SANYOブランドがPanasonicへ集約
-パナソニックが三洋とパナ電工を完全子会社化
ホテルニューオタニ大阪で行なわれた会見には、三洋電機株式会社 佐野精一郎社長、パナソニック株式会社 大坪文雄社長、パナソニック電工株式会社 長榮周作社長(写真左から)が出席した |
パナソニックは、TOB(株式公開買い付け)を8月23日から10月6日かけて実施。現在、パナソニック電工の株式を51%、三洋電機の株式を50.05%保有しているが、両子会社の発行済普通株式全ての買い付けを目指す。
さらに、2011年4月を目処に、両子会社との間で株式交換も実施し、完全子会社化を進める。これにより、両子会社の株主には、株の売却だけでなく、株式交換でパナソニックの株主になるという選択も用意する。
全てを買い付けた場合の総額は8,184億円となる予定。資金はパナソニックの手元資金を充てるが、財務基盤の強化するため、買い付け実施後に外部資金の調達を検討。その一環として、29日に発行予定額5,000億円を上限とした株式の発行登録を行なっており、買い付け金額を踏まえつつ、調達を検討するという。
パナソニックは2004年にパナソニック電工を、2009年に三洋電機を連結子会社化。既にグループ企業として経営戦略を共有しているが、環境・エナジー関連市場の急拡大、新興国市場の急成長、日米欧に加えて韓国や台湾、中国企業との競争激化などの事業環境の急速な変化を受け、さらなる意思決定の迅速化とグループ・シナジーの最大化が必要と判断。「3社が真に一体となった新たなパナソニックグループを構築し、お客様接点の強化による価値創出の最大化、スピーディで筋肉質な経営の実現、大胆なリソースシフトによる成長事業の加速を図る」としている。
コンシューマ事業分野では、グループのマーケティング機能をグローバルに再編。「お客様起点の商品づくりを加速する」という。また、国内外のマーケティングリソースの戦略的配分により、特に海外コンシューマ事業を強化する。
デバイス事業分野では、ビジネスモデルが共通するデバイスごとに開発・製造・販売の連携を強化。三洋電機の二次電池事業、ソーラー事業などの強みや、顧客とのネットワークを引き続き活用。ソリューション事業分野では、ビジネス顧客に対するソリューションごとに開発・製造・販売を一元化。各ソリューションを包含した「家・ビル・街まるごとソリューション」の加速を図り、パナソニック電工の強みも活かす。
ほかにも、次世代柱事業と位置づけている「ヘルスケア」、「セキュリティ」、「LED」の各事業でも3社の研究開発力や市場開拓力を結集。事業成長を加速させる。これらの施策を通じて、中期計画(GT12)の経営目標である、「2013年3月期での売上高10兆円、営業利益率5%以上、ROE 10%、フリーキャッシュフロー3年累計8,000億円以上、CO2削減貢献量5,000万トン」の実現と、さらなる上積みを目指すとしている。
(2010年 7月 29日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]