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映画やアニメなどの'14年海賊版被害額推計は2,838億円。正規収入の2倍超に

 コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は、2014年の海外における日本コンテンツの海賊版による被害額(正規版収入への影響額)の把握を目的とした調査を実施。映画/アニメ/放送/音楽/マンガの5ジャンルについて、2014年の海外における収入金額が1,234億円だったが、海賊版による被害額はその2倍を上回る2,888億円と推計した。

'15年に台湾で摘発された海賊版販売サイトの押収物

 経済産業省委託事業の一環として行なわれた調査。「海外における収入金額」は、CODAが2015年度に外部調査会社に委託して実施した「海外での日本コンテンツの市場規模調査」に基づく5ジャンルの、実際に企業が得た金額の推計。

 海賊版による被害額は、CODA企業会員社33社を対象に実施したアンケート調査「海外におけるコンテンツ収入及び海賊版の推定被害額等」を元にした係数(海賊版による正規版収入への影響)を、「海外における収入金額」に乗じて算出した。なお、この被害額は、海外における収入金額に基づき計算していることから、海外展開されていない作品の海賊版による、潜在的な被害は考慮されていないという。

 前述した市場規模調査では、「小売価格に販売数量を乗じた金額」の場合、売上金額は3,994億円。この額から同様に推計した場合は、海賊版の被害額推計は9,348億円となる。

 CODAは「引き続き、海外での著作権侵害への有効な対策を実施し、正規版流通のための環境作りを目指し、活動する」としている。

(中林暁)