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パイオニア、台湾の液晶大手Innoluxグループの傘下に
2025年6月27日 09:51
パイオニアと、スマートコックピットソリューションを手掛けるCarUXは26日、投資会社のEQTが保有しているパイオニアの全株式をCarUXが取得することで合意した。CarUXは、台湾を拠点とするディスプレイメーカー・Innoluxの子会社で、株式譲渡の完了後、パイオニアはInnoluxグループの傘下に入ることになる。株式譲渡は2025年第4四半期(10月~12月)までに完了する見込み。
パイオニアとCarUXは、統合型コックピット(サウンドソリューションを含む)、およびハードウェア・ソフトウェア統合強化に焦点を当てた開発で協業。「グローバルな自動車業界および消費者の変化するニーズに対応するため、より包括的な製品ラインナップと顧客体験の提供を目指す」という。
パイオニアは2018年12月に、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア(BPEA)傘下Wolfcrestに完全子会社化され、上場廃止に。そのBPEAは後に、EQTに買収されている。
パイオニアのサンジェイ・ダワン取締役会長は「EQTの支援のもと、パイオニアは変革の道を歩み始め、“ソフトウェアが定義するモビリティの時代”においてリーディングカンパニーとなるべく、積極的にイノベーションを取り入れてきた。こうした取り組みにより、顧客・従業員・株主をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様に対し、確かな価値を創出できたと確信している」とコメント。
パイオニアの代表取締役社長 兼 社長執行役員の矢原史朗氏は、「“未来の移動体験を創ります”という当社のビジョンを推進していくにあたり、CarUXが新たな株主になることを大変喜ばしく思う。CarUXは車載向けスマートコックピットディスプレイおよびソリューションに関するグローバルな知見と実績を有している。CarUXと共に、業界に前例のない統合型の価値製品を提供できると信じている。また、これまでのEQTのパートナーシップに感謝するとともに、今後はInnoluxグループのチームと協業してさらなる成長を実現していく」とした。
Innoluxの会長 兼 CEOで、CarUXの会長であるJim Hung氏は「この戦略的な買収は、CarUXの製品と技術的な能力を拡大するだけでなく、Innoluxが自動車ディスプレイソリューションを超えた統合型スマートコックピットサプライヤーへの積極的な移行を象徴するもの。CarUXとパイオニアの強みを組み合わせることで、イノベーションを推進し、顧客価値の創造に貢献すると確信している」と語っている。