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ドラマまるごと録画のシャープ「ドラ丸」BDレコーダ

AQUOSブルーレイ新展開。アニメで“アニ丸”化も

 シャープは、1クールのドラマをまるごと録画できる「ドラ丸」対応の7モデルなど、BDレコーダ「AQUOSブルーレイ」の新ラインナップを2月16日より順次発売する。トリプルチューナモデルはHDD容量3TBのBD-T3700、2TBのBD-T2700、1TBのBD-T1700の3モデルを用意。Wチューナは、2TBのBD-W2700、1TBのBD-W1700、500GBのBD-W570/W570SWの4モデル、シングルチューナはBD-S570の1モデルで、合計8製品で展開する。

BD-T3700

 Wチューナは2月16日から、トリプル/シングルチューナモデルは2月23日より発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は53,000円~12万円前後。

型番チューナHDDドラ丸発売日店頭予想価格
BD-T370033TB2月23日12万円
BD-T27002TB10万円
BD-T17001TB8万円
BD-W270022TB2月16日85,000円
BD-W17001TB7万円
BD-W570
BD-W570SW
500GB6万円
BD-S5701-2月23日53,000円
新AQUOSブルーレイ

 連続ドラマの取り逃しを防ぐ「ドラ丸」機能を、シングルチューナの「BD-S570」以外の7モデルで搭載。従来モデル同様に高速なBDドライブ動作や、リモート視聴機能「外からリモート視聴」対応、2画面見ながら操作などの機能を継承している。ただし、従来のトリプルチューナモデルで搭載していた3ch全録機能「3チャンネル自動録画」は省かれた。なお、500GB HDDのWチューナモデル「BD-W570」は、ボディカラーがホワイトの「BD-W560SW」も用意する。

BD-W2700/W1700/W570
BD-W570SW
BD-S570
新AQUOSブルーレイ

ドラマを「録り逃がさず、遡れる」のがドラ丸

BD-T37000

 トリプル/Wチューナモデルの特徴が「ドラ丸」。地上デジタル放送の新作ドラマを自動的に録画するもので、番組表の情報やG-GUIDE情報などを元に、新作ドラマを一覧表示して確認できるほか、放送されるドラマを4週間分自動録画する。

ドラ丸リスト。確定すれば自動消去せずに番組を残すことができる
ドラ丸リストでは録画した番組をまとめて表示

 ドラ丸の対象放送波は地上デジタル。地デジでは年4回の番組改編時に約30本の新作ドラマがスタートするが、それらの取り逃しを防ぐことができる点が特徴。新作ドラマでは何が面白いかわからないため、4話(28日分)までは自動的に録画。その後は5話放送時に1話を消去するなど、録画後28日経過した番組は上書きされていく。

 対象番組は[ドラ丸リスト]として、複数番組をまとめて表示/管理。対象番組の録画予約の[確定]操作を行なえば、5話以降も消去せずに録画実行し、放送終了時には全話/エピソードをドラマごとにまとめることができる。また、録画不要と判断したドラマは、[リストから削除]を行なうことで、録画対象から外すことができる。

 [ドラ丸リスト]は、ホーム画面の[ドラ丸]アイコンのほか、検索画面や録画リストから呼び出し可能で、新作ドラマをリストアップして、1~4話など対象番組をまとめて表示できる。リストでは放送順に1話目から順番に並ぶため、時系列にドラマを楽しめる。さらに、[シリーズまとめてBDダビング]により、ドラマを全話まとめてBDにダビング可能となっている。

ホーム画面からドラ丸リストにアクセス
ドラ丸リスト
番組詳細も表示
ドラ丸の狙い

 なお、ドラ丸の録画対象は、「地デジのドラマの新番組」のみになるよう設定されており、再放送や新番組以外のドラマは録画しないようになっている。ドラ丸の録画時間指定も可能で、例えば19~23時のみ、とすれば、朝の連続ドラマや昼ドラなどは省いて録画できる。

 シャープによれば、「新しいドラマを探すのが大変」、「とりあえず1話をみてから最後まで見るか決めたい」といったレコーダ利用者の声は多く、そうしたニーズに応えるために開発。また、「見ていない連ドラが友人などの間で話題に」といった場合でも4週間前まで遡れるため、話題になった“後”の番組にもアクセスできるようにした点が特徴といえる。

 「レコーダへの不満で多いのが、『取り逃し』、『途中から面白くなったのに、その前の番組が見れない』というもの。そうした不満を解消するのがドラ丸」(デジタル情報家電事業本部 液晶デジタル システム第1事業部 松浦文俊 副事業部長)という。

新作ドラマを自動でリストアップ
ドラマのみに特化するため通常の番組リストよりドラマの検索性が向上

 なお、ドラ丸の録画モードは、初期状態では5倍モード。ユーザーがDRモードやより長時間モードに設定することも可能。「30番組を4回分録画するとだいたい250GBになる。500GBモデルでも半分の250GBは自由に使えるように、と5倍モードを選択している」(松浦副事業部長)とのこと。

「ドラ丸」の販促用ポップ

 ドラ丸の自動消去機能は、「録画後28日経過すると最初の番組から削除する」というもの。そのため、朝の連ドラのような毎日録画する番組については、28日分録画し、29日目に1日目の番組を削除するという動作となる。なお、ドラ丸の録画対象は新番組のため、ドラ丸導入前から放送されている番組については、リスト化されない場合もある。

 BSなど、地デジ以外の放送波についても今後検討していくが、まずはニーズの多い地デジでの対応を優先したとのこと。ドラ丸の新作ドラマの検出は、番組表のジャンル/内容などのSI情報やG-GUIDE情報を使っており、インターネットに接続しなくてもドラ丸を利用できる。

 なお、ドラ丸録画(ユーザーがなにもしない状態でのドラ丸自動録画)は、同じ時間帯の録画は2番組まで。リモコンの「緑」ボタンを押して通常予約にすべて変更すると、3番組同時に録画可能となる。4番組以上のドラマが同時に放送された場合は、「録画開始時間が早いものを優先、同じ場合はチャンネル番号が若いものを優先する」とのこと。ただし、「ここ3年ぐらいの番組表を確認したところ、4番組以上という時は無かった」という。

【更新】
ドラ丸による自動録画の同じ時間帯の録画は2番組まで。3番組の同時録画には通常予約に変更する必要があります(1月16日追記)

“アニ丸”化も可能

ドラ丸設定で、[アニメ]を選べば“アニ丸”。ただし、ドラマとアニメの併用はできない

 ドラ丸の機能を、「ドラマ」でなく、「アニメ」を対象として利用することもできる。基本的な動作はドラマの時と同様で、アニメの新番組を自動的に録画し、ドラ丸リストでシリーズをまとめて管理、BDへの一括ダビングにも対応する。

 ただし、ドラマとアニメの併用はできず、どちらか一方のみとなる。また機能名としては「アニ丸」とはならず「ドラ丸」のまま。アニメの場合、例えばドラえもんのように昔から継続的に放送している番組も多いため、そうした番組にはドラ丸(アニメ)の対象番組として検出されない。

SeeQVaultに新対応。操作性も改善

BD-T3700/T2700はSHDDに対応

 BD-T3700/T2700/T1700は地上/BS/110度CSデジタルトリプルチューナを搭載し、HDD容量はT3700が3TB、T2700が2TB、T1700が1TB。3TB/2TBはカートリッジ型HDD「SHDD」によるHDD増設に対応する。

 BD-T3700/T2700の前モデルT3600/T2600で搭載していた、3系統のチューナをNHKやWOWOWなどのチャンネルに割り当て、予約録画の手間なく、1日最大18時間まで録り続ける「3チャンネル自動録画」は今回省かれている。

 BD-W2700やW1700、W570はダブルチューナモデルで、HDD容量はW2700が2TB、W1700が1TB、W570が500GB。BD-S570はHDD 500GBのシングルチューナ機となる。全モデルでUSB HDDによるHDD容量拡張に対応する。

 従来モデルと同様に、BDのローディング時間を高速化した「スピードBDドライブ」を搭載。MPEG-2 TSのストリーム録画のほか、MPEG-4 AVC/H.264にトランスコードしての長時間録画にも対応。最大12倍の長時間録画に対応し、14段階の画質設定が行なえる。

 また、新著作権保護技術のSeeQVaultに対応。5月末予定のファームウェアアップデートにより、SeeQVault(SQV)に対応し、SQV録画HDDを別のSQV対応のAQUOSブルーレイ/AQUOSに接続して再生したり、SQV HDD経由の番組引っ越しなどが可能になる。

 今回の新モデルだけでなく、2013年1月以降のAQUOSブルーレイもアップデートにより、SQVに対応予定。ただし、他社のSQV対応製品はサポート対象外で、SQV対応のAQUOS/AQUOSブルーレイでの相互利用を想定しているとのこと。

リモコン
SeeQVaultに対応

 [2画面]ボタンを押して、番組を“見ながら”録画予約や編集操作が行なえる「2画面見ながら操作」も引き続き搭載。番組予約用の番組表とともに再生/放送画面を子画面表示することで、番組から目を離さずに録画予約が行なえるほか、番組を子画面表示しながら番組リストを立ち上げて録画番組の検索も行なえる。子画面のサイズ変更も可能。

2画面見ながら操作。番組表上に小画面を重ねることも可能
番組内容をサムネイル付きで一覧できる「番組内容まるわかり」

 一定間隔やチャプタ単位で番組のシーンをサムネイルで表示し、頭出しなどに利用できる「見どころポップアップ」や、番組情報を元にキーワードを抽出することで、リモコンの検索ボタンを押すだけで、文字入力なしに出演者、番組名、ジャンル、キーワードなどから検索できる「簡単サクッと検索」にも対応する。

簡単サクッと検索

全モデルがリモート視聴対応

 全モデルでEthernetを装備し、ネットワーク機能が利用可能。BD-T3700/T2700/T1700、BD-W2700/W1700は無線LANも搭載する。全モデルで、NexTV-Fによるリモート視聴に対応。Android/iOSアプリを使って、外出先からも録画/放送番組をスマートフォンで視聴できる「外からリモート視聴」が行なえる。

 また、操作がわからない場合などにオペレーターがユーザーのレコーダを遠隔サポートする「安心リモートサポート」も全機種が対象となる。

安心リモートサポート

 出力端子はHDMI×1、光デジタル音声出力×1、USB×2(データ用×1、外付けHDD用×1)など。コンポジット入力も備えている。トリプルチューナモデルのみ、D3出力×1、コンポジット出力×1を装備する。

 トリプルチューナモデルの消費電力は約29W(待機時0.15W)。年間消費電力量は約32kWh/年。外形寸法は430×236×61mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約3.6kg(T3700/T2700)/約3.2kg(T1700)。ダブル/シングルチューナモデルの消費電力は19~25W(待機時0.15W)。年間消費電力量は約20kWh/年~25.6kWh/年。外形寸法は430×236×58mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約3.3kg(W2700)/約3.1kg(W1700)/約2.8kg(W570/S570)。

買い替え、買い増しに「ドラ丸」

デジタル情報家電事業本部 液晶デジタル システム第1事業部 松浦文俊 副事業部長

 松浦副事業部長は、「買い替え、買い増し需要」を新AQUOSブルーレイで狙う方針を説明。'11年の地アナ停波以前の2008年~2010年で約1,000万台出荷されたレコーダが、約5年の買い替えサイクルに入っていることから、そうした買い替え需要をターゲットに据えて開発したとする。

 既存のレコーダ利用者の不満として「HDD容量」があげられるため、大容量化を推進。さらに、ニーズとしては、「シンプルで簡単」、「番組の見つけやすさ」が最上位で、よく「録画する番組」の最上位は「ドラマ」であることから、レコーダ市場で主流となる買い替え/増しユーザーに向け、大容量HDDとマルチチューナ+見たい番組/シーンへの素早いアクセスを目指し、ドラ丸などの新機能を開発した。

 なお、SoCなどのハードウェアプラットフォームは、従来モデルから変更はないが、画質のチューニングなどの細かな進化も盛り込んでいるとのこと。

(臼田勤哉)