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ソニー、Bluetooth/Wi-Fiハイレゾ小型スピーカー「h.ear go」。USB DAC内蔵

 ソニーは、BluetoothとWi-Fi接続に対応し、ハイレゾもサポートするポータブルワイヤレススピーカー「h.ear go(SRS-HG1)」を4月16日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は28,000円前後。カラーはチャコールブラック、シナバーレッド、ライムイエロー、ビリジアンブルー、ボルドーピンクの5色を用意する。

カラーは、チャコールブラック、シナバーレッド、ライムイエロー、ビリジアンブルー、ボルドーピンクの5色

Wi-FiやUSBハイレゾ再生対応。アップデートでサラウンドのリアスピーカーにも

 ハイレゾ対応で世界最小とするポータブルワイヤレススピーカー。Bluetoothでスマートフォンなどの音楽をワイヤレスで聴けるほか、IEEE 802.11a/b/g/nのWi-Fiも搭載し、Google Castにより「Google Play Music」や「KKBOX」、「Tunein Radio」、「8Tracks」などの音楽サービスをインターネットから直接ストリーミングで利用可能。Wi-Fiとハイレゾ再生対応の新開発ワンチップモジュールを搭載している。

使用イメージ

 また、DLNAのレンダラー(DMR)として利用でき、パソコンやNASなどに収めた音楽を、スマホアプリ「SongPal」での操作で再生することも可能となった。

 Bluetooth 4.2準拠で、プロファイルはA2DP/AVRCP/HFP/SPPをサポート。コーデックはLDACとAAC/SBCに対応する。LDACで96kHz音源を990kbpsで伝送した場合は20Hz~40kHzの帯域をカバーし、「ハイレゾ相当の音源を再現できる」としている。SCMS-Tの著作権保護もサポート。NFC対応スマホやウォークマンをかざしてペアリングすることも可能。内蔵マイクでハンズフリー通話も行なえる。

天面にはハイレゾロゴ
NFCでペアリング可能

 オーディオ入力用のUSB端子も新たに搭載。パソコンやハイレゾ対応ウォークマンなどと接続してUSB DACとしてハイレゾ再生も可能。その場合の再生フォーマットはPCMの192kHz/24bitまで対応し、5.6MHzまでのDSDファイルは192kHz/24bitのPCMに変換して再生できる。PCMのほか、MP3/WMA/AAC/FLAC/Apple Lossless(ALAC)/AIFFにも対応。

USBは給電用とデジタル音声入力用の2系統

 「SongPal Link」にも対応し、複数の対応スピーカーを組み合わせて家じゅうの様々な場所で同じスマホなどの曲を楽しむマルチルーム再生が可能。さらに、6月以降に予定しているアップデートによって、SongPal Linkの新機能「Wireless Surround」と、「Wireless Stereo」に対応する。

 「Wireless Surround」は、今後発売されるワイヤレスサラウンド対応製品とSRS-HG1を組み合わせることで、HG1をワイヤレスのリアスピーカーとして使えるようになる機能。日本で発売される対応サラウンド製品は未発表だが、米国向けに今春発売される2.1chサウンドバー「HT-NT5」などが対応を予定している。

 「Wireless Stereo」は、2台のワイヤレススピーカーを接続してスマホなどの音楽をステレオスピーカーとして聴ける機能。DLNAやGoogle Cast、USB、後述するアナログ入力の音源再生時に利用できる。スピーカー間の接続はBluetoothではなくWi-Fiを使うため、Bluetoothに比べて高音質で再生可能。USB/アナログ入力の場合は、Wi-Fiルーター/アクセスポイントが無い場所でも利用できる。なお、2月13日発売のEXTRA BASSシリーズ新機種の「SRS-XB3」や「SRS-XB2」はBluetoothによる2台のステレオ再生などが行なえる「Speaker Add」に対応するが、HG1は同機能には非対応。

ハイレゾ対応の新ユニットを開発

 スピーカーユニットは、ハイレゾ対応で最小とする35mm径フルレンジ2基(ユニット特性60Hz~40kHz)を搭載。振動板は、高い周波数の音を再現するために軽量で剛性の高い素材や形が必要なことから、同社ハイレゾ対応スピーカー「SS-HA1」にも使われている発泡マイカを採用。多岐に渡るシミュレーションから振動板形状の最適化を行なったという。ネオジウムマグネットを搭載し、磁気回路も強化したことで、大音量でも低域の表現を豊かに再生可能としている。

新開発のハイレゾ対応フルレンジユニット

 低域を強化するためパッシブラジエータも前後に2基内蔵。一体型スピーカーでもステレオのセパレーションを高めることを目的に、筐体内部をL/Rで分離。さらに、前後のパッシブラジエータもL/Rチャンネルそれぞれに振り分けることでステレオ感の向上を図っている。

 最大出力12W×2chのデジタルアンプ「S-Master HX」を搭載。バッフル板に高剛性樹脂を用いたことにより、タイトで豊かな低域や、きめ細やかな音の再現を計っている。前面のグリルは取り外し可能で、底面に取り外し用のスイッチを配置している。

内部の筐体とバッフル面
内部構造
底面のスライドスイッチで、前面グリルを取り外せる
天面にEXTRA BASSなどの操作ボタン
持ち運び時のイメージ

 ステレオミニのアナログ入力を備え、アナログ入力の音声は96kHz/24bitのADCでデジタル変換して処理。圧縮音源の高域を補間するDSEE HXも搭載し、アナログ入力などハイレゾ以外の音源もハイレゾ相当で楽しめるとしている。独自のデジタル信号処理で高音質化を図るClearAudio+、音圧や重低音を強化するExtra Bass機能も利用可能。

 アプリのSongPal上で、5バンド/20段階のイコライザも利用可能。なお、既存のSRS-X33シリーズでは、音場を広げる「SOUND」ボタンを備えていたが、HG1ではハイレゾ再生など原音に忠実な再生やセパレーションの向上などを追求していることもあり、この機能は省いた。

 内蔵バッテリでの連続使用時間は約12時間。充電はマイクロUSB経由で行なう。外形寸法は約204×60×62mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約790g。USB-ACアダプタなどが付属する。

(中林暁)