【CEATEC 2010】iPhoneをリモコン化するアプリなどDLNA関連展示
デジオンはiPhone用DMCアプリ無償提供。Android対応も
DLNAブース |
DLNA技術を推進する「Digital Living Network Alliance」は、CEATEC JAPAN 2010において、関連製品を持つ各社が共同でブース展開している。iPhoneをDLNA機器用リモコンとして利用可能にするアプリや、DLNAサーバーなどの技術を紹介している。
■ デジオンはiPhone用DLNAコントローラを無償提供
DiXiM DMC for iPhone |
デジオンは、iPhoneやiPod touchなどのiOS採用端末を、DLNA対応製品のリモコンとして利用できる「DiXiM DMC for iPhone」など、多数の製品を出展している。
DiXiM DMC for iPhoneは、iPhone/iPod touch用のDMC(Digital Media Controller)として動作するアプリ。DLNAサーバー(DMS)上の動画や音楽コンテンツを選択し、出力先の機器(DMR=Digital Media Renderer)を選択するリモコンとして動作する。また出力先のプレーヤーとしても動作する。App Storeで無償公開予定で、既に申請も終えているという。
会場ではサーバー上のコンテンツを、DMRを搭載したPCに出力するデモも実施。デジオンでは、パソコンやAVアンプ、ソニーのBRAVIAなどのテレビでもDMR機能を備えた製品が増えてきたことから、アプリの無償公開を決定したという。今後は、対応のサーバーソフトウェアやDMRソフトウェアなどの採用をメーカーなどに呼びかけていく計画。
DiXiM DMC for iPhoneでサーバー上のコンテンツを選択し、PCに映像出力 | 本体で再生するプレーヤー機能も装備する | DiXiM Media Serverも参考展示。DTCP-IP対応のデジタルメディアサーバー(DMS)で、スカパー! HD録画にも対応する |
DiXiM Player/Server for Android。「端末で再生」と「テレビやPCで再生」を選択可能 |
Android端末向けには、「DiXiM Player/Server for Android」を参考出展している。こちらは、サーバー上のコンテンツをXperiaなどのAndroid端末で再生できるプレーヤー機能を搭載するほか、端末内の映像をテレビなどのDMRに出力することもできる。
また、サーバー(DMS)としても動作。他のDLNAクライアントへの映像や音楽配信も可能となる。なお、iOS版とは異なり、DMCとしては動作しない。Android版の展開については現時点では未定としている。
DiXiM Network Tuner。試作機のため筐体は一般的なSTB程度になっているが、製品化する際には半分以下にできるという |
参考出展製品としては「DiXiM Network Tuner」のデモも行なっている。地上デジタルチューナを内蔵し、LAN内のDLNA対応機器にほぼリアルタイムで地デジ映像をネットワーク配信できるというもの。
DLNA配信のためにストリーム形式を変更するなどの処理が必要だが、再エンコードは行なわず、タイムラグは数秒程度に抑えており、家庭内の別の場所でネットワークを介してDiXiM Network Tunerの映像を視聴できる。
早送り/戻しといったトリックプレイ対応には、送信/受信側の機器の対応も必要となるなど実用化へ向けた課題もいくつかあるが、今後メーカーの反応などを見ながら実用化を検討する方針という。
DiXiM Digital TV Plus 3D |
また、PC用のプレーヤーソフト「DiXiM Digital TV Plus 3D」も参考出品。偏光板方式のパソコンと組み合わせた3D再生のデモを行なっている。
同社ではスカパー! HDのPC用視聴ソフトとしても使える「DiXiM Digital TV Plus」を提供中。スカパー! HDでは3D放送のラインナップも拡充しているため、今後ニーズが高まると考え、3D対応に向けて開発を進めているという。今後、アクティブシャッター方式への対応を進め、製品化を目指す。
■ DMC対応の「Media Link Player for iPhone」。ACCESSはNetFrontソリューション
Media Link Player for iPhone。プレーヤーとしても動作する |
iPhone向けのMedia Link Player LiteをAppStoreで提供しているアルファシステムズは、DMC機能に対応するフル機能版の「Media Link Player for iPhone」を出展している。DLNAに対応し、Lite版と同様にサーバー上のコンテンツをプレーヤーとして再生できるほか、コントローラ機能(DMC)が追加される。
DMC対応により、家庭内のDMS内のコンテンツを選択し、DMR対応の出力機器に音楽やビデオを出力するリモコンとして利用できる。また、ユーザーインターフェイスの改善を図っているほか、サーバー横断/絞り込み検索などの機能も追加する予定。11月ごろの提供開始を予定しており、価格は600円前後となる見込み。
コンテンツサーバーを選択 | DMCとして操作し、出力先のDMRを選択 | 検索先サーバーや検索方法など、検索やUIの改良を図っている |
NetFront Living Connnect |
ACCESSもNetFront Living Connnectと呼ばれるDLNAソリューションを紹介している。サーバー(DMS)やプレーヤー、DMC、DMRなどのDLNAの各クラスに対応したソフトウェアソリューションで、対応プリンタへの印刷指示などの機能も搭載している。
DMSと各デバイスとのコンテンツ同期が特徴で、Android用のDMCアプリなども用意。テレビ向けには同社のWebブラウザ「NetFront」の採用例が多く、DLNA関連ソリューションもそれらとあわせてメーカーに提案し、採用増を目指しているという。
テレビからDLNA対応プリンタに印刷指示 | Android用のDMCアプリも開発 |
■ パケットビデオ、ブラウザ画面もDMRに出力できる「Twonky Remote」
Twonky Remote |
パケットビデオは、Android向けのDLNAアプリ「Twonky Remote」のデモを行なっている。サーバー/プレーヤー/DMCとして動作し、Xperiaで撮影した写真やビデオを、SamsungのDMR対応テレビに出力するデモなどを行なっている。
また、特徴的な機能としてTwonky Beamを装備。元々はPC用のソフトウェアとして開発され、ブラウザのプラグインとして導入することで、表示中のブラウザ画面をDMR対応機器に出力できるというもの。このBeam機能をAndroidに対応させ、スマートフォンで表示中のブラウザ画面やYouTube映像などをテレビに無線LAN経由で出力できる。
パケットビデオは、2010年夏にNTTドコモが子会社化しているが、「海外ではAT&Tなどとも協力しており、ドコモだけに限って展開するわけではない」とのこと。対応製品の発売は「もう間もなく」とのことで今年の秋冬新端末での搭載も期待できそうだ。
Xperiaで撮影した写真をDMR対応のテレビにすぐに出力できる | Beam機能でXperiaのブラウザ画面などを出力できる |
(2010年 10月 6日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]