2010年のシングル売上が、5年ぶりに前年を上回る
-オリコン調査。音楽ソフト全体は4年連続の縮小
オリコンは14日、音楽CD/DVDの売上データをまとめた「2010年年間マーケットレポート(音楽ソフト編)」(対象期間:2009年12月28日~2010年12月26日)を発表。CDシングル売上は、5年ぶりに前年を上回る107.8%を記録。音楽DVDは初めて600億円を超えた。
音楽ソフト市場(CDシングル/アルバム/音楽DVD)の過去3年間の推移 |
音楽ソフト市場全体(CDシングル/アルバム/音楽DVDの合計。Blu-rayは除く)の売上額は3,322億4,000万円で、前年比94.6%。前年度実績(同90.7%)に比べ減少幅を抑えたが、4年連続で縮小が続いている。
シングルは総売上530億9,000万円、前年同期比107.8%となり、'05年以来5年ぶりに前年を上回った。シングルの復調には、2010年のシングルTOP10を独占した嵐とAKB48が牽引したほか、TOP100までの総売上枚数も'09年の1,582万4,000枚から、1,975万7,000枚(前年同期比124.9%)に増加している。一方でアルバムは前年同期比88.2%と大きく前年を下回った。
音楽DVDは好調を維持。年間市場規模は641億6,000万円に達し、前年同期比110.5%と3年連続で増加。調査開始以来最高の年間実績となり、初めて600億円を超えた。
売上枚数(千枚) | 構成比 | 前年同期比 | 売上金額(百万円) | 構成比 | 前年同期比 | |
シングル | 40,089.9 | 32.2% | 107.1% | 53,088.7 | 16.0% | 107.8% |
アルバム | 73,392.8 | 58.9% | 90.0% | 214,993.7 | 64.7% | 88.2% |
音楽DVD | 11,089.7 | 8.9% | 104.3% | 64,155.8 | 19.3% | 110.5% |
合計 | 124,572.3 | 100.0% | 96.1% | 332,238.2 | 100.0% | 94.6% |
■ 販売チャネルはCDショップなどが半数以上。通販は27%
ジャンル別の売上額では、J-POPが70.8%で、'09年から2.9ポイント上昇。2年ぶりに7割を超えた。一方で「洋楽」、「ジャズ・クラシック他」がそれぞれポイントを落とした。「アニメ・サントラ他」は同97.0%と微減。また、'09年にザ・ビートルズやマイケル・ジャクソンが大きなセールスを記録していた「洋楽」は、その反動も影響し、前年同期比77.8%と大きく減少した。
アーティスト別売上額(CDシングル/アルバム/音楽DVD/音楽Blu-rayの合計)では、嵐が171.6億円と圧倒的なセールスを記録し、2年連続でトップ。内訳では、シングル/音楽DVDのトップが嵐で、アルバムはいきものがかりが首位となった。
販売チャネル別の金額シェアは、CDショップなどの「メディアストア」が55.7%と半数以上を占めた。2位はインターネット通販などの「EC」で27.1%、3位は書店で8.7%、4位は家電量販店で5.3%。
(2011年 1月 14日)
[AV Watch編集部 中林暁]