【CES】三洋、フルHD対応で薄くなった新Xactiを発表

-縦型が299ドル。タッチ操作のボイスレコーダも


VPC-CS1

会期:1月7日~1月10日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
   Las Vegas Hilton
   The Venetian


 米Sanyoは、International CES開幕前の6日に行なったプレスカンファレンスにおいて、動画と静止画の“デュアルカメラ”「Xacti」シリーズの新製品2モデルを発表。いずれもフルHD動画記録対応で、縦型のスリム/軽量モデル「VPC-CS1」と、横型で30倍アドバンストズーム搭載の「VPC-SH1」を米国で2月に発売する。

縦型の「VPC-CS1」

 価格は、縦型が299.99ドル、横型が399.99ドルの見込み。カラーは縦型がシルバー、横型がブラックとレッドを用意する。なお、日本国内での発売時期は明らかにされていないが、米国以外にも「日本や欧州を含め世界で販売する」としている。

 両モデルとも、最大でフルHDの1,920×1,080ドット/60i撮影に対応。CMOSセンサーのサイズは異なり、スリムな縦型モデルは有効画素が約300万画素、横型モデルは約400万画素となっている。また、レンズのサイズも異なり、横型モデルのほうがレンズ径が大きい。こうしたことから、縦型は女性もターゲットとしたモデル、横型はより高画質なモデルと位置付けられている。

 縦型は、新開発のスリムレンズと薄型センサーモジュールで、世界最小/最軽量というサイズを実現。最薄部は約26.9mmで、重量は142gとなる。また、横型モデルも従来製品からコンパクト化され、最薄部が約4.29mm、重量が約204gとした。

CMOSセンサーとレンズを小型化操作系は、撮影ボタンなど主要なものは本体手前に、メニューボタンや十字キーなどは液晶側に配置している米国では発売されない予定のレッドモデルも会場に展示された

横型の「VPC-SH1」

 動画の記録フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264。静止画はJPEGで記録する。記録メディアはSD/SDHCに加え、新規格のSDXCカードにも対応。また、無線LAN搭載SDカードの「Eye-Fi」との連動機能も搭載している。

 いずれも、画素を有効利用して画像の劣化が無くズームできる「Advanced Zoom」を搭載。同機能利用時は縦型が10倍、横型が30倍まで対応する。手ブレ補正は電子式。顔検出/追尾機能も利用できる。


横型モデルのカラーはブラックとレッドを用意する従来の横型モデルに比べ小型化しながら、30倍ズームを搭載しているHDMI端子やUSB/AV端子を備える

 音声記録では、新機能として「Sound Zoom」を搭載。左右のチャンネルセパレーションの高い「Wide Mode」と、正面の音を強調する「Gun Microphone Mode」、映像のズーム情報に合わせて指向性や収音方法を自動で変更する「Zoom Combination Mode」の3種類から選べる。

 そのほか、アップルの新ビデオフォーマット「iFrame」に対応した動画記録モードを用意。このモードを利用することで、Macの動画ソフト「iMovie」での編集が快適に行なえるという。また、Windows 7の「デバイスステージ」にも対応している。いずれも本体にHDMI(ミニ)端子やUSB/AV兼用端子を装備。底面には三脚穴も備える。

Advanced Zoom機能を搭載Sound Zoomは3種類用意されているiFrame向けの撮影モードも採用した


■ タッチ操作のリニアPCMレコーダも

「ICR-XPS01M」クレードル付きの「ICR-XPS01MF」

 同じくXactiブランドの製品として、リニアPCMレコーダ2モデルも発表。米国で3月に発売する。いずれも2GBのmicroSDカードに記録するタイプで、2GBのカードが付属。価格は、スピーカー搭載クレードルが付属する「ICR-XPS01MF」が199.99ドル、クレードル無しの「ICR-XPS01M」が149.99ドルの見込み。

 音声記録は16bit/44.1kHzのリニアPCMまたは最大320kbpsのMP3に対応。本体のステレオマイクを利用して録音できるほか、外部マイク端子も備える。MP3/WMAの音楽再生も可能。

 特徴は、前面にタッチパネルを備え、薄型でフラットな筐体を実現したこと。音楽プレーヤー、語学学習、楽器演奏などの幅広い用途に対応しながら、これまでのPCMレコーダよりも気軽に持ち運べて使いやすい薄型デザインとしたことで「録音スタイルを変える」としている。

 「ICR-XPS01MF」に付属するクレードルは、スピーカー、チャージャー、音声入力アダプタとして利用可能。ACアダプタを接続しない状態で、パッシブスピーカーとして使うこともできる。

主な仕様薄型ながらリニアPCM録音対応で、高音質をアピール様々な用途に使用でき、「One for all」を実現するという


■ ポケットビデオカメラ市場の成長に強い期待


SANYO North Americaの村田正美社長

 登壇したSANYO North Americaの村田正美社長は冒頭で、パナソニックとの事業統合について説明。「企業価値を高め、販売チャネルの拡大やリソースの共有などでシナジーを生む」とした。一方で、「SANYO」のブランドは今後も使い続けることを改めて強調した。

 ビデオカメラの市場について同社は、従来のビデオカメラと、小型の「ポケットカムコーダー」に分けて説明し、よりカジュアルなポケット型が急速に伸びていると指摘。ビデオカメラ全体の市場は2009年に落ち込んだが、ポケットタイプが今後も伸びると予測している。

 Xactiのワールドワイドの売り上げは、2009年に前年の2倍となる約100万台を達成。今後のフラッシュメモリ型の成長などに伴い、2011年には約300万台を目指すという。

一般的なビデオカメラとポケットビデオカメラの売り上げ推移Xactiのこれまでの進化Xactiの販売予測


(2010年 1月 8日)

[AV Watch編集部 中林暁]