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JVC、思い出せない人の名前を教えてくれる「カメラ付きAIイヤフォン」。CEATEC 2025

JVCケンウッドブースの体験イメージ

千葉・幕張メッセにて、「CEATEC 2025」が開幕。開催期間は10月17日まで。入場料は無料だが、来場事前登録が必要となる。ここでは、JVCケンウッドや、三菱電機、シャープなどのブースをレポートする。

JVCケンウッド

カメラ付きAIイヤフォン

JVCケンウッドのブースで目玉となっていたのは、カメラ付きAIイヤフォン。オープンイヤー型の完全ワイヤレスイヤフォンに、カメラが搭載されたもので、イヤフォン本体にAIが搭載されているのではなく、スマホと連携してAIを活用できるイヤフォンとのこと。

デモでは、名刺を交換した人と久しぶりに再会した際に、誰だかこっそり教えてくれるという機能を体験。画面に人の顔が表示された際に、「こんにちは」「お久しぶりです」のどちらかを口に出すことで、そのワードをトリガーとして、カメラに写っている人物を検索。相手の名前を教えてくれる。

小型のカメラが搭載
話しかけると
思い出せない人の名前をこっそり教えてくれる

今回のデモの想定のほか、装着者がカスタマーハラスメントに遭遇した際に、すぐに上司や同僚に連絡が行き、トラブルとなっている現場の会話を文字起こしし、装着者のイヤフォンには、上司からの指示が届く、といったようなことも行なえるという。

三菱電機

写真だとわかりにくいが立体映像

三菱電機のブースでは、リアルな映像を空中に表示するXR技術「CielVision」を展示。独自の空中プロジェクション光学技術に、デジタル映像処理技術を融合した技術により、肉眼で高輝度・高精細でリアルな映像が宙に浮かび上がって見えるようになる。

従来の空中ディスプレイの多くは、コストの低い再帰反射方式を採用しているが、CielVisionは、自由曲面ミラー1枚のみを採用することで、クリアな映像を空中に表示可能になったという。

この技術で、高輝度が求められる屋外でも空中映像が利用できるため、道路上に設置して、逆走となってしまう道に映像のバリケードを出すといったことも可能になるという。

ブースでは、リアルタイムに撮影されている映像を空中に投影する形で展示されていた。

翻訳とイメージ画像の編集を組み合わせる「しゃべり描き翻訳」も展示。外国人労働者が増加しているという工場で、より安全に作業方法を伝えるツールとなっているのがこのしゃべり描き翻訳。

一般的な翻訳はタイムラインで行なうが、指でなぞることで、画像に対して直接メッセージを入力できる。作業工程を教える際に、何を指しているのかをわかりやすく提示できる利点があるという。

しゃべり描き翻訳
画像の近くに翻訳した文章を表示しているところ

また、複数人の会話を分離して書き起こしできる「waketekoo」と会話内容を分析して新たな提案が可能だという「Serendie SPOT」を組み合わせ、立ち話から共創アイデアを提案するソリューションのデモも用意。

今回のデモでは、マイクに向かって2人組でそれぞれ別の決まったワードを同時に読み上げて、waketekooが同時収録された言葉を分類し、Serendie SPOTが新たな提案をまとめる様子を体験できた。

千葉出身と愛知出身の会話でオススメされた新グルメ

シャープ

生成AI×TV

シャープブースでは、テレビ上にAIで返答するキャラクターを表示して会話を楽しめるソリューションを参考出品。会話をすることを目的に作られたもので、なぜなぜ期の子供の疑問を親の代わりに答えたり、20代の悩み相談にのったり、お年寄りの話相手になったりできるという。

デモでは、4つのパターンを学習した状態で会話が楽しめるが、将来的には、会話を重ねることでそのユーザーや家族のことを学んでいき、パーソナライズされた会話が楽しめる存在になることを目指している。

デモのAIはこの4パターンで学習済みとのこと

生成AIを利用した対話サービスは、多機能オーブンレンジのヘルシオ向けの「クックトーク」でもすでに展開中。従来は「鶏肉を使った料理」など材料を指定してレシピを検索する必要があったが、この対話型AIでは、「疲れたから元気が出るご飯」といったような要望に対しても、会話の内容に合ったレシピを紹介してくれる。

「疲れたから元気が出るご飯」を頼んだところ

なお、対話のみでレシピの詳細まで教えてくれるものはまだ限られているそうだが、今後、レシピの詳細説明の対応拡大や、ヘルシオへのレシピの転送も対話のみで行なえるようにしていくとのこと。

ヘルシオへの転送機能