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1トンのコンクリ落下、花火を上空で録音、“日本一クレイジー”な屋外フォーリースタジオ・SKYSQUAREに潜入
2026年6月18日 08:00
山深い大自然の中、鉄骨が落下し、チェーンソーが唸り、花火が打ち上がる……思う存分音を出して、迫力のある効果音が録れる空間がこの日本にある!? 噂を聞きつけた筆者は、日本初の屋外型大規模フォーリー専用フィールド「SKYSQUARE(スカイスクエア)」に潜入。そこで見たのは、巨大な重機やコンクリートブロックや火炎放射器だった。
“フォーリー”とは、映画やアニメ、ゲームといった映像作品に付けられる効果音を、実際にモノを叩くなどし、それを録音する手法のことだ。
効果音には、人工的なSEに当たる“ハードFX”、映像に合わせて専用に作る“フォーリー”、そして“環境音”の3種類がある。環境音やフォーリーは、いわゆる“生録された音”だ。これらは、既存のライブラリーを使うこともあるが、時にオーダーメイドの一品ものとして制作される。
フォーリーといえば、人が歩く足音、コップをテーブルに置く音、衣擦れの音など、様々な種類があるが、今回取り上げるのは、もっとスケールの大きい、屋内ではレコーディングが困難な効果音だ。
SKYSQUAREは、山梨県甲州市塩山の山間に作られたフィールド型レコーディングスタジオ。屋内スタジオでは不可能だった、重量物の落下による衝撃音、木片や石材の衝突音、花火の音など、大規模・高エネルギーなフォーリー収録に対応する空間として開設された。その収録の現場に潜入すると共に、おそらく日本初で、そして“日本一クレイジー”なフォーリースタジオを生み出した人々の物語をお届けしたい。
丸太から1トンを超えるコンクリートブロック、車まで!? あらゆるモノを鳴らす
5月、都心では真夏日となったある日、筆者は山梨県甲州市にある、標高1,200mを超える山中にあるSKYSQUAREにたどり着いた。
林道や細い山道を……という行程をイメージしていたのだが、意外にも、幹線道路からすぐにアクセスできる立地。で、ありながら交通量は極めて少なく、辺りに人家は存在しない。季節を先取りしたような夏雲は標高のせいか、えらく近くに感じる。
出迎えてくれたのは、SKYSQUAREを運営するAZSTOKE代表取締役社長の中島健太郎氏と、課長の武田紗吏奈氏のお二人。さっそくスタジオを探検させてもらった。
最初に通されたのは、入口近くにあるプレハブ小屋。建築現場でよく見るものだが、SKYSQUAREではコントロールルームと機材置き場として利用されている。室内にはエアコンと電子レンジ、冷蔵庫なども設置され、ソファもあり、エンジニアの他にクライアントも待機できそうな空間になっている。ネット回線も、Starlinkで完備している。
モニタースピーカーや、小型ながらサブウーファーも設置されていた。リモートで収録作業の様子を確認するため、外カメラの映像が大型ディスプレイに映し出されている。
SKYSQUAREの中央にあるのが、幅12m、奥行8m、深さ3mの大穴、ピットだ。
内部へのアクセスはハシゴとスロープがあり、初めてでも難なく内部に踏み入ることができる。
ピットから上を見上げると、ヤンマー製のショベル「B7Σ」がそびえ立っている。フィールド整地のほか、人間では持ち運べない重量物の運搬に活用されている。
音を鳴らすためのマテリアルは実に豊富だ。
目に入るものほぼ全てがフォーリーのための素材たち。重さ1トンを超えるコンクリートブロック、側溝の蓋に使われる金属、木材、木の枝など。
ピットの外には、切り倒された木材や枝、いい音が鳴りそうな鉄くず、車を買ってきて現地で廃車にしたという“解体予定の廃車”まで並んでいる。廃車!? そう、この車を“壊す音”も録音する予定なのだそうだ。
豪快でスケールの大きさに圧倒されていると、なんと、道路を渡って反対側にもフィールドがあるという。そこに広がっていたのは小川と雑木林。ここなら誰にも邪魔されず沢の音も録り放題だ。
大穴のあるメインフィールドに戻ると、フィールドの背後には林が広がっている。この林のエリアも、SKYSQUAREの土地なのだという。
林には当然、倒れそうな木もある。伐採するのも、業者に頼むとコストがかかるため、中島社長自らが林業講習に赴き、チェーンソーの資格も取得してフィールドを整えたそうだ。「木を切り倒すリアルな音も録れますしね」と軽い調子で教えてくれる中島社長。
ピットとショベルの背後には防音壁が設置されていた。日中、たまに通過する車の音を軽減するために役立つとのこと。
巨大なブロックを落とし、花火を打ち上げ。どんな音が録れるのか
フィールドを探検するだけでワクワクが止まらないが、やはりどんな音が録れるのかが気になるところ。そこで、中島社長と武田氏に、代表的な素材を使った録音デモをしていただいた。その動画をご覧いただきたい。
見せていただいた収録は、主に以下のようなものだ。
- 丸太を斧で叩く
- 鉄骨を斧で叩く
- 小型のコンクリートブロックを投げて、ピット下のコンクリートブロックに当てる
- 1トンのコンクリートブロックを落下させてブロックに当てる
- 大量の土砂が入った袋を落下させる
- 木の枝を折る
- チェーンソーで丸太を切断
- グラインダーで鉄骨を擦る
- ハンディータイプのバーナー
- 大型バーナ
- 回転する花火や打ち上げ花火
ご覧のとおり、ビデオカメラの内蔵マイクの音と、実際にフォーリー用のシステムで録った音が交互にチェックできる動画になっている。内蔵マイクでは映像の迫力に負けてしまっている面は否めないが、SKYSQUAREサウンドはオンマイクならではの圧倒的な実在感と生っぽさが味わえて、現地で聴いたはずの筆者も驚きを禁じ得ない。
もっとも圧巻だったのは、ショベルを使った重量級の効果音だ。
玉掛けの資格を取得した武田氏が、ショベルの先端にコンクリートブロックや土砂の袋(フレコンバック)を取り付け。ショベルの各種資格を取得した中島氏が操作し、それらを持ち上げながら、ピット中央へと移動させる。
武田氏が紐を引っ張ると、固定具がはずれて落下し、ピットの中にぶつかり、音が出る。
2人はトランシーバーでやり取りしながら、慣れた手つきでセッティングから収録まで安全に進めていく。
1トンのコンクリートブロックを落とすと、「ゴシャッ!!」という大音量がフィールドに響き、ピットの外側で見ていた筆者の足元が揺れる。
土砂が詰まったフレコンバックをピットに落下させると「ズシャッ!!」と、コンクリートとはまったく違う音になる。
また、同じ素材でも、落ちどころ、当たり方の違いによって、音の色合いが変わる。見た目は激しくぶつかったのに、音は地味だったり、逆に地味な当たり方だったのに、怖さを感じるほどの爆音が体感できたり。重低音が山に反射して帰ってくることすらあった。
危険を伴う重量物の落下では、安全に配慮した工夫も凝らされている。オートシャックルという特定の部位を引っ張ると、固定が解除される器具を使い、ショベルから距離を取ってから紐を引っ張ることで落下させる仕組みが考案された。
エンジン音がマイクに入ってしまうため、落下させる時はショベルのエンジンを切ってから行なう。
また、鉄骨を吊り下げる固定具は、音が鳴ってしまうワイヤーではなく、繊維のベルトスリングを用いることで余計な音が鳴らないように配慮されていた。
さらにユニークなのが、高所作業車を使った打ち上げ花火の録音。
ピットの底に打ち上げ花火を設置し、そこから空へ向かってヒューン……パン!と乾いた音で花火が打ち上がる。
その花火が炸裂する音をリアルに収録するわけだが、地上に設置したマイクでは、上空の花火まで距離がある。そこで目をつけたのが、フィールドの工事のために導入していた高所作業車。この高所作業車にマイクを設置し、4mの高さまで持ち上げる。ピットの深さが2m程度なので、都合約6mの高さにマイクを設置し、炸裂する花火に近い場所でレコーディングできるようにしている。
リアルな音を録音するためとはいえ、「そこまでやるか!?」の連続。次から次へと披露されるアイデアの数々に、取材中、思わず爆笑してしまった。
実際に収録された音は、先ほどの動画でご確認いただきたいが、現場で体験した筆者は、本物の音が放つ生々しさと、二度と同じ音はない生ものならではのエモーショナルさを感じた。
また、落下のさせ方や、マイキングによって、思いもよらない“映える音”が録れたりもする。何度も試し、試行錯誤しながら、音を追求できる事こそ、フィールドで実物を使って生録する醍醐味と言えるだろう。
収録用の機材にも工夫が
こうした過酷な場所で、どのような機材で録音しているのか。レコーディングのシステム環境も簡単に紹介しよう。
ピットの底に置かれた、穴の空いたコンクリートブロック。実はこのコンクリートブロックの中に、効果音収録に適したマイクが収納されている。コンクリートブロックの中に入れることで、マイクを保護しつつ、落下するモノの近くに配置できるわけだ。
こうしたブロック内蔵のモノラルマイクの他にも、5.1chで録れるHOLOPHONEの「H3-D」もスタンドに設置されていた。こちらは自作の風防で四方を覆っている。
マイクケーブルの先には2台のレコーダーを用意。ZOOMの「F8n」は8chまでの24bit録音に対応。同じくF6は6chまでの32bitフロート録音(デュアルADコンバーター搭載)に対応。詳細は割愛するが、デュアルADコンバーターと32bitフロート録音の合わせ技により、音割れ(歪み)を避けるとともに、レベル調整の煩雑さを解消。入力レベルが大きいときも小さいときも高い解像度を維持できるのがメリットだ。このレコーダーをオーディオインターフェースとして活用し、プレハブ小屋のDAWでレコーディングする。
USBケーブルは長尺での運用が規格上できないため、USBエクステンダー「USB-EXSET3」を用いて、USBからイーサネットケーブルに変換。地中配管を通じて小屋に配線し、再びUSBエクステンダーでLANからUSBに戻してパソコンへ繋がっているそうだ。
プレハブ小屋は、単に機材を保管するだけでなく、録音・編集・モニタリングができる環境を常に使えるようにしておくことが大事だそうだ。
「小屋が無いと、毎回全部の準備を一からやることになります。たとえ機材をセッティングしても、天候の急変が起きるたびに車に退避させていては効率が良くありません。最小限の準備ですぐ収録ができるように、また録ったものをこの場でチェックできるようにしているんです」(中島氏)
将来的にはさらに準備を簡略化できるように、もう一棟プレハブ小屋を建てる予定とのこと。極端な温度環境下にあっても、機材の不調が起こらないよう、エアコンも付けるそうだ。屋外で行なう機材セッティングがマイクケーブルとマイクだけになれば、さらなる時短と効率化にも繋がるだろう。小屋を設置する土壌の地盤改良も中島社長自ら行なっているそうだ。
それにしてもフィールドレコーディングにこれほど適した環境は初めてだ。外で収録しているのに、車の音はほとんどない。たまに通過しても防音壁が利いているのか、うるさくは感じなかった。
付近に建物はないため、人の営みによるノイズが一切無いのもSKYSQUAREならではだ。遠くからほんのり聞こえてくることもない。だからこそ、安全に配慮しつつだが、重量物や刃物、火を使った収録にも取り組めるわけだ。
虫や鳥の鳴き声については、季節によってはやむを得ない。そこは後処理でノイズを除去することになるだろう。冬になれば虫もいなくなり、木々は落葉し、交通量もさらに減るため、澄んだクリアな音が録れるそう。これだけの大自然が広がっていれば、環境音の収録も捗りそうだ。
「季節や時間によっても録れる音は違います。今後、SKYSQUAREで特に録っていきたいのは、災害級の大雨とか嵐、雷など、厳しい気候条件での環境音ですね。本来なら、深夜の豪雨を山の中に録りに行くなんて危なくてできませんが、防水さえ工夫すればレコーディングを実施できると考えています。環境音は、基本的に適切な場所に出向いて録るのがベターです。なのでSKYSQUAREはここでしか録れない音を作ってみたいですね」(中島氏)
実際に、この場所で収録された雷や雨の音も使われている、SKYSQUAREのプロモーション動画が以下のものだ。これもUnreal Engine 5で中島社長が作成したものだが、効果音のの生っぽさ、実在感を、聞いてみてほしい。
なぜSKYSQUAREを作ったのか
中島氏と武田氏は、ともにカプコン出身のサウンドデザイナーだ。中島氏は、「バイオハザード RE:2」でオーディオディレクターと作曲も担当し、武田氏はバイオハザード RE:2でボイス編集を、「バイオハザードVillage」では環境音やギミックを手掛けている。
カプコン在籍中は、自社のフォーリースタジオをはじめ、外部の映画会社のスタジオなども使用して音響効果の制作を行なっていたが、いずれのスタジオも室内であり、スケールの大きな音は実現が難しかったという。
「用途に応じて、効果音ライブラリも頼るのですが、品質が良くて有名な『BOOM Library』は本当に多くの人が使っています。アニメを見ていても、丸ごと使ってると分かってしまうくらい鉄板なんですね。バリエーションを付けるにしても、エフェクトで加工するくらいですから、どうしても似たり寄ったりになります。素材として組み合わせて、新しい音を作ったりはもちろん行ないますが、元はライブラリ音源という事実は変わりません」(中島氏)
大規模な音を録ろうと廃材などを扱う業者を探してみたが、そうした場所は周囲に車が多かったりと、場所として収録に適さない。かといって、巨大なコンクリートブロックを持ち帰るにも、トラックや重機が必要であり、重機を扱う資格も無い。
だが、どうしてもスケールの大きなサウンドを収録したかった中島氏は、独立を決意。すぐに土地探しも始める。しかし、フィールドレコーディングに適した土地は一筋縄では見つからない。通常業務を行ないながら、5年間にわたり探し歩いた末に、現在の場所を見つけたそうだ。
「雑音が入らない場所として、交通量の少ない山間部を探すわけですが、林道のような細い道を行った先ですと、大きな素材や重機を運び込むのが難しく、土砂崩れなどの災害の心配があります。また冬に雪が降っても、除雪対象から漏れてしまい、辿り着けない。山梨というロケーションは地形が適しています。平坦地が多く、山の中でもある程度の面積で平らな場所が確保できる点もここを選んだ理由でした」(中島氏)
先ほどの収録で、音の生々しさや空気感を体感した筆者だが、既存のライブラリにある効果音と、生録のフォーリーには、ゲームなどに使う場合、どのような差があるのだろう。
「ライブラリはあくまでも“既にある音に映像側を近づける手法”が主ですが、映像に寄せた音を生で作れるのがこのスタジオの利点です。ライブラリだと音が綺麗すぎるため、実際の制作ではあえて雑味やザラつきが欲しかったりするんです。例えば、ロボット系の敵が闘ってるシーンの場合、ライブラリでもいいのですが、ここで録った音を足してみると俄然本物っぽさが出ます。ライブラリは使わない訳ではなく、インパクトがほしいキーとなる部分では利用します。いい意味での不自然さ、整ってない感じを乗せるにはフォーリーが優れています」(中島氏)
ここで録れた生っぽい音を使い、“SKYSQUARE特製の高品質ライブラリ”を作るというのも、ありなのでは? 中島社長に聞いてみると、意外にも「今のところは考えていないです」という答えが。
「というのも、我々のSKYSQUAREはオーダーメイドで価値を作ることを大事にしているため、ひとたびライブラリ化してあちこちで使われた場合、それが一般化してしまうと本末転倒になってしまうのです。フォーリーの魅力は、その場やキャラクターに合った音を作ることにあります。担当する作品専用の音を作る事で映像の価値も高まりますし、制作過程をメイキングで見せれば興味も持ってもらえますしね」(中島氏)
それにしても、スケールの大きな、そして生々しい音を録音するためとはいえ、社長自らがショベルで穴を掘り、整地をし、木を切り倒し、電気工事までやるというのは凄い行動力だ。中島社長は、「最初から14の資格を取ろうと思って始めたわけではないんです」と笑う。
「そもそも土地を買った時点で、何が必要になるのか、細かい部分はわかりませんでした。先を考えすぎたら何事も進めないじゃないですか。何かをやるたびに、できないことが見えてきて、できるようになるための資格を取得するというのを繰り返しました。日本で誰もやったことのない世界ですので、誰も教えてくれません。免許を1つ取っても『この免許じゃ、この作業はできないんだ』と、その時に初めて知るんです。例えば大型特殊の免許は、重機の“走行”はできますが、操作はまた別の車両系建設機械(整地等)が必要になる。解体用の“掴み機”を使うにはまた別の“新解体免許”が必要になります。そうやっているうちに、結果的に資格が14個になってしまっただけなんです(笑)」(中島氏)
「社長が資格取得の度に1週間とか連絡取れなくなるのがちょっと困っています(笑)」と笑うのが武田氏。社長をサポートするため、彼女もまた、建築系の人達が集まる試験場で、玉掛けの資格を取得したそう。2人の話からは、本当にフォーリーの世界が好きで仕方がないという気持ちが伝わってきた。
簡単見積もりのページも立ち上がって、まさにサービスが始まったばかりのSKYSQUARE。想定されるクライアントのメインは、映像に合わせて音を作りたい音響効果の人達だという。
「ゲーム業界だけじゃなくて、アニメや実写の制作をしている方にもぜひ使っていただきたいです。安く作るというスタンスよりは、こだわってやりたい人に活用してもらえたら嬉しいですね」(中島氏)
山梨の甲州市というロケーションも、車なら都心から高速を使って1時間半程度。JR塩山駅からの送迎なら無料で対応しているというから、レコーディングできる音の内容を考えれば、むしろ近いともいえるのではなかろうか。
中島氏が立ち上げたAZSTOKEは、ゲームのサウンドデザインと実装面をトータルで請けている。
同社が強みとしているのは“自動化のシステム作り”で、サウンド管理を効率化する「RIGDOCKS」も開発。ボイスの自動整音で特許も取得しており、ゲームづくりにおいて、コストと時間が掛かる膨大な音声編集の課題も解決している。効率化するためのシステムと、野外で汗を垂らしながら行なうフォーリー収録。対極に位置するような仕事も、目指す未来像は同じ方向にある。
「そもそもがゲーム開発職ですから、同じことをやり続けるのは開発とは呼べないと思っているんです。RIGDOCKSによって、効率化とコスト削減、時間の節約ができれば、例えば外にIR(インパルスレスポンス)の測定に出掛けたり、SKYSQUAREのような場所でより没入感を上げる効果音を作ることができるようになります。ゲーム開発は、今後もさらに物量が増えていきますが、人数は簡単に増やせないという状況が続くでしょう。だからこそ少しでも効率化して、生でしかできないことに時間を使えるようにしたいですね」(中島氏)
武田氏も、SKYSQUAREで生み出す音響効果について目を輝かせる。「映画やゲームからインプットして、今までだと『こういう音だよね』と想像で作っていたのが、実際に生の音を聴いたことで、SE制作はもっと詰められるなと思えるようになりました。その作品にあったアイコニックなものをこだわって作っていきたいですね」(武田氏)
効率化によって、生でしかできないことに注力する。開発者のスピリットは、常に活動の芯にあって、熱く燃えているのだと感心させられた。
既に大きなフィールドになっているSKYSQUAREだが、中島社長は「まだまだやりたい事が沢山あります」と、アイデアが尽きない様子。
山奥であるが故に上下水道はなく、寝泊まりはまだ難しい。そこで、インフラや設備を整えることで、数泊程度なら泊まり込んで収録できるようにしたいそうだ。
「さらに高いところから、もっと重い物を落とせるように重機も買い足ししたいですね。音場を良くするために、ピットの土留めや遮音壁の増設なども今後行なっていきたいです」(中島氏)
7月のCEDEC2026にも参加
5月8日から予約受付を開始したSKYSQUARE。実際の収録をイメージしながら見積もりを作成できるページは稼働中だ。随時見学も受け付けているとのこと。
ゲーム業界の国内最大級カンファレンスであるCEDEC2026では、ブース出展とともに7月22日と24日のセッションにも参加予定。22日には「大規模!屋外『フォーリーフィールド』の圧倒的な物理エネルギー収録と実践」と題して、SKYSQUAREで培った収録手法を紹介するそうだ。筆者も音屋の端くれとして聴講したいと思っている。
今まで録音できなかった音が録れる、SKYSQUAREの挑戦は始まったばかりでもある。そして、近い将来、このSKYSQUAREで録音された音を使ったゲームやアニメなどを、我々が楽しめる日が来るはず。ドキッとするほど生々しい音に出会ったら、スタッフロールに注目すると、AZSTOKEやSKYSQUAREの名前があるかもしれない。
- CEDEC2026 ブース出展
日時:2026年7月22日(水)~7月24日(金) 全3日間
開催場所:パシフィコ横浜 ノース(神奈川県横浜市西区みなとみらい)
URL:https://cedec.cesa.or.jp/2026/sponsor/exhibition/ - セッション登壇
◇レギュラーセッション(1)
大規模!屋外『フォーリーフィールド』の圧倒的な物理エネルギー収録と実践
日時:2026年7月22日(水)15:00~16:00 60分 レギュラーセッション
会場:第6会場
URL:https://cedec.cesa.or.jp/2026/timetable/detail/s6970bbfeae66f/
◇レギュラーセッション(2)
【UE5×RIGDOCKS】自社専用システムを構築!『SKYSQUARE』から始まる次世代の音響ワークフロー
日時:2026年7月24日(金)16:40~17:40 60分 レギュラーセッション
会場:第12会場
URL:https://cedec.cesa.or.jp/2026/timetable/detail/s69f30e538a169/


















































