マクセル、1TB HDD内蔵/スマホ連携対応のiVDRレコーダ

-実売5万円。1TBのiVカセットやTV接続用アダプタも


VDR-R3000

 日立マクセルは、リムーバブルHDD「iVDR-S」や内蔵HDDへの録画機能を備えた地上/BS/110度CSデジタルレコーダの新モデル「VDR-R3000」を6月25日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5万円前後。

 さらに、別売カセットHDD「iV」についても、世界初とする1TBのモデルを「M-VDRS1T.E」を同日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は16,000円前後。2巻入りの「M-VDRS1T.E 2P」も同日に発売する。そのほか、iVを、USB HDD録画対応テレビにつないで録画用USB HDDとして使えるアダプタも近日発売予定。店頭予想価格は3,000円前後。


スマートフォンへの転送に対応容量1TBの「M-VDRS1T.E」iVカセットアダプタも発売予定
スマートフォンへはストリーミング/持ち出しのどちらも可能

 「iV(アイヴィ)ハードディスクレコーダー」の新製品で、新たにスマートフォンへの持ち出しが可能になったことが特徴。また、内蔵HDDを1TB(従来モデル「VDR-R2000」は500GB)に拡張した。同時発売される1TBカセットHDDのiVと合わせて2TBの録画ができる。チューナは従来と同じ地上/BS/110CSデジタルのダブルチューナ。

 DLNA/DTCP-IPに対応。これまでも対応テレビなどへの録画番組の配信には対応していたが、新たにスマートフォンでも無線LAN経由でストリーミング再生できるほか、外出先などで再生できる持ち出しにも対応した。スマートフォンアプリは専用のものではなく、同社はDiXiMのアプリを使って検証しており、対応端末は後述するが、詳細は専用ページで案内している。

 録画モードは、MPEG-2 TSのほか、MPEG-4 AVC/H.264形式の長時間録画としてTSE/TSX4/TSX8/TSX24の4種類を用意する。AVC記録のモードであれば変換せずに対応スマートフォンでストリーミング再生できる。なお、放送中の番組を録画せずにスマートフォンへ転送すること(放送転送)はできない。ストリーミング再生の対応スマートフォンは、MEDIAS TAB N-06D、MEDIAS ES N-05D、MEDIAS LTE N-04D、ARROWS μ F-07D、ARROWS X LTE F-05D、ARROWS Z ISW11F、REGZA Phone T-01D、ARROWS Tab LTE F-01D、REGZA Phone IS11T。

 録画番組持ち出しは、前述の録画モードのうち、TSX4/8/24のモードで録画した番組のみ対応。ダビングにかかる時間は録画モードにより異なるが、1時間番組で約5~20分となる。ただし、ダビング中は録画番組の再生など他の機能は利用できない。予約録画時に、持ち出し用のファイルを同時に作成するよう設定することも可能。なお、その場合は2番組同時録画と同じ扱いになるため、同時間帯の他の番組は録画できない。持ち出しの対応端末は、MEDIAS TAB N-06D、MEDIAS ES N-05D、MEDIAS LTE N-04D、ARROWS X LTE F-05D、ARROWS Z ISW11F。

ストリーミング再生の利用イメージと対応端末番組持ち出しの利用イメージと対応端末スマホ連携できる録画モードなどの仕様
持ち出し先を選択ダビング方法を選択DiXiMアプリで再生可能と判断されると再生できる
スマホ連携時のレコーダ側の操作イメージスマホ側の操作イメージ従来通り、テレビなどへのDLNA/DTCP-IP配信も可能

 録画予約の機能としては、従来モデルと同様にキーワード自動録画や、おすすめ番組機能、Gガイドによる1カ月先までの注目番組機能が利用可能。録画した番組のジャンル別フォルダ分けも行なわれる。EPGからワンボタンで予約することもできる。

 前面には、新たにコンポジット映像/アナログ音声の入力端子も備え、VHSデッキやビデオカメラなどからの録画も可能になった。1TBのiVカセット1本に、VHSの120分テープで約400本分ダビングできるという。

ダブルチューナ搭載。EPGの予約済み番組は赤丸でチェックされるキーワード自動録画などの機能も継承外部入力からの録画にも対応し、VHSデッキなどからダビングできる
付属リモコン

 出力端子はHDMIと、S映像、コンポジット、光デジタル音声、アナログ音声を各1系統装備。SD/SDHCカードスロットも備え、カード内の動画や静止画の再生も可能。Ethernetも装備。ネットワーク機能として、TSUTAYA TVやアクトビラ・ビデオの動画配信サービス、Yahoo! JAPANなどを利用できる。

 筐体のデザインも変更されており、薄さは従来の66mmから49mmにスリム化。キャビネットなどに収納しやすくしたという。消費電力は29Wで、待機時は約0.8W(高速起動時/ダウンロード時/番組情報受信時は約22W)。外形寸法は430×227~238×51㎜(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.2kg。HDMIケーブルなどが付属する。

背面前面カバーオープン時主な仕様


■ 大容量でスポーツなどの録画にも

 レコーダと同時に発売されるiVカセットの1TBモデル「M-VDRS1T.E」は、iVレコーダや日立Woooなどで、ハイビジョン放送を約800時間録画可能。

 コンテンツ保護のSAFIAに対応し、対応機器間でのムーブなども行なえる。地デジ1時間番組(TSモード録画)をレコーダの内蔵HDDからiVカセットへダビングする場合、約7分(9倍速)となる。本体は衝撃緩衝フレームを採用し、耐衝撃性を向上。外形寸法は110×80×12.7mm(縦×横×厚さ)、重量は約145g。

 近日発売予定という新しいiVアダプタはUSB 3.0対応で、USB HDD録画に対応したテレビの録画先としてiVを利用することが可能。従来のiVアダプタはPC専用だったが、新たに著作権保護にも対応したことで、USB HDD録画が可能になった。なお、PC用のストレージとしても利用できる。電源はUSBバスパワーを使用。外形寸法は85.5×125×1.5mm(縦×横×厚さ)、重量は約60g。


iVカセット「M-VDRS1T.E」の特徴と、主な仕様iVカセット用アダプタも近日発売
日立マクセルの柳川鉱一氏

 日立マクセルのグローバル商品開発本部 担当本部長の柳川鉱一氏は、これまでのiVレコーダのラインナップを振り返り「iVワールドを広げるために、さまざまな製品をローンチしてきた。つい先日、他社もiVと同様にカセットHDDを発表した(シャープのスロットインHDD「SHDD」対応レコーダ。iVDR-Sと互換性は無い)が、このコンセプトが受け入れられているということ」との考えを示した。

 新機能のスマートフォン連携については「最近拡大しているスマートフォンのマーケットをターゲットに、ちょっと楽しい、ちょっと便利な商品に仕上げた」と説明。28日に発表した薄型のテレビ用サラウンドスピーカー「SoundBoard」にも触れ、「47型までの大型テレビをつなげるだけで大迫力のサウンドを楽しめるユニークな製品」とアピールした。また、ロンドン五輪を前にしたマーケティング戦略として「これからスポーツイベントを録画する場合にも、どれだけ録っても安心という点を訴求する。また、スポーツで臨場感を得るためにはフラットパネルテレビのスピーカーでは迫力が出てこないが、SoundBoardなら大音響で楽しめる」とした。

 販売目標は、iVレコーダが今年度3万台程度、iVカセットが従来モデルと合わせて年間40~50万個、SoundBoardは今年度3万台程度としている。

これまでのiV関連製品の開発SoundBoardも展示された


(2012年 5月 30日)

[AV Watch編集部 中林暁]