ニュース
キヤノン、カメラ単体で4K撮影が可能になったCINEMA EOS「C300 MarkII」
(2015/4/8 13:00)
キヤノンは、CINEMA EOS SYSTEMシリーズでスーパー35mmCMOSセンサーを搭載したデジタルシネマ用カメラ「EOS C300」の新モデル、「EOS C300 MarkII」を9月上旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は180万円前後。
スーパー35mm 相当(26.2×13.8mm)のCMOSセンサーを搭載した、デジタルシネマ用カメラ。有効画素数は885万画素(4,096×2,160ドット)。レンズ交換式で、キヤノンEFマウントを採用している。
新モデル最大の特徴は、従来は外部レコーダが必要だった4K映像の記録を、カメラ内部で可能にした事。さらに、同日発表された4K対応の業務用ビデオカメラ向けの新フォーマット「XF-AVC」にも対応している。
記録メディア用スロットとしてCFast 2.0×2基と、プロキシ映像記録用にSDカードにも対応。4K記録にはCFast 2.0カードを利用する。最高で4,096×2,160ドット/30p/410Mbps/YCbCr 4:2:2/10bit/Intraフレームでの撮影が可能。3,840×2,160、2,048×1,080、1,920×1,080ドットでの撮影も可能。LongGOPでの記録にも対応する。
Canon Log 2を適用した独自規格のCINEMA RAW出力にも対応。対応する外部レコーダでのRAW記録もでき、上位モデルのEOS C500と同じワークフローを組む事もできる。
Canon Log 2では、Canon Logに対してダイナミックレンジを拡大すると共に、明部の階調の割り当てを減らし、暗部の階調の割り当てを増加。Log空間の広い領域で均等な出力を得られるCanon Log 2を設定可能。広い領域の均等なデータを残せ、後処理がしやすくなるとする。
映像処理エンジンは、従来のDIGIC DV IIIから、デュアルDIGIC DV 5に刷新。Canon Log 2選択時のダイナミックレンジは、ISO 100~800時に200%~1,600%と変化。ベース感度のISO 800以上は1600%のワイドダイナミックレンジを実現する。
色域は、4K試験放送に採用されたITU-R BT.2020をサポート。キヤノンの4Kマスターモニタと連携する事で、映像の入力から出力まで、ネイティブで同色域をサポート。次世代の記録・制作環境を速やかに構築できるという。独自のCinema Gamutも選択可能。色域が広く、赤、緑、黄色の色再現性が向上。より色鮮やかな映像表現を可能にするという。
4Kでのシビアなフォーカシングを補佐するために、従来と同じデュアルピクセルCMOS AFを搭載しながら、新モデルでは測距レイアを拡大。画面の縦横共に、約80%の範囲でのAF操作が可能になった。前ピン、後ピンを撮影者に伝えるUIも用意。
顔検知AFも搭載。被写体を測距できない場合にレンズ駆動を停止し、不自然な映像のふわつきを抑える機能や、フォーカス速度や追従特性の調整、クレーン撮影や空撮時にタブレット端末からフォーカスを操作する「ワイヤレスフォーカス」などもサポートする。
内蔵NDフィルター濃度の濃い8/10STOPの拡張モードにも新たに対応。EVFは156万画素の液晶から、177万画素の有機ELに変更されている。4型/123万画素の液晶モニタユニットが付属する。
筐体はボディ内部をダイキャストで囲い込む構造を採用。ブラケットには付属のアクセサリと共通サイズのネジ穴を複数設け、様々なアクセサリの取り付け方も可能にしている。外形寸法は約149×183×183mm(幅×奥行き×高さ/サムレスト装着時)。重量は本体のみで約1,880g、グリップ・ハンドル・モニタ装着時で約3,650g。