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HIFIMANから“Wi-Fi接続”ヘッドフォン上陸。ヤマハのヘッドフォンアンプ「HA-3000A」にも注目

左からHIFIMANの「Arya WiFi」、「HE1000 WiFi」

ポータブルオーディオの試聴・体験イベント「ポタフェス 2025 冬 秋葉原」が13日開幕。会期は12月13日、14日の2日間で、会場はベルサール秋葉原 B1F・1F・2F。ここではHIFIMAN、ヤマハ、Brise Audioブースをレポートする。

HIFIMAN

HIFIMANブースで注目は、「Arya WiFi」と「HE1000 WiFi」という2つのヘッドフォン。どちらも平面磁界型ヘッドフォンなのだが、型番からわかるように、Wi-Fiでの接続に対応しているのが特徴。

Arya WiFiのバッフル部分

スマホやタブレットとArya WiFi/HE1000 WiFiをWi-Fiで接続し、高ビットレート、高解像度のロスレスオーディオを伝送できるという。SpotifyやApple Music、Qobuzといったほとんどのオンラインミュージックプラットフォームに対応し、roonもサポートする。

会場の試聴機は、タブレットとWi-Fiで接続されていた

Wi-Fiに加え、Bluetooth接続にも対応。その際はLDACも使用できる。また、USB-Cでの有線接続にも対応する。対応フォーマットはPCMが768kHz/32bit、ネイティブDSD 512まで。

どちらのモデルも、外観や型番からわかるが、ベースモデルは「Arya UNVEILED」と「HE1000 UNVEILED」となる。Arya WiFiとHE1000 WiFiの発売日は2026年2月頃の予定で、価格のイメージはArya WiFiが23万円前後、HE1000 WiFiが46万円前後だという。

HE1000 WiFi
HE1000 WiFi

ヤマハ

ヤマハのブースでは、オルソダイナミックドライバーを搭載したハイエンドヘッドフォン「YH-4000」と、ヤマハ独自のアルモダイナミックドライバとビーチ材ハウジングを採用した密閉型ハイエンドヘッドフォン「YH-C3000」を体験できる。

左から「YH-C3000」、「YH-4000」

さらに、開発中のヘッドフォンアンプ「HA-3000A」も出展。同社は、超弩級ヘッドフォンアンプ「HA-L7A」を手掛けているが、HA-3000Aはそれよりもリーズナブルになると思われるモデル。しかし、HA-L7Aと同様に、HA-3000Aにも独自のフローティング&バランスパワーアンプ技術を投入している。

これは、出力段の左右チャンネルのプラス側とマイナス側の合計4組のパワーアンプ回路をグランドからフローティングさせることで、出力段の徹底した左右対称プッシュプル動作を実現するもの。バランスとアンバランスのアンプ構成を変えることなくヘッドフォンを駆動でき、出力端子の違いによる音質のバラツキを最小限に抑えられる。

ヘッドフォンアンプ機能だけでなく、DACも搭載。USB DACとして使うこともできる。

開発中のヘッドフォンアンプ「HA-3000A」

Brise Audio

Brise Audioは、より手に取りやすいブランドであるBrise Worksでリリース予定の新作アンプ、試作Ver.2を初展示。回路と基板レイアウトをブラッシュアップした。2026年4月以降に発売予定で、予定価格は20万円未満。

るBrise Worksでリリース予定の新作アンプ

エレクトロニクス製品で即納・コストと量産効率を最大限に高めた初の製品だが、Brise Audioで培ったアンプ回路、新規の電源回路を採用。USB-Cによる電源供給ができる。会場では、一般的なACアダプタだけでなく、Ferrum AudioのHYPSOS、iPower2も用意し、これら電源による音の違いを体験する事もできる。

5極4.4mm入出力を搭載。電子ボリュームのMUSES72320を採用。小型ながら充実した低域再生を狙っている。

ケーブルの試作品としては、試作ラインケーブルを初展示。新開発の線材を使ったもので、YATONO XLRやMURAKUMO XLRと比較試聴できる。

他にも、オーディオテクニカ「ATH-ADX7000」向けに専用チューニングを施したヘッドフォンリケーブル「BSHP for ADX7000」や「BSEP for A10000」、「AKAGANE-HP」なども体験できる。

BSHP for ADX7000

NUARL

NUARLのブースでは、12月19日に発売するワイヤレスイヤフォン「NUARL νClip(ニュークリップ)」に注目。価格は19,800円。

NUARL νClip

イヤカフ型で初めてMEMSハイブリッド・デュアルドライバを採用したのが特徴。

中低域用に10×15mm径のPEEK+PU複合振動板ダイナミックドライバ「“NUARL DRIVER”O」、高域用にMEMSドライバを採用したハイブリッド構成。高域に100kHz以上の超高域再生が可能なMEMSを採用することで「オープンタイプのイヤフォンでも音楽鑑賞に耐えうる超広帯再生を実現した」という。

ドライバの設置空間が狭くなりやすいイヤカフ型でも、最適な音響設計を実現。高域用のMEMSスピーカーをダイナミックドライバと同軸上に置きながらも距離を離した対向配置にすることで、オープン型イヤフォンに重要な低域再生に必要な音響空間を確保した。

NX1 Chapter2 HDSS Hi-Res STEREO EARPHONE

「NX1 Chapter2 HDSS Hi-Res STEREO EARPHONE」は、カーボンナノチューブ振動版のシングルフルレンジ・ダイナミックドライバをマグネシウム筐体に搭載した、2pinリケーブル対応のHi-Res有線イヤフォン。

X171(仮称)。外観は未定

「X171(仮称)」は、NUARL独自のチューニングを施した、4.4mバランス出力のUSB Type-CケーブルDACアンプ。

シンプルなDACアンプとして開発されているが、サウンドチューニングをNUARLの有線イヤフォンを用いて行なっており、NUARLのイヤフォンを理想的なサウンドで楽しめるDACアンプになりそうだ。