ソニー、ウォークマン最上位モデル「NW-A850」

-最大64GB。カラオケ強化。おまかせ再生復活


「NW-A850」のホワイト(W)モデル

 ソニーは、ウォークマンの最上位モデル「Aシリーズ」の新モデルとして、「NW-A850」を11月13日に発売する。内蔵メモリは16GBの「NW-A855」、32GB「NW-A856」、64GB「NW-A857」を用意。価格はオープンプライス。店頭予想価格は16GBが24,000円前後、32GBが30,000円前後、64GBが40,000円前後。

 64GBの大容量メモリモデルもラインナップする上位モデル。デジタルノイズキャンセリング機能を標準で備えているのが特徴。カラーはロゼピンク(P)、ホワイト(W)、ブラック(B)を用意。なお、ロゼピンクモデルは16/32GBモデルのみに用意される。

 従来の「A840」シリーズと音質面や基本的な機能は共通。カラオケ機能を強化し、キーコントロールができるようになったほか、新機能の「ちょい聴きmora」も追加。さらに、「おまかせチャンネル」機能が復活した点が従来モデルからの進化点となる。FMラジオも内蔵している。

 筐体もA840と同じで、ディスプレイは2.8型(240×400ドット)の有機EL。強化ガラスを採用し、7.2mmの薄型筐体を実現している。最大外形寸法は104.9×47.4×7.7mm(縦×横×厚さ)。重量は約62g。

ブラック(B)ロゼピンク(P)ホワイト(W)

 デジタルノイズキャンセリング機能を備え、外部の騒音を98%カット。ノイズキャンセルモードは「バス・電車」、「飛行機」、「オフィス」の3種類から選べ、ウォークマンのNC機能のみを利用する「外部入力/サイレント」機能も用意している。付属イヤフォンは、単品NCイヤフォン「MDR-NC33」をベースにしたバーティカル・イン・ザ・イヤータイプで、ユニットは13.5mm。

 音質面では6つの「クリアオーディオテクノロジー」を搭載。前述の13.5mm径イヤフォンとデジタルノイズキャンセリング機能に加え、フルデジタルアンプ「S-Master」、高音域補間技術「DSEE(Digital Sound Enhancement Engine)」、チャンネルセパレーションを向上する「クリアステレオ」、低音の歪みを抑える「クリアベース」を内蔵する。

ディスプレイは2.8型(240×400ドット)の有機EL。7.2mmという薄型筐体を実現している付属のイヤフォンを使い、デジタルノイズキャンセルが使用可能

 従来からカラオケ機能を備え、歌詞表示の「歌詞ピタ」に対応。ヴォーカルキャンセル機能の「カラオケ」を選ぶことで、歌詞を表示させながらカラオケの練習ができる。新モデルではこのキャンセル能力が強/弱選択できるようになり、強を選ぶとより強力にキャンセルされるようになった。さらに、キーコントロール調整機能も追加。男女の曲問わず歌えるようになった。語学学習機能も備えている。

 さらに、前モデルでは省かれていた「おまかせチャンネル」機能が復活。音楽ライブラリの楽曲を、気分、時間帯、シーンなどに合わせて「アクティブ」、「リラックス」、「メロウ」といった12のチャンネルに分類し、再生できるもの。転送・管理アプリの「x-アプリ」や「Content Transfer」、対応コンポのNETJUKE、PlayStation 3などで蓄積・転送した楽曲の場合、12音解析をして分類し、楽曲のサビ部分をシャッフル再生する事も可能。これらのソフトやハードを使わず、PCから楽曲をドラッグ&ドロップ転送した場合は、ウォークマン本体側での簡易解析が必要になる。

 さらに、新機能としてmoraとの連携で使える「ちょい聴きmora」という機能を追加。これは、moraにある試聴曲を10曲をまとめて1パックにしたものを、x-アプリと同期時に、ウォークマンに転送。ウォークマンで楽しめるというもので、パックには週間邦楽トップ10や、「クラシック」や「ジャズ」といったジャンル別アラカルトパック、サマーフェス特集やクリスマスソング特集といった特集パックも用意される予定。

 1つのウォークマンに4パック、40曲まで転送できる。楽曲はフルレングスではなく、各曲最長45秒まで(各レーベルが試聴曲として提供している長さによる)。再生には回数制限があり、1つのパックを3回まで再生できる。なお、1パックがメドレーのように繋がっているわけではなく、ユーザーが10個の試聴曲を1つ1つ選択・再生していく再生方法となる。また、moraの試聴曲が更新された後に、x-アプリとウォークマンを接続すると、ウォークマン上の試聴曲は自動的に更新される。曲ごとの更新はできず、パックごとの更新となる。

 試聴して気に入った楽曲は、ウォークマン上で購入予約する事ができる。予約情報はx-アプリと接続された際にPC側に転送され、x-アプリのmora楽曲購入機能において、予約した楽曲が買い物かごに自動的に投入される。

底面のイヤフォン端子とWMポート操作部。筐体のデザインは従来モデルと同じ

 対応する音楽フォーマットはMP3/WMA(DRM非対応)/ATRAC/ATRAC Advanced Lossless/リニアPCM/AAC(DRM非対応)/HE-AAC。動画はMPEG-4 AVC/H.264、MPEG-4、WMV(DRM非対応)で、解像度はいずれも720×480ドットまで再生可能。ソニー製BDレコーダから、デジタル放送の録画番組を転送する「おでかけ転送」にも対応する。

 再生可能時間はMP3 128kbpsの場合、約29時間。MPEG-4 384kbpsの動画は約11時間再生可能。充電はPCのUSB端子から行なう場合、約3時間必要。約1.5時間で約80%まで充電できる。

 楽曲管理・転送ソフトの「x-アプリ」はver2.0に強化され、ライフログサービス「Life-X」との連携に対応。x-アプリの写真を「Life-X」にアップロードしたり、液晶テレビのBRAVIAにポストカードとして送信する事も可能になった。ほかにも、ユーザーインターフェイスの改良も行なわれている。


(2010年 9月 15日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]