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ジェネレック、ゼロノイズ設計の3ウェイ・メイン・モニター「8380A」
2025年11月19日 17:26
Genelecは、スタジオだけでなくプレミアムなホーム・オーディオ環境にも対応するモデルとして位置付けるミッドフィールド向け3ウェイ・メイン・モニター「8380A」を11月19日に発売する。価格はオープン。
ポイント・ソース・テクノロジーを採用した「8381A」に続く“The Main Ones”シリーズの新モデルで、独自開発の同軸ミッドレンジ/ツイーターMDC(Minimum Diffraction Coaxial)と、高リニアリティの15インチ・ウーファーを組み合わせた3ウェイ構成のアクティブSAMモニター。
最大音圧レベルは≧122dBで、広いヘッドルームと優れたダイナミクスを確保しながら、ニュートラルでフラットなモニタリングを目指した設計となっている。
ミッドレンジ/ツイーターにはMDC同軸ドライバーを採用し、Genelec独自のDCW(Directivity Control Waveguide)とシームレスにつながるよう設計されたウェーブガイドにより、放射特性と指向性を精密にコントロール。優れた軸外特性によってリスニングエリアを広く確保し、スイートスポットから外れても音色変化を抑えたモニタリングが可能だとしている。
時間軸の整合性にも配慮されており、最短リスニング距離は約1.3mと、ミッドフィールドのみならず近接環境でも使用できる。
低域には15インチ(380mm)ウーファーと、新設計のフロント・バスレフポートを採用。高いリニアリティを維持しながら大出力時の歪みを抑え、量感とキレを両立した低音再生を実現するという。
フロント側に2つのバスレフポートを配置した構造により、風切り音などの不要なノイズを低減しつつ、壁面への埋め込み設置や壁際設置にも対応しやすい。
アンプ部には新開発の「RAM-L2」モジュールを搭載。ウーファー用500W/ミッドレンジ用250WのクラスDアンプと、ツイーター用200WのクラスABアンプを内蔵しながら、自己生成ノイズは“0dB”とアナウンスされており、非常に静粛性の高い動作を実現している。ファンレス構造とすることで、冷却ファンの動作音などを排除した「ゼロノイズ設計」を徹底している点も特徴。
電源管理の面では、オート・スタンバイ機能ISS(Intelligent Signal Sensing)を搭載し、信号がない状態が続くと自動で低消費電力モードへ移行。ISS稼働時の消費電力は≦0.5Wに抑えられており、環境負荷とランニングコストの両面に配慮した設計となっている。
アンプモジュールは本体背面に装着して一体型として使えるほか、取り外してスピコンケーブルでラックなどに離して設置することも可能で、ラックマウントアダプターも付属する。
スピーカーマネージメントでは、Genelec専用ソフトウェア「GLM(Genelec Loudspeaker Manager)」に対応。付属のネットワーク端子(RJ45)を介してシステムに組み込むことで、設置環境に合わせた自動キャリブレーションやレベル/ディレイ調整、音響補正などを一括して行なえる。
さらに、部屋の音響特性を分析する「GRADE(Genelec Room Acoustic Data Evaluation)」レポートも利用でき、ルームアコースティックの可視化や検証にも役立てられるとしている。
同社のThe Onesシリーズや、他のThe Main Ones、SAM Compactシリーズとの時間軸特性をそろえてシステム構築できる点も特徴で、ステレオからマルチチャンネル、イマーシブオーディオ環境まで一貫性のあるモニタリングを実現可能。大型スタジオのメインシステムとしてはもちろん、段階的なアップグレードや増設にも対応できる。
筐体はMDF製で、外形寸法は480×420×810mm(幅×奥行き×高さ)、質量は約54kg。カラーはブラックとホワイトの2色を用意する。外形寸法は既存モデルの1038、1238と同一で、これらのシステムからの入れ替え・アップグレードも想定されている。




