ソニー、iTunesからのD&D転送可能なウォークマンS

-NC有無の2シリーズ9機種。歌詞表示対応


NW-S740のゴールドモデル。歌詞表示を行なっているところ

10月10日より順次発売

標準価格:オープンプライス

 ソニーは、ウォークマンSシリーズ2ライン、9モデルを10月10日に発売する。ノイズキャンセリング(NC)機能を備えた「NW-S740」は8/16/32GBの3モデルをラインナップ。NC無しの「NW-S640」シリーズは8/16GBの2モデルを用意。価格はいずれもオープンプライス。Windows XP/Vista。

 さらに、各シリーズに、ウォークマンを搭載できるスピーカーをセットにした「S740K」、「S640K」シリーズも用意。メモリ容量のバリエーションはスピーカー無しモデルと同じだが、S740Kシリーズのみ、32GBモデルはラインナップされない。

 各モデルの店頭予想価格は下表の通り。

シリーズ名メモリ容量モデル名カラバリ機能特徴発売日店頭予想価格
NW-S7408GBNW-S744ブラック(B)
ゴールド(N)
グリーン(G)
バイオレット(V)
ノイズキャンセル
同期歌詞表示
語学学習
D&D転送
10月10日16,000円前後
16GBNW-S74510月28日19,000円前後
32GBNW-S74625,000円前後
NW-S740K8GBNW-S744Kスピーカー付
ノイズキャンセル
同期歌詞表示
語学学習
D&D転送
10月10日19,000円前後
16GBNW-S745K10月28日22,000円前後
NW-S6408GBNW-S644ホワイト(W)
ブルー(L)
オレンジ(D)
ピンク(P)
同期歌詞表示
語学学習
D&D転送
10月10日14,000円前後
8GBNW-S644ミルフィーユ
ピンク(PI)
ソニースタイル
限定カラー

同期歌詞表示
語学学習
D&D転送
9月下旬
予定
直販15,800円
16GBNW-S645ホワイト(W)
ブルー(L)
オレンジ(D)
ピンク(P)
同期歌詞表示
語学学習
D&D転送
10月28日17,000円前後
NW-S640K8GBNW-S644Kスピーカー付
同期歌詞表示
語学学習
D&D転送
10月10日17,000円前後
16GBNW-S645K10月28日20,000円前後

 「NW-S644/PI」は、ソニースタイル限定販売のカラー「ミルフィーユピンク」モデルで、メモリ容量は8GB。9月下旬発売で価格は15,800円。同モデルを含め、ソニースタイルではSシリーズ全モデルを対象として、付属のヘッドフォンの代わりに、ソニースタイルが推奨するヘッドフォンを、ユーザーの視聴スタイルに合わせて選択できるサービスを実施予定。選べるヘッドフォンはMDR-NX3、MDR-AS50G、MDR-XB500を含む、複数を用意しており、選んだものによって価格も変わる。 

ソニースタイル限定のミルフィーユピンクモデル


■ カラオケ機能を搭載

 ノイズキャンセル機能を備えたS740シリーズのカラーリングは、高級感を重視。下位モデルのS640は、若年層の利用者を意識し、カラフルなカラーを取り揃えている。また、Sシリーズの全モデルに、9枚の共通壁紙をプリインストール。外装に合わせた壁紙が選択できる。

 最大外形寸法は92×41×7.9mm(縦×横×厚さ)。薄さは従来のS630F/S730Fと同程度、幅が若干スリムになった。また、角が丸かった従来モデルと比べ、天面と底面に傾斜をつけたソリッドな筐体に変化している。

S740の側面。天面と底面に傾斜をつけたソリッドな筐体に変化したブラックモデルS740のカラーバリエーション

S640のカラーバリエーション

 Sシリーズにすべてに搭載する新機能として、中高生の若年層からニーズが高いというカラオケ機能を実現。上位モデル「A840」と同じ同期歌詞表示機能を備え、ウォークマンのディスプレイで、楽曲の再生に合わせて歌詞を自動スクロール表示できる。

 PC用の新管理ソフト「x-アプリ」とウォークマンを連携させて実現する機能で、「x-アプリ」から、JASRACと契約して歌詞データを販売しているシンクパワーが提供する歌詞データ販売サービス「歌詞ピタ」を利用。歌詞データを購入/ダウンロードし、「x-アプリ」上で楽曲データと結合。その楽曲をウォークマンに転送するという仕組み。

 歌詞データは有料で、シンクパワーのPC/携帯サイトで会員登録して利用。決済はPCの場合クレジットカード、携帯サイトでは携帯電話の使用料と一緒に支払える。支払い方法は月額とアラカルトの2種類があり、月額では150円で月10曲分(曲単価15円)、300円で月25曲(同12円)、1,000円で月110曲(同9.1円)などを用意。アラカルトプランは月の縛りが無い、半年間有効なダウンロード権で、10曲分購入で200円(曲単価20円)、22曲で400円(同18.2円)、70曲で1,000円(同14.3円)などとなる。


テレビ画面で楽曲の歌詞表示が可能

 なお、ウォークマン購入者には、歌詞データを20曲ダウンロードできる権利がプレゼントされる。同梱のバウチャー番号を「歌詞ピタ」の会員登録時に入力すると、ダウンロード権利が付与される。

 ウォークマン側では歌詞を1行あたり全角13文字の、3行表示が可能。表示のON/OFFが切り替えられるほか、サラウンド機能の「バーチャルホンテクノロジー(VPT)」から、ヴォーカルキャンセル機能の「カラオケ」を選ぶことで、歌詞表示と合わせ、カラオケの練習に活用できる。別売のAVケーブル「WMC-NWV10」(10月10日発売/実売3,000円前後)を使い、テレビに歌詞を表示することも可能。後述するウォークマン内の動画もテレビに表示できる。AVケーブルには転送/充電用のUSBケーブルも付属している。

 カラオケ以外にも、語学学習に便利な再生速度変更機能「DPC(デジタルピッチコントロール)」を備え、0.5倍の遅聞きから、2倍の早聞きまで、9段階の調整が可能。A-B間リピート再生や、再生中にボタンを押した回数に応じて再生位置を戻す「クイックリプレイ」機能も備えている。なお、DPCは歌詞表示中も使用できるが、A-B間リピート+クイックリプレイは排他利用。

 新アプリの「x-アプリ」は、従来の音楽管理・転送ソフト「SonicStage V」と、動画・静止画転送ソフト「Media Manager for WALKMAN」を統合したアプリで、10月からダウンロード提供される。なお、新S/Aシリーズの同梱ソフトは「SonicStage V」(5.2)で、「x-アプリ」はダウンロードして利用する形になる。PCがネットに繋がっている場合は「SonicStage V」をインストールしようとすると「x-アプリ」のダウンロードを勧められる。「x-アプリ」インストール時に、「SonicStage V」はアンインストールされる。「x-アプリ」は従来モデルの一部もサポート。また、新ウォークマンには「Media Manager for WALKMAN」は付属しない。

 再生に対応する音楽ファイルはMP3/HE-AAC/AAC(DRM無し)/WMA(DRM無し)/リニアPCM/ATRAC/ATRAC Advanced Lossless。動画はMPEG-4 AVC/H.264とMPEG-4、WMV(DRM無し)に対応しており、従来はQVGAまでのサポートだったが、新たに720×480ドット、30fpsまでのファイルが再生できるようになった。



■ iTunesからのドラッグ&ドロップ転送に対応

 エクスプローラーなどを使い、楽曲のドラッグ&ドロップ転送に対応。映像や写真の転送もサポートする。さらに、iTunesの楽曲管理画面からのドラッグ&ドロップにも対応。iTunesのライブラリ画面に表示されている楽曲を選択し、ウォークマンの「MUSIC」フォルダにドラッグ&ドロップするだけで転送できる。ただし、iTunes Storeで購入した楽曲など、DRM付楽曲の転送はできない。またiTunesプレイリストの転送にも対応せず、アルバムジャケット転送など全ての機能をサポートしているわけではない。

 音質面では「クリアオーディオテクノロジー」を搭載。高音域補間技術「DSEE(Digital Sound Enhancement Engine)」や、チャンネルセパレーションを向上する「クリアステレオ」、低音の歪みを抑える「クリアベース」を採用。付属のイヤフォンはEX300やノイズキャンセリングイヤフォンのNC33をベースとしており、ユニットは13.5mm径のバーティカル・イン・ザ・イヤータイプとなる。

 S740とS740Kは、ノイズキャンセル機能も装備。機能的にはS730Fシリーズと同等だが、周囲の騒音を約1/4に低減するという表記から、NC機能の測定方法を変更したため、「周囲の騒音を約90%カット」という表記に変更になった。

 スタミナもアップ。音楽再生(MP3/128kbps)は従来のS640F/S730Fの40時間から、42時間に向上。ビデオ再生(AVC Baseline Profile/384kbps)は10時間で変更は無い。また、バッテリーのへたりを防ぐため、フル充電の少し手前の約90%で充電を停止し、電池寿命をのばす「いたわり充電」機能も装備。ただし、いたわり充電時もバッテリアイコンはフルメモリまで表示される。メモリの最大値4から、3に変わるまでの時間が通常充電よりも短くなる。

 ほかにも、BDレコーダやPlayStation 3との連携も強化。BDレコーダからの「おでかけ転送」時にジャンル情報が引き継がれるようになり、レジューム再生にも対応。さらに、PS3から音楽、静止画、動画をウォークマンに転送したり、ウォークマン内のコンテンツをPS3から再生する機能も備えている。


■ スピーカーも改良

 Kシリーズに付属するスピーカーも改良。ユニットの構成などに変化は無いが、組み合わせるウォークマン側に「リニアフェーズコレクション」や「バーチャルバス」技術を投入。付属スピーカーと組み合わせた際に最適な音に、音像定位や低域強調などを行なう機能で、低域の深みを増し、シャカシャカした高域や箱鳴りを抑えたスピーカー出力ができるという。

 スピーカーはウォークマン側の電池でドライブする100mW×2chの最大出力モードと、付属ACアダプタを接続した1W×2ch出力の2モードが選択可能。細かい変更点だが、新スピーカーではACの接続端子が従来の真裏から、側面に移動。ACアダプタを接続した状態で、机の上などに倒すことができるようになり、前述の語学学習機能などと相性の良い設置が可能だという。

 また、本体搭載部の形状も工夫し、アクセサリのシリコンケースやストラップを付けたままスピーカーに搭載できるようになっている。

NW-S740のゴールドのスピーカー付モデル背面。収納式のスタンドを備えている
AC接続部が側面に変更されたNW-S640Kのブルーモデル

 なお、新ウォークマンでは、クレードルなどに搭載するためのアタッチメントを、従来の丸型から、細長いオーバル型に変更。今後のアクセサリはオーバル型対応となり、ウォークマンにも2010年3月までは丸型とオーバル型が両方付属。それ以降はオーバル型のみが付属するようになる。

S740用のソフトキャリングケース「CKS-NWS740」は10月28日発売。実売3,000円前後


(2009年 9月 16日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]