交互に表示する際、表示を切り替える瞬間に左右の映像が重なって見えることがないように、一定期間3Dアクティブメガネのシャッターを両方閉じる必要がある。


「Bright 3D Drive」の解説図。下が480Hz駆動、上が240Hz駆動

 しかし、この閉じている時間が長くなると、2D表示と比べて3D映像の明るさが低減してしまうという問題がある。それを改善するために、パネル駆動速度を240Hzに向上させるなどして、映像を切り替える時間を早くし、メガネの両シャッターが閉じている時間を短くする工夫がなされている。

 エプソンのアプローチも同様で、最新のD9プロセステクノロジーを使い、従来よりも開口率を向上させるとともに、独自のハイブリッド駆動技術を進化。より高速で駆動できる技術「Bright 3D Drive」を開発し、駆動速度を240Hz駆動の2倍の480Hzまで向上させたという。これにより、240Hz駆動の1.5倍以上の明るさを実現したという。

 開発されたパネルは0.74型の「L3C07U-95G00」と、0.61型「L3C06U-A5G00」。どちらも液晶方式はC2FINE(VA型無機配向)。プロセステクノロジーはD9。解像度は1,920×1,080ドット。画素ピッチと開口率は、0.74型が8.5μmで65%、0.61型が7μmで61%となる。



(2011年 9月 1日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]