パイオニア、AirPlay対応中級AVアンプ「VSA-LX55」
-15万円。ネットワーク再生やiOS制御にも対応
VSA-LX55 |
パイオニアは、AVアンプの中級モデル「VSA-LX55」を7月中旬に発売する。価格は15万円。
豊富なネットワーク機能を搭載したAVアンプ。AirPlayに対応し、iPod/iPhone/iPadやPC/Macに保存されたiTunesライブラリーの楽曲をネットワーク経由で再生可能。USB端子も備え、iPod/iPad/iPhoneとDockケーブルで接続し、デジタル再生が可能。iPadの充電にも対応する。
DLNA 1.5に準拠したネットワークプレーヤー機能を備え、PCやネットワークHDDから音楽再生が可能。対応フォーマットはMP3/WAV/FLAC/AAC/WMAで、24bit/192kHzのFLAC/WAVにも対応。インターネットラジオの「vTuner」にも対応する。Ethernet端子を備えるほか、オプションの無線LANコンバーター「AS-WL300」(オープン/実売10,800円前後)も用意する。
下位モデル「VSA-1021/VSA-921」で対応した、新しいiOS制御用アプリ「iControlAV2」と「iControlAV2 for iPad」にも対応。アプリは無償でApp Storeからダウンロードできる。従来のアプリと同様に音量調整や電源ON/OFF、重低音の調整などが可能なほか、新しい機能として、指で一筆書きのようになぞることで、グラフィカルに、自由なイコライジングカーブが描け、その筆跡に沿ったイコライジング設定になる「Finger EQ」を追加。ネットラジオの選局などもできるようになっている。
加速度センサーを使い、ゲームのようにiPhone本体を傾けてボールを転がすと、リスニングポイントが前後左右にリニアに変化する「BALANCE」機能や、自動音場補正機能「MCACC」で得られた残響特性グラフの確認機能なども備えている。iPad専用版「iControl AV2 for iPad」では、レイアウトをiPad向けに最適化。iPhone/iPod touch版では4つの画面に分かれていた機能を、iPadでは一度に表示・操作できる。
オプションのBluetoothアダプタ「AS-BT200」(オープン/実売9,800円前後)を使い、Bluetooth経由での楽曲再生にも対応。さらに、iPod touch/iPhone/iPad用に、音楽コミュニケーションを実現するというアプリ「Air Jam」を無償で提供する。
友達が集まった時やパーティーなどでの利用を想定したもので、Bluetoothで楽曲を転送・再生するアプリ。同じアプリを起動した端末が、AVアンプに同時接続できるのが特徴で、各端末のユーザーが、端末に保存している好きな曲を選択し、ひとつのプレイリストを作成。それをAVアンプで連続再生できる。登録した楽曲情報は履歴として残るため、気に入ったものがあれば、その履歴からiTunes Storeにアクセスして購入したり、YouTubeで関連動画を検索する事も可能。新しい音楽と出会う事ができるアプリとなっている。
■接続とセットアップをソフトで支援
PC用ソフト「AVナビゲーター」が収録されたCD-ROMが付属。画面に表示されるQ&Aに答えていくだけで、最適な接続方法をイラストを交えて案内するもので、接続から設定、マイクを使った自動音場補正(MCACC)までナビゲートしてくれる。わからないAV用語を解説する機能も備えている。対応OSはWindows XP/Vista/7で、対応WebブラウザはInternet Explorer 6/7/8。
また、LAN接続したPC上で取り扱い説明書を表示し、機能を選択すると、同じLANに接続したAVアンプの該当機能が連動して立ち上がる機能も備えている。ほかにも、後述する「Advanced MCACC」や「フルバンド・フェイズコントロール」測定データを、PC上で3Dグラフ表示する機能も用意する。
■フルバンド・フェイズコントロール機能搭載
上位モデルの「SC-LX90」、「SC-LX83」で採用されている「フルバンド・フェイズコントロール」機能を装備。アンプから再生された音声を、スピーカーで帯域分割する際に発生する時間的なズレ(群遅延)や、チャンネル間で異なる位相特性を、AV アンプ側で測定・補正し、正確なマルチチャンネル再生を行なう技術。
さらに、新開発の「フェイズコントロールプラス」機能も用意。コンテンツに収録されている低域効果音(LFE)のズレをAVアンプ側で補正する事も可能になった。
独自の3次元自動音場補正システム「Advanced MCACC」は、付属のマイクを使って計測。音の補正だけでなく、計測した視聴距離をもとに、画質の色調やコントラスト、ディテール感などを、接続するディスプレイの特性に合わせて自動的に調整する「アドバンスドビデオアジャスト」も利用可能。1080/24p出力を行なう「P.C.24p (Precise Conversion for 24p)」機能や、アナログのSD映像など、様々な入力を最高1080pまでアップスケーリング、およびIP変換し、HDMI出力する機能も備えている。
対応するBDプレーヤーなどと接続した場合に使用できる、ジッタ低減技術PQLSにも対応。音楽CD、DVD/BDのマルチチャンネル音声をビットストリーム出力した場合のジッタも低減する「PQLS ビットストリーム」機能となっている。
また、インターネットラジオなど、128kbps以下の低いレートの圧縮音声を高音質化する「オートサウンドレトリバー」や、Bluetoothでワイヤレス伝送された音声を補正し、ノイズ除去を行なう「S.R AIR(サウンドレトリバーエアー)」も備えている。
3Dコンテンツの奥行き感を再現するという、独自の新音場機能「バーチャルデプス」を搭載(サンプリング周波数48kHz以下のコンテンツに対応)。これに、仮想ハイトスピーカーを生み出し、縦方向の立体感を実現するという「バーチャルハイト」機能、仮想サラウンドバックスピーカーにより前後の移動感や奥行き感を向上する「バーチャルサラウンドバック」機能を組合せ、5.2chスピーカーで、最大11.2chの仮想音場が実現できるという。
また、コンテンツの音声をリアルタイムに解析し、シアターの3大要素である「ダイアログ(台詞・ボーカル)・重低音・サラウンド感」のバランスを、どのような音量でも自動調整するという「オプティマム サラウンド」モードも用意。映画館での大音量再生を前提としたバランスのコンテンツを、ホームシアターで理想的なバランスで再生できるとしている。
THX Select2 Plusに準拠。ドルビーTrueHDやDTS-HD MasterAudioに対応したデコーダを搭載するほか、全チャンネルに24bit/192kHz対応DACを搭載。HDMI接続を含むすべての入力信号に対し、ジッター特性や位相ノイズを抑える「ジッターリダクションプラス回路」も備えている。
筐体には、アース電位を安定させる「クリーングランド構造」を強化した「アドバンスド クリーングランド構造」を採用。すべての回路のグランド(基準)となるリアパネルの鋼板の厚みを増し、電気抵抗を下げることで、入力音声/映像に忠実な信号出力が可能になったという。
さらに、新設計の低重心化・高剛性構造により制振性が向上。アナログ回路用電源とデジタル回路用電源を独立させて相互の影響を排除する「アドバンスド インディペンデント パワーサプライ」や、自社開発・生産のオリジナル「位相補償コイル」の採用など、パーツにもこだわっているという。
HDMI CECにも対応し、他社のテレビなどと連動動作が可能。無信号・無操作状態で設定時間(15分、30分、60分)が過ぎると自動で電源をOFFにする機能も装備。HDMIスタンバイスルーにも対応。待機時消費電力は0.1W(HDMIによるコントロールOFF時)。
型番 | VSA-LX55 |
定格出力 | 110W×7ch (8Ω時) |
最大出力 | 190W×7ch (6Ω時) |
HDMI出力 | 2系統 |
HDMI入力 | 7系統(うち前面1系統) |
音声入力 | 同軸デジタル×2 光デジタル×3 アナログ音声×5 |
映像入力 | コンポーネント×2 コンポジット×4 |
音声出力 | 7.2chプリアウト (9.2chの端子だが、サラウンドバック、 フロントハイト/フロントワイド選択式) 光デジタル×1 アナログ音声×1 マルチゾーン用×2 |
映像出力 | コンポーネント×1 コンポジット×1 マルチZONE用×1 |
その他の端子 | iPod/iPhone/USB ×1 Bluetooth対応ポート×1 Ethernet×1 12Vトリガー×2 RS232C×1 |
消費電力 (待機時消費電力 HDMIコントロールOFF時) | 360W (0.1W) |
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 435×441×185mm |
重量 | 14kg |
(2011年 6月 7日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]