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TASCAMのPCMレコーダーが音と共にセッティング/GPS情報記録対応。日本語メニューの新機種も

 ティアックは9日、TASCAMブランドのリニアPCMレコーダー「DR-22WL/DR-44WL」向けに、録音した場所のGPS情報や、録音セッティングの情報を、録音ファイルに埋め込める新機能「XRI」を追加した、ファームウェアバージョン1.20を公開した。

リニアPCMレコーダー「DR-22WL/DR-44WL」が、ファームアップで録音セッティングやGPS情報の保存に対応

 また、既発売のPCMレコーダ「DR-07MKII」の日本語メニュー対応版「DR-07MKIIJ」を9月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は16,600円前後。なお、従来の「DR-07MKII」のユーザーは最新ファームウェアにアップデートする事で、メニューの日本語表示が可能になる。

録音ファイルにGPSやセッティング情報を記録

 新ファームで対応する「XRI」はeXtended Recording Informationの略。どのレコーダーで録音され、どのような録音レベルで、どの入力の音が使われたのかという情報を、BWFフォーマットで、音声と共に記録できる。録音セッティングを後から確認できるため、「レコーディングのノウハウを蓄積しやすくなる」という。

 DR-44WLとDR-22Wは無線LAN機能を内蔵。スマートフォンやタブレットのアプリとワイヤレス連携し、アプリ「TASCAM DR CONTROL」からのリモート操作やストリーミング再生、ファイル転送ができる。新ファームでは、アプリと連携している際にスマホで取得したGPS情報を、音声ファイルに埋め込むことも可能。「GPS情報を含んだXRI情報は野鳥、環境音、電車の走行音、航空機の録音など屋外でのレコーディングにおいて大変便利」だとする。なお、アプリ側もバージョンアップが必要(iOS版1.2.0/Android版1.3.0)。

 同社ではXRI機能を、今回の2モデル以外のリニアPCMレコーダやアプリへも展開していく予定。仕様の公開も予定しており、他社にも採用も呼びかけている。

 なお、新ファームではこれ以外に、レベルオーバーの箇所を特定できるピークマーク機能、重要なファイルを保護できるプロテクト機能、再生中のマーク付与、マークの単体削除と一括削除機能、空フォルダの削除に対応。マークスキップモードの選択肢(ALL/MANUAL/LEVEL/TIME/PEAK/OFF)も追加される。

DR-07MKIIJ

 2011年に発売され、販売終了となった「DR-07MKII」のメニューを日本語表示に変え、新たに発売するモデル。ハードウェアの仕様はDR-07MKIIと同じ。英語メニュー表示にする事もできる。

日本語メニュー表示対応のDR-07MKIIJ

 最大で96kHz/24bitのPCM録音が可能で、録音対象にあわせてセッティングを選べるA-B/X-Y両対応の可動式ステレオコンデンサーマイクを装備。音圧125dBでも確実に録音できるという耐高音圧設計を採用する。

 入力レベル設定を自動化できるピークリダクション機能も装備。再生時には、ループ再生や音程を変えずに再生速度を可変するVSA機能、ミュージシャン向けとして、音に響きを与えるリバーブエフェクト、既存音源に新たな録音を重ねるオーバーダビング機能も備えている。

 記録メディアはmicroSD/SDHCカードで、4GBのカードが付属する。電源は単3電池2本、USBバスパワーからの供給や、別売ACアダプタも利用できる。外形寸法は158×68×26mm(縦×横×厚さ)。重量は127g。

(山崎健太郎)