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スマホ用DACアンプでも鳴らせる、Simphonio平面駆動型ヘッドフォン「CHARM」。クラファン開始
2025年10月21日 18:00
ベタベタは、オーディオブランド・Simphonio(シンフォニオ)の平面駆動型ヘッドフォン「CHARM」を、クラウドファンディングのCAMPFIREにて10月21日18時より先行販売する。一般販売予定価格は49,500円だが、クラファンでは39,600円から購入できるプランを用意する。発送予定は2026年1月中旬から。カラーはブラックとシルバー。
Simphonioは「Simply Best Phonic」を理念に掲げ、音楽本来の魅力をシンプルに引き出すことを使命としたブランド。ユーザーがオーディオ評論家の野村ケンジ協力のもと、音にこだわったものづくりに挑戦していくコミュニティ「#オトモノ」を運営するInitial al Aの安藤省吾氏が、日本導入に向けた今回のプロジェクトを手がけている。
CHARMは、従来はアンプが必須とされた平面駆動型ヘッドフォンを、革新的な設計により 16Ωの低インピーダンス化。ポータブルオーディオプレイヤーやスマートフォン用DACアンプでも軽快に鳴らせる新世代機として開発された。
70mmの平面駆動ドライバーを搭載。振動板は6μm多層複合バイオニックダイアフラム。独自技術として、石を効率化し強力な駆動力を実現する「Magnetic Bridge Technology」や、歪みを抑え、正確かつ安定した音を再生する「Warp & Weft Wiring Technologyなどを搭載している。周波数特性は5Hz~50kHzで、ハイレゾ音源にも対応。
ヘッドフォン全体で308gと軽量設計で、長時間リスニングでも疲れにくいという。
80年代テイストたっぷりのメカニカルな外観は、懐古主義的ヘッドフォンが増えてきた今日であっても、比類ない“特別感”を持ち合わせています。
この外観だけでも十分に興味惹かれる製品となっていますが、その本領といえるのはやはりサウンドでしょう。特に、定位の正確さ、音の広がりのスムーズが素晴らしいのひとこと。ソリッドでクリアなサウンドによって、音像がボケることなく、正確な空間描写を再現してくれます。音色傾向のニュートラルさと相まって、フルオーケストラなどのクラシックが存分に楽しめます。
また、高域が鋭いくらいにヌケがよいため、女性ヴォーカルの歌声などは普段とは異なる強烈な存在感を示してくれます。最近流行の万能選手系“聴き心地重視”なリスニング系サウンドとは真逆を行くキャラクター、どちらかというと、平面磁界駆動型ドライバーの特性を活かして良質なモニター系サウンドを造り上げている、といった印象です。少なくとも、この価格帯でこのクオリティは望外といえます。
外観もサウンドも、スペシャリティさ溢れる製品だと感じました。
最後にひとつ。着脱式のケーブルは、製品版ではプレーヤー側の端子が4.4mmと3.5mmで交換可能なマルチコネクタタイプに変更されました。様々なプレーヤーで楽しむことができるよう、最終仕様をグレードアップしてくれたのは嬉しいかぎり。そんな作り手の気遣いが随所に感じられる製品でもあります。
ファーストインプレッション
編集部でも短時間だが、試聴した。
音よりもまず印象的なのは、CNC加工アルミニウム合金のハウジングのメカメカしさ。触るとガシャガシャするが、この無骨さがたまらない。
「グレゴリー・ポーター/When Love Was Kin」を聴いたが、ボリュームをあまりあげなくても十分な音量になる。
驚くのは、非常にハイスピードで分解能の良いサウンド。オープン型なので、音場も広大で、広い空間に切り込むようなシャープなサウンドが展開。伴奏のピアノの、ペダルを踏んだ時の「クンッ」というかすかな音まで聴き取れる。
解像度だけ追求した、硬い音なのかというとそうでもなく、声の表情を豊かに聴かせる面も備えている。
「藤井風/Prema」では、冒頭のノイズがギョッとするほど細かく聴こえ、直後に広大な音場に、サビが一気に広がり、スケール感に圧倒される。ビートのキレがとにかくハイスピードで、キレ味鋭い。歌声が爽やかに広がり、これぞ平面駆動型という醍醐味が味わえた。