サイバーリンク、「ニコニコ動画」対応の動画編集ソフト
-ニコ動に最適なエンコード。3D動画も“完全対応”
Power Director 10 Ultra |
サイバーリンクは、ビデオ編集ソフトの最新バージョン「PowerDirector 10」を10月11日より順次発売する。
ダウンロード版は11日に、パッケージ版は28日に発売。ダウンロード版はBlu-ray書き込み対応の上位版であるUltraが11,800円、BD書き込み非対応のDeluxeが9,200円。パッケージ版はUltraのみで、15,540円。通常版のほかに、乗り換え/アップグレード用の「特別優待版」や、「ガイドブックセット」も用意され、ラインナップと価格は下表の通り。
販売形態 | 製品 | 価格 |
ダウンロード版 | Power Director 10 Ultra | 11,800円 |
Power Director 10 Deluxe | 9,200円 | |
Power Director 10 Ultra アップグレード版 | 9,800円 | |
Power Director 10 Deluxe アップグレード版 | 7,300円 | |
パッケージ版 | Power Director 10 Ultra | 15,540円 |
Power Director 10 Ultra ガイドブックセット | 17,640円 | |
Power Director 10 Ultra 特別優待版 | 10,290円 | |
Power Director 10 Ultra 特別優待版 ガイドブックセット | 12,390円 | |
Power Director 10 Ultra アカデミック版 | 7,980円 |
編集画面 |
日本語版の独自仕様として「ニコニコ動画」へのアップロード機能を搭載したほか、3D動画/静止画取り込み/3Dディスク書き出しなどに対応した「3D編集完全対応」を謳うことが大きな特徴。UltraとDeluxeの違いは、UltraのみBlu-ray書き出しと64bit版OSにネイティブ対応とする点。対応OSは、Windows XP/Vista/7。
動画サイト/SNSサービスへのアップロード機能は、これまでのYouTubeやFacebook、Dailymotion、vimeoなどに加え、新たにニコニコ動画にも対応し、最適なエンコードプロファイルで、PowerDirectorから直接アップロードできるとしている。また、20万種類以上の無料エフェクト素材が利用できるサイバーリンクユーザー専用サイト「DirectorZone」へのアップロード/共有も可能。
3D関連では、動画/静止画で新たにMVC(.MTS)や、Dual Stream AVI、サイドバイサイド、トップアンドボトム、MPO、JPSの各形式の取り込みに対応。3D表示形式は、「HDMI 1.4」、「HDTV」、「Polarizer」、「Anaglyph」の各方式でプレビューを見ながら編集できる。編集用テンプレートも3Dに対応した。
Ultra版のパッケージ |
TrueTheater 3D機能により、2D動画/静止画の3D変換機能も搭載。MVC、サイドバイサイド、アナグリフの各形式で出力できるほか、Blu-ray/DVD/AVCHD書き出しも可能。
編集モードは、起動時に全機能が利用できる「フル起動エディター」とウィザード形式の「イージーエディター」、写真を選んで簡単操作で作成できる「スライドショークリエーター」の3種類から選択可能。
■ 音声編集ツール搭載。処理速度はさらに向上
音声の編集ツール「ミュージックビートマーカー」も搭載。音楽トラックのリズムを解析して主要なビートポイントにマーカーを付与することで、トランジションやエフェクトを最適な箇所に配置できる。また、タイムライン内の全音声ファイルのレベルを均一化するワンクリックノーマライズ機能も利用できる。Ultra版でのBlu-ray作成時には、これまでのドルビーデジタル、リニアPCMに加え、新たにDTS 5.1ch音声出力にも対応した。
そのほかにも、マウスなどで線を描く動作をそのまま取りこめる「ペイントデザイナー」も利用可能。そのほか、雲の流れや景色の変化など時間を圧縮したムービーが作成できる「タイムラプスビデオ作成」にも対応した。
サードパーティ製のプラグインの追加にも対応。標準でNewBlue製の「NewBlueFX」エフェクトが10種類付属する。
処理性能の面では、最新のハードウェアアクセラレーションによる高速化に対応。Ultraでは、64bit版OSに最適化したビデオレンダリングエンジン「TrueVelocity 2」を採用。OpenCLによるエフェクト処理のアクセラレーションに対応している。
再エンコードが必要な箇所のみエンコードすることで、画質低下を抑え、処理時間を短縮する「SVRT V3」技術を採用。MPEG-4 AVC/H.264とMPEG-2のHD動画編集時に適用できる。さらに、新機能の「Intelligent SVRT」により、プロジェクト全体を分析し、最も効率的に出力できるビデオ形式を提案するという。そのほか、MPEG-4 AVC/H.264エンコーダもチューニングされ、同社測定では、フルHD動画エンコード時に、従来バージョンのPowerDirector 9に比べ38.7%高速化したという。
2D動画の入力対応フォーマットは、FLV、MKV、3GPP2、AVCHD(M2T)、AVI、DAT、DivX、DV-AVI、MPEG-1/2、MOD、MOV(MPEG-4 AVC/H.264)、MP4、TOD、VOB、VRO with Dolby Digital 5.1/2.0、WMV、WMV-HD。静止画がRAW、GIF、BMP、JPEG、TIF、PNG。
2D動画の出力フォーマットは、AVCHD、MPEG-2 HD、WMV-HD、MPEG-1/2/4、MPEG-4 AVC/H.264、WMV、AVI、DV-AVI、QuickTime。対応ディスクは、UltraのみBD-R/REとR/RE DL、BDXLに対応。なお、BDAV形式には対応しない。Ultra/DeluxeともにDVD±R/RWやDVD±R DL、DVD-RAM、AVCHDに対応する。
(2011年 10月 11日)
[AV Watch編集部 中林暁]