三菱化学、業務用BD-Rメディア発売。「自社生産続ける」
-パイオニア製ドライブ向け。推定寿命50年以上
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業務用アーカイブBD-R |
三菱化学メディアは、長期保存を想定した業務用のアーカイブBD-Rディスクを1月下旬から発売する。容量は50GBで、記録速度は6倍速。25枚スピンドル入りで、価格はオープンプライス。想定価格は「コンシューマ用BD-R DLの2~3倍程度」としている。
公文書や行政文書、図書館などのデジタルアーカイブや企業のデータ保管など、10年以上の長期保存を想定した追記型のBlu-rayディスク。
パイオニアが同日に発表した検査機能付きの業務用Blu-rayドライブ「BDR-PR1」(1月下旬発売)に記録特性を合わせこんだことが特徴。長期保存性に影響するという初期状態での記録信号特性を、ドライブとメディアで合わせたことにより、初期状態での記録品質を保証するとしている。このドライブに加え、エプソン販売から同日に発表されたディスクデュプリケータ「PP-7050BD」も組み合わせることで、業務での活用をサポートするという。
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パイオニアの業務用Blu-rayドライブ「BDR-PR1」 | エプソンのデュプリケータ「PP-7050BD」 |
記録膜には、独自開発の金属窒化物記録膜Metal Ablative Layer(MABL)を採用。溶融分解(ablation)方式で記録マークを形成し、長期保存に適しているという。また、有機/無機ハイブリッドコーティングのハードコートを施し、記録面を傷やホコリ、指紋の付着から保護する。レーベル面は、業務用途の高品質プリンタブル対応など、システム側の要望に応じた仕様に対応可能としている。
今回のディスクは、Arrhenius(アレニウス)法に基づく加速試験により、室温25度/相対湿度80%の環境で50年を超えてもデータが再生できる寿命推定結果が得られたという。また、水中や塩水(5%)中に浸漬した場合や、高温高湿(80度/80%RH)、低温(-40度)、腐食性環境ガスなどにさらされても直ちにデータが破壊されることはないという。
なお、一部報道では、同社グループである三菱ケミカルホールディングスが光ディスク生産から撤退するとされていたが、同社は「業務用アーカイブディスクについては、今後も自社で開発し、自社工場で製造していく」との方針を示しており、年内に100GB BD-R XLの発売を予定していることも明らかにした。また、「Verbatim」ブランドで展開しているコンシューマ用の記録メディアについては「これまで通り、自社生産と委託生産の両方を続ける。撤退する予定は無い」とコメントしている。
(2012年 1月 24日)
[AV Watch編集部 中林暁]