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キヤノン、CINEMA EOS SYSTEMで宇宙からのアイソン彗星撮影に貢献。崩壊前の姿を撮影

EOS C500 PL

 キヤノンは2日、CINEMA EOS SYSTEMが国際宇宙ステーションからのアイソン彗星の4K撮影の撮影機材に採用され、その活動に貢献したと発表した。

 超高感度4Kカメラによるアイソン彗星の世界初の撮影は、2013年11月23日19時08分頃(日本時間)に国際宇宙ステーションから行なわれ、撮影機材としてCINEMA EOS SYSTEMの「EOS C500 PL」、EFシネマレンズ2機種「CN-E15.5-47mm T2.8 L SP」、「CN-E30-105mm T2.8 L SP」が利用された。

CN-E15.5-47mm T2.8 L SP

 撮影は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とNHKが共同で進めており、撮影に利用した「EOS C500 PL」は、超高感度化や宇宙における過酷な使用条件に耐えるための特別な改造が加えられている。キヤノンでは、「ハリウッドなどのプロの映像制作現場から高い評価を得ているCINEMA EOS SYSTEMが、その活躍の場を宇宙にまで広げ、さらなる撮影領域の拡大を実現した」と今回の撮影の意義をアピールしている。

 アイソン彗星は当初、近年到来が予測された大きな彗星の中で最も太陽に接近するため、地球からも確認しやすいものの、今回を逃すと二度と地上からの観測ができないと考えられていた。さらに、この撮影が行なわれた後、アイソン彗星はその大部分が崩壊したとみられ、期待されていた地球からの観測が困難になった。そのため、「希少な彗星を、大気の揺らぎのない宇宙から撮影し、鮮明な映像に収められたことは、学術的にも大きな価値がある」としている。

 なお、NHKが12月4日午後7時30分からの「NHKスペシャル」で放送を予定していた「遭遇! 巨大彗星アイソン」は、彗星崩壊により、「宇宙生中継 彗星爆発 太陽系の謎」とタイトルを改めて放送される。同番組内では、崩壊前に4K撮影したアイソン彗星の姿や夜の地球の上を進む国際宇宙ステーションからの生中継などを行なう予定。

(臼田勤哉)