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HQM STORE、ジャズシンガー・ウィリアムス浩子の初ハイレゾ2作品を独占配信
(2016/1/19 18:31)
クリプトンは、ハイレゾ音楽配信サイト「HQM STORE」において、女性ジャズシンガー・ウィリアムス浩子のアルバム「a time for Ballads」と「A Wish」の2タイトルを初めてハイレゾ化し、19日より独占配信開始する。フォーマットはDSD 2.8MHzと176.4kHz/24bitのFLACで、FLACは「HQM GREENシリーズ」の作品として発売。アルバム単位での販売となり、価格は各2,592円(税込)。単曲販売は行なわない。
また、同社のiOS端末向け配信「HQMクラウド」では、両アルバムの44.1kHz/24bitのApple Lossless(ALAC)音源を各1,800円(税込)で配信する。配信開始にあたってクリプトンが開催した試聴発表会にはウィリアムス浩子氏が登場し、ハイレゾ化のマスタリング作業時のエピソードなどを語った。
今回配信される2作品はウィリアムス氏が海外のアーティストと共演してレコーディングしたもので、いずれもAmazon.co.jpのJazzチャートでベストセラー1位を取るなど人気を集めたという。
両作のCDマスター音源は44.1kHz/24bit。このマスターを352.8kHz/24bitのDXD(Digital eXtreme Definition)にアップサンプリングし、そこから生成したFLAC(176.4kHz/24bit)とDSD 2.8MHz(DSDIFF形式)のファイルがHQM STOREで配信される。デジタル音源をマスターとしたHQM STOREのDSDタイトルはこの2作品が初となる。
オーディオ愛好家の父の影響もあって真空管アンプの音やアナログ盤の音を好んで聴いているというウィリアムス氏。DSD 2.8MHzの“リアルすぎない音のまろやかさ”が気に入っているという。
ハイレゾ化の作業は'15年末に、JVCケンウッド・クリエイティブメディア マスタリングセンターの杉本氏の元で実施。作業に立ち会った時の様子について、ウィリアムス氏は「初めて聴いた時、明確に音が豊かに、沁み渡るような感じになった。CDの音よりもベースの低音がしっかりと安定して、その上でピアノのきらめきやサックスの艶やかさが出ている。こういう音を聴きながらCD収録していたことを思い出した」と語った。
HQM STOREで配信するハイレゾ音源のマスタリング作業にアーティスト自身が立ち会うことはあまりないということで、「自分の子どものような存在である作品にエンジニアの人の手が加わっていくのを見ることができたのは興味深く、最後まで立ち会えて安心した」と話した。
発表会では「a time for Ballads」の収録曲「バークリー・スクエアのナイチンゲール」をCD、FLAC、DSDで試聴。さらにiPhoneとクリプトンのアクティブスピーカー「KS-7HQM」を使ってHQMクラウドで配信されるALAC音源を再生すると、ウィリアムス氏はそのコンパクトさ、手軽さやスピーカーの音の良さに「これはとてもいいです。素晴らしい」と感動していた。
なお、クリプトン オーディオ事業部の渡辺勝事業部長によると、HQM STOREで配信している楽曲数・タイトル数は、1月14日時点で37,000曲、計2,083タイトル。このうち、176.4kHz/24bitのFLACをラインナップする「HQM GREENシリーズ」は127タイトル。DSDフォーマット作品は29タイトル。HQMクラウド対応の作品は323タイトルに上るという。