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オンキヨー、初のマグネシウム採用ハイレゾヘッドフォン振動板を開発。'16年製品化
(2015/12/24 11:50)
オンキヨーは24日、実用金属材料では最軽量とされるマグネシウムの箔材を採用したハイレゾ対応ヘッドフォン振動板と、それを使用したハイレゾ対応ヘッドフォン用ドライバの開発に世界で初めて成功したと発表した。この振動板を「マグネシウムモノコック振動板」と呼び、これを使ったヘッドフォンドライバやヘッドフォンを2016年に製品化することを目指す。
ハイレゾの盛り上がりなどでヘッドフォンやポータブルプレーヤーの市場が拡大していることを受け、同社グループでは11月28日よりハイレゾ対応ポータブルオーディオプレーヤーの「DP-X1」(オンキヨーブランド)と「XDP-100R」(パイオニアブランド) を発売。「同時にハイレゾ音源を忠実に再生する新しいヘッドホンドライバーが求められていた」と新たなドライバ開発の背景を説明している。
その要求に応えられる素材として、高級機種に多く使われているアルミニウムよりも比重が約40%軽く、比強度や比剛性も高いほか、歪み低減に有効な内部損失(Tanδ)が実用金属中最大というマグネシウムに着目。素材の特徴を活かすため、ヘッドフォンドライバの振動板形状を最適化した一体成型の独自設計を採用した。ハイレゾ対応に求められる上限40KHz以上の広帯域再生に加え、音楽の微妙なニュアンスを阻害する歪みや、材料固有の雑音成分に関しても加工性を犠牲にすることなく最小限に抑え込んだという。
また、高音域に大きく寄与する表面強度と平滑性を確保し、長期間初期性能を保つための特殊表面処理も開発した。これらにより「従来とは一線を画すピュアハイレゾ再生のための新ドライバーを完成させることができた」としている。
今回の一体成型によるマグネシウム振動板を「マグネシウムモノコック振動板」と命名し、これを使ったヘッドフォン用ドライバやヘッドフォンを、OEM製品や自社ブランド製品として2016年より製品化することを目指す。オーバーイヤータイプのヘッドフォン用ドライバだけでなく、インナーイヤー用など様々なサイズのドライバの開発を行ない、B2B事業やAV事業の拡大などを図る。