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ハイレゾ再生アプリ「HF Player」、DSDへの変換出力対応

Androidも正式版に。有償ドライバでハイレゾUSB DAC出力

 オンキヨーは、スマートフォン/タブレットでハイレゾ音源が再生できるアプリ「HF Player」のメジャーアップデートを2月4日より実施。iOSアプリはVer.2.0に、従来はトライアル版だったAndroidアプリは正式版のVer.1.0となる。新たに、DSDへのリアルタイム変換再生などの機能が追加される。対応OSはiOS 6以降と、Android 4.1以降。iOS版の対応端末はiPhone 4S以降と第5世代以降のiPod touch、iPad 2/iPad mini以降。

HF Player。左がiOS版、右がAndroid版('14年12月発表時の画面)

 「Onkyo HF Player」は、スマートフォン/タブレット用の音楽プレーヤーアプリ。1,000円(税込)を別途課金することで192kHz/24bit WAVやFLACなどのハイレゾ音源も再生(USB DACなどへ外部出力)できる。iOS版はアプリ内課金の「HFプレーヤーパック」でハイレゾに対応。Android版は、Google Playから「アンロックアプリ」を購入することでハイレゾ対応となる。

 アップデートによる両バージョン共通の新機能は、世界初というDSDリアルタイム変換出力。WAVやFLAC、AACなどのハイレゾではない音源も、アプリ側でリアルタイムにDSDへ変換して外部のUSB DAC機器などに出力できる。なお、iOS版はiPhone 5s/6などの64bit CPU端末のみDSD変換出力に対応する。この機能はiOS/Androidともに1,000円のハイレゾ対応済みの場合のみ利用でき、対象は日本に限定される。

 今回のアップデートは、'14年12月の「ポータブルオーディオフェスティバル2014 in 秋葉原」(ポタフェス)時に、1月提供予定と予告していたもの。DSD変換出力に対応することで、USB DACなど外部機器側のDACで行なう処理の多くをHF Playerにシフト。「高速処理が可能な最新スマートフォンのCPU演算能力を活かし、ハード側の1チップDACだけでは表現できない領域に既存のUSB DACを導く」としている。

DSDへのリアルタイム変換に対応
AACファイルを、DSDにリアルタイム変換して出力している時の画面

 外部USB DAC機器との接続は、iOS機器の場合はアップルのLightning-USBカメラアダプタまたはiPad Camera Connection Kitを使用。Android版は、新たにUSBオーディオドライバの「Onkyo USB Audio HF Driver」をアプリ内に実装。On-The-Go(OTG)ケーブルとの組み合わせにより、外部機器へのハイレゾ出力も可能になる。このドライバによりビットパーフェクト出力を実現し、DSD 11.2MHzまでのDoP出力もサポートする。OTG接続だけでなく、Android版はAOA(Android Open Accessory) 2.0対応のAndroid端末からUSBケーブルでオンキヨー製USB DAC/ポータブルアンプの「DAC-HA200」とデジタル接続することも可能。

 Android版で1,000円のアンロックアプリを購入した場合、DSF/DSDIFFなどのDSDフォーマットをDoP出力する場合には、イコライザとクロスフェード機能は無効となる。また、周波数特性も表示されない。

 なお、iOS/Android端末のヘッドフォン出力時や、AndroidのAOA接続、OTGケーブル接続(無償版)では、88.2kHz以上のコンテンツは44.1kHzにダウンサンプリングして再生する。また、OTG接続のハイレゾ再生(有償版アプリ)では、本体側にボリューム回路を持たないUSB DAC/ポータブルヘッドフォンアンプとの接続には非対応。例えばクリエイティブメディアの「Sound Blaster E3」や、Resonessence Labsの「HERUS」、Deff Soundの「DDALA20RC」、オーディオテクニカ「AT-HA30USB」などと接続すると、ボリュームが最大値で再生され危険だという。

USB DAC利用時は、「Onkyo USB Audio HF Driver」の項目をONにする
iPhone 5sのHF Playerから、オンキヨーが'15年春発売予定のハイレゾポータブルプレーヤー「DAC-HA300」と接続したところ

 iOS版(HFプレーヤーパック利用時)は、その他のアップデート項目としてDSD 3MHz/6MHzのPCM変換再生と、DoP(DSD over PCM)出力もサポート。さらに、DoP出力時のポーズモードに関する設定も追加。この機能は、DSD再生時に音が出ていない間もプレーヤー側でDSD信号を0dB(無音)で出し続けることにより、ポップノイズが発生する問題を回避するもの。

 また、iOS版はVer.2.0からiOS 8と64bit CPUを正式サポート。AirDrop機能にも対応し、Macとの組み合わせでドラッグ&ドロップによる楽曲転送も行なえる。対応Macは、Mac OS X Yosemiteを搭載した、Bluetooth 4.0(BLE)対応モデル。

 「Onkyo HF Player」のiOS版は'13年より公開され、'14年にはAndroid向けのトライアル版「Onkyo HF Player Trial」を提供開始、'15年1月末現在でダウンロード数は計20万以上。高精度イコライザ(16,384ディスクリートバンド、リニア位相FIRフィルタ)や、自動アップサンプリング、クロスフェード再生などが可能。オンキヨー製ヘッドフォン用にイコライジングしたプリセットモードなども利用できる。

iOS版「Onkyo HF Player Ver.2.0」の主な新機能
  • iOS8と64bit対応
  • AirDropを使った、Macからのファイルを転送
    iOS 8以降を搭載したiOS端末と、Mac OS X Yosemiteを搭載し、Bluetooth 4.0に対応したMacが必要
  • 画面左端での右にスワイプによる前画面への移動
  • 編集中のキューを置き換えるとき、注意文を表示する動作に変更

    【HFプレーヤーパック購入で利用できる機能】
  • リアルタイムDSD変換再生機能(iPhone 5s/6などの64bit CPU端末のみ/日本のみ)
  • DSD 11.2MHzのDoP出力(DSD 11.2MHz以上の再生の推奨環境は、iPhone 5S以降)
  • DSD 3MHz/6MHzのPCM変換再生/DoP出力
  • DoP出力時のポーズモードに関する設定を追加
Android版「Onkyo HF Player Ver.1.0」の主な新機能(アンロックアプリの購入で利用可能)
  • Onkyo USB Audio HF Driverによるハイレゾ出力のサポート
  • リアルタイムDSD変換再生機能をサポート(日本のみ)
  • アップサンプリング機能

iOS版の対応フォーマット

・無償版(iPodライブラリ)
MP3/AAC/ALAC/WAV/AIFF (48kHzまで。DRM非対応)
・有償版(HDライブラリ+iPodライブラリ)
上記のフォーマットに加え、
DSF/DSDIFF(2.8MHz/3MHz/5.6MHz/6MHz/11.2MHz PCM変換/DoP出力)
FLAC/ALAC/WAV/AIFF(~384kHz)
OggVorbis (~192kHz)
※DSD 11.2MHz以上の再生推奨環境はiPhone 5S以降
※HDライブラリにMP3ファイルを入れることはできない

Android版の対応フォーマット

MP3/AAC(~48kHz)
DSF/DSDIFF(2.8MHz/3MHz/5.6MHz/6MHz/11.2MHz PCM変換)
FLAC/ALAC/WAV/AIFF (~384kHz)
OggVorbis(~192kHz)
※88.2kHz以上のコンテンツは44.1kHzまたは48kHzにダウンサンプリング
言語:英語、フランス語、ドイツ語、日本語、中国語(簡体字/繁体字)

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(中林暁)