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超弩級ハイレゾプレーヤーの筐体を銅にした「AK380 Copper」、約55万円

 アユートは、iriver Astell&Kernのハイレゾ対応ポータブルプレーヤーの最上位モデル「AK380」のバリエーションモデルとして、筐体に銅を使った「AK380 Copper」(AK380-256GB-CP)を2月12日に発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は549,980円(税込)。数量限定販売となる。

「AK380 Copper」(AK380-256GB-CP)

 既発売の「AK380」(直販税込499,980円)は、筐体の素材としてジュラルミン(航空機グレードのアルミ A7075)を使っているが、その素材を銅に変更したのが「AK380 Copper」。素材と付属ケース以外の、プレーヤーとしての仕様は通常モデルと同じ。

左が「AK380 Copper」、右が「AK380」

 Astell&Kernは、音質に影響をもたらすプレーヤーの素材について研究を重ねており、他機種でも素材の異なるモデルをリリースしているが、その一環となる。銅は優れた導電性と比重を併せ持っており、「重厚かつ優れたバランスのサウンドを提供する」としている。

 純度99.9%の銅を使っている。銅は重厚な音を奏でる管楽器の材料としても使われているが、銀の次に伝導率が高い。この伝導性と外来ノイズを防ぐシールド効果、そして比重により、ジュラルミンとは異なるアプローチで高音質を実現できるとして開発されたという。

 無垢の銅ブロックから、一台あたり約4時間をかけ、5軸加工を用いた切削でシャーシを作り上げている。銅は削り屑が外側ではなく、内側にカールする傾向があるため、加工機を破損するケースが多く、加工には熟練の技術が必要になるという。また、コーティング前の状態では酸化の進みも速いため、管理が難しく、大量生産には向いていない。

素材以外、デザインや機能はAK380と同じ

 金属重量はジュラルミンの3.2倍。AK380のボディシャーシを1台(175g)製造するために、1.7kgのブロックが必要。ジュラルミンは55gを削りだすために、530gのブロックが必要となる。なお、AK380 Copperの重量は約350g、AK380は約230gで、Copperの方が120g重い。

 表面は職人による研磨により、ヘアライン加工を施されている。酸化防止コーティングは、グリス除去、エッチング、皮膜処理、乾燥と、それぞれに最適な処理時間で4段階実施。素材の魅力を活かしている。

 AK380の背面にはカーボンプレートが使われているが、AK380 Copperでは、カーボンとケブラー繊維を併用。カーボングレーとブルーのツートンカラーとなり、銅の鮮やかなイメージとのマッチングを図っている。

左が「AK380 Copper」。カーボングレーとブルーのツートンカラーになっている

 付属のケースも専用のもので、トルコ産の天然皮革「The V1」を採用。天然皮革の中でも最高級の品質とされており、ルイ・ヴィトンのバッグのハンドル部分などにも使われている。表面にあえてコーティングはしておらず、使い込むとキャラメル色に風合いが変化していくのが楽しめる。製造は、トルコ国内の皮革産業のトップメーカーであるSepiciler Caybasiが手がけている。

トルコ産の天然皮革「The V1」を使った専用ケース
使い込むほどに風合いが変化していくという
手前がAK380の付属ケース
パッケージ

プレーヤーとしての仕様は通常モデルと同じ

 256GBのフラッシュメモリを搭載し、最大128GBまでのカードが利用できるmicroSD/SDHC/SDXCカードスロットを搭載。DACには、旭化成エレクトロニクスの32bitプレミアムDACのフラッグシップ、「VERITA AK4490」をL/R独立して1基ずつ搭載。グランドもL/R独立させている。

 再生対応ファイル形式はWAV、FLAC、WMA、MP3、OGG、APE、AAC、Apple Lossless、AIFF、DFF、DSF。PCMは384kHz/32bitまで、DSDは11.2MHzまでのネイティブ再生ができる。高精度で、200フェムト秒という超低ジッタを実現するVCXO Clock(電圧制御水晶発振器)も搭載。

 USB DAC機能も備えており、PCとUSB接続し、384kHz/32bit、DSD 5.6MHzのデータを再生する事もできる。

ステレオミニのアンバランスと、2.5mm 4極のバランス出力端子も備えている

 IEEE 802.11b/g/n(2.4GHz)の無線LAN機能を搭載し、DLNAに対応。スマートフォン/タブレット向けに「AK Connect App」というアプリを提供しており、アプリからAK380を据置型のネットワークプレーヤーとして制御し、NASやPCに保存した音楽ファイルを、ネットワーク経由でAK380から再生させる事ができる。

 Bluetooth 4.0に対応。対応プロファイルはA2DP、AVRCP。イヤフォン出力はステレオミニのアンバランスで、光デジタル出力も兼用。さらに、2.5mm 4極のバランス出力端子も備えている。外形寸法は112.4×79.8×17.9mm(縦×横×厚さ)。4型のディスプレイも備えている。

 なお、特典としてハイレゾ音楽配信サイトの「groovers」で、アルバム1枚が無料でダウンロードできるクーポンが付属する。PCだけでなく、AK380 Copperから直接購入する事も可能。

(山崎健太郎)