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Huluが4月1日にPlayStation 4対応。会員数100万人突破
オリジナル作品制作中。フジの「ノイタミナ」も追加
(2015/3/30 14:14)
Huluは30日、報道向けの記者会見を開催し、3月23日に会員数が100万件を突破したと発表した。また、PlayStation 4(PS4)でも4月1日からHuluに対応することを明らかにした。
Huluは、Huluアプリ搭載のテレビやパソコン、タブレット、スマートフォンなど様々なデバイスで視聴可能な、月額933円の定額制動画配信サービス。2011年9月に米Huluが日本市場に参入し、2014年4月からは日本テレビ傘下で事業運営している。日本のHuluが会員数を明らかにするのは今回が初めてとなる。
Huluが遂にPlayStation 4対応
PlayStation 4用アプリは、4月1日からPS Storeで配信。PS4のコントローラに最適化したHuluアプリにより、映画やテレビ番組を「新着順」「人気順」「ジャンル」、「地域」、「スタジオ」などでソートしたり、検索バーで直接作品名を入力して検索できる。動画再生時の画質はHD(720p)。
縦のスクロールでジャンル等を移動し、横スクロールで好きなものを選ぶという、Huluの基本的な操作体系は、PS4版でもほぼ共通。自社内の専任スタッフによる特集ページなや、検索機能も提供し、「基本的にはPS3のHuluと同じ」としている。ただし、PS4におけるシステムパフォーマンスが向上している分、スクロール速度などの使い勝手は向上している。
PS4では音声の文字入力機能も備えているが、今後の拡張については「ユーザーの意見を聞きながら反映していく(HJホールディングス プロダクト部 福田部長)」とのこと。ただし、PS4だけでなく様々なデバイスにおいて、共通の操作体系を維持することを重視する方針。
PS4アプリ内からの新規会員登録も可能。また、PS4から新規でHuluに登録した場合、PS4のHulu対応を記念して1カ月の無料トライアルを実施する(通常は2週間)。
米国に比較すると日本でのPS4対応が遅れたが、「開発リソースの問題もあるが、特に日本においては、スマートフォンとその周辺デバイスを重視し、Chromecastなどを先行させた」としている。今後もスマートフォンやテレビ、ゲームプラットフォームなどのマルチデバイスへの対応を重視していくが、PS4対応により「多くの要望を頂いているものについては、ほぼ対応ができた」としている。
Huluの会員数を初公開。100万件突破
発表会には、HJホールディングスの船越雅史バイスチェアマンが登壇し、「2011年9月にスタートしたHuluは、この3月に登録ユーザー数100万人を突破した。Huluを愛し、利用して下さった全てのユーザーの皆様に感謝する」と、同社として初めてユーザー数を明らかにした。
Huluの会員数は、2014年4月の日本テレビによる買収前は61万件だったが、それ以降の約1年間で100万件を達成した。基本的には、順調に拡大してきたとのことだが、特に大きく伸びたのは、当初の月額1,480円(税込)から、2012年4月に月額980円(税込)に値下げした時とのこと。
船越氏は、Huluの特徴を「シームレスに再生できること」、「マルチデバイス対応」の2点で説明。リビングでHuluをテレビで見ながら、続きをスマートフォンやタブレットで見るといった利用方法が大きな特徴となる。
船越氏は、PC以外のHulu対応デバイス数が1億台を突破したことも発表。使いやすいサービスのためにマルチデバイス対応を強化し、「いつでも、どこでも、ストレス無く、Huluを楽しめる」を目標とする方針を強調し、新たにPS4に対応することを明らかにした。PS4対応は4月1日からPS Storeでアプリを提供する。
また、「Huluの日本立ち上げ以来の視聴時間は、3億6,000万時間に達する」とし、ユーザーの実際の利用時間の長さを強調。「ユーザー数100万人という以上に、3億時間もお使いいただけるサービスになったことに誇りを感じている」と語った。
さらに、100万人突破を記念し、「フールー、オン」というコンセプトを元にした特設サイトも用意。「様々な“ワクワク”をご用意する予定。Huluだからこそ楽しめる、皆様の気持ちを“オン”にするような施策を今後発表していく」としており、1年間の継続的なキャンペーンとして実施する。詳細については4月に第1弾を発表するとのこと。
また、2015年度はHuluオリジナルの作品も投入予定。「昨年10月にオリジナルコンテンツ部を制作し、第1作についてはすぐに発表できるはず。どういったコンテンツが配信に適したものなのか、制作会社やユーザーの動向などを考えながら進めていく」としている。
日本テレビ傘下のHuluだが、他のテレビ局との協力も推進。「フジテレビの深夜アニメのノイタミナからコンテンツを提供していただくべく交渉中で、4月には開始できると思う。また、テレビ朝日さんともHulu配信を見据えた話し合いをしており、コンテンツを皮切りに、Huluを良く知っていただきたい」とした。
なお、2015年秋には定額制VODで世界最大手のNetflixが日本でサービス開始する予定。Huluの対抗策については、「VODの市場規模はまだ小さく成長途中。Huluもサービス拡大するが、ともに切磋琢磨するなかで、まずは有料VODの市場規模を大きくできれば。それが第1印象。その後お互いに競争していくことになる。まだNetflixがどういった展開をするかわからないが、われわれとしては一人でも多くの人に使っていただけるため、コンテンツの充実、シームレスな再生環境やマルチデバイス対応などで、“愛されるサービス”に育てていきたい」と語った。なお、月額933円という定額制プラン以外のプラン展開については、「シンプルが支持されている。現時点で新しいプランを追加するつもりはない」とした。
民放各局が実施中/強化予定の「無料見逃し配信サービス」については、「一週間程度の無料配信とHuluの違いは“イッキ見”です。12話のドラマを一気に見られるとか、サービスの色がちょっと違うと考えており、いまの民放のサービスと棲み分けできていると考えている。4話を見て、その前の1~3話が気になったらHuluで見ていただく、そういった使い方もあるのではないか」とした。
Netflixはテレビのリモコンへのボタン追加など、テレビ対応を重視している。Huluにおけるテレビというデバイスへの取り組みとしては、「Nexus PlayerやChromecast、ゲーム機などかなりのデバイスが、リビングのテレビで利用されている。そうした意味ではテレビ対応は進んでいる。テレビそのものへの対応はもちろん重要だが、それ以外でも広げていけると考えている」とした。
また、「4K」や「HDR」といった高画質化については、「まだ具体的には視野に入っていない。ただし、技術の進展とともに、それを先取りしていくのはHuluが当初から重視していたこと。今後必要になると考えている」と語った。