ソニー、高画質/ネット強化したBRAVIAで「TVの原点に」

-スマート高画質を訴求。大型のシェアを重視


 ソニーは、液晶テレビ「BRAVIA」4シリーズ10機種の発表会を開催した。「スマート高画質」と「ネットワーク」をキーワードに上位モデルのHX850/750シリーズや、BD/HDD内蔵型のHX65Rシリーズなどを4月20日より順次発売する。


シリーズ型番サイズ特徴発売日店頭予想価格
HX850KDL-55HX85055型X-RealityPRO
モノリシックデザイン
オプティコントラストパネル
3D、無線LAN、SEN
5月25日30万円前後
KDL-46HX85046型23万円前後
KDL-40HX85040型16万円前後
HX750KDL-55HX75055型X-Reality
モノリシックデザイン
3D、無線LAN、SEN
4月20日27万円前後
KDL-46HX75046型5月25日20万円前後
KDL-40HX75040型13万円前後
KDL-32HX75032型10万円前後
HX65RKDL-46HX65R46型BD/500GB HDD録画
ソニールームリンク
(サーバー)
3D、ネット動画
4月20日23万円前後
KDL-40HX65R40型16万円前後
KDL-32HX65R32型14万円前後
EX550KDL-32EX55032型スタンダードモデル4月20日7万円前後
EX540KDL-26EX54026型イーゼルスタンド
スタンダードモデル
65,000円前後
KDL-22EX54022型5万円前後

 2011年度の国内BRAVIAは12シリーズ、39モデル展開となっていたが、2012年度は今回発表製品を8シリーズ、17モデルと、半分以下にラインナップを絞る。国内市場が縮小傾向ということもあるが、「'11年度の12シリーズはお客様にとって本当にわかりやすかったか? という思いもある。市場は縮小しているが、顧客のニーズにミートした製品ができた。特に大型に力を入れて展開する」(ソニーマーケティング ホームエンタテインメント プロダクツマーケティング部 本多健二 統括部長)とした。

HX850シリーズHX750シリーズ
KDL-55HX750HX65RシリーズEX540シリーズ

■ 「スマート高画質」とネット対応強化を訴求

ソニーマーケティング ホームエンタテインメント プロダクツマーケティング部 本多統括部長

 ソニーマーケティング ホームエンタテインメント プロダクツマーケティング部の本多健二統括部長は、新BRAVIAの目標を「あらゆるコンテンツを大画面できれいに」、「多彩なコンテンツをいつでも楽しめる」という2つのテーマで説明。「昨年までは地上デジタル移行に向け、テレビ放送をいかに見るかに力を入れてきた。しかし、今はテレビ以外にも、ネット動画などがスマートフォンやタブレットで楽しめる。こういう時代は、テレビがリビングにあって、大画面で綺麗な絵を楽しむという原点に戻る。その上で、テレビ番組だけでなく、ネット動画、カメラで撮影した映像も綺麗に見ることができる。これが新製品の軸」と語った。

 同社のアンケートでも「さらに高画質なテレビ」を求める声が大きいこと、テレビのネットワーク接続率も2010年3月には46型が13%、40型が10%だったものが、2012年1月には46型41%、40型が32%に向上しているなど、テレビのネット機能への要望が高まっているという。ネット接続率が上がっていることについては「'10年にBRAVIAのCMでネット機能を訴求し始めた。CMにあわせて売り場の説明にも取り入れ、家族でYouTubeやSkypeなどのサービス利用を提案してきたことで、やってみたいという人が増えたのではないか」と分析。そのため、新BRAVIAでは高画質技術とネットワークサービスの2点を重点的に強化した。


ネットワーク接続率は、40型以上のテレビで30%を超える高画質とネットワークサービス強化

 高画質については、HX850シリーズに搭載した「X-RealityPRO」による複数枚超解像や、データベース参照型超解像、3D超解像などに加え、動画解像度を高める「モーションフロー」や高コントラスト化を図る「オプティコントラストパネル」などを説明。この3要素により、ネット動画もテレビ番組も大画面で美しく楽しめる「スマート高画質」として訴求していく。

HX850はX-RealityPROを搭載スマート高画質をアピール
動画以外のコミュニケーションなどでもネットサービス活用を提案

 ネットワークサービスについては、大画面、手軽、ゆったり楽しめる、というテレビの特性を生かし、ネット動画だけでなくショッピングやコミュニケーションサービスを強化する方針を説明。「離れた場所の家族とSkypeで一緒に食事」といった利用イメージを提案した。

 また、ネットサービスは「Sony Entertainment Network(SEN)」に集約し、約170のサービスを用意。ネット動画系では、新たに「TBS世界遺産セレクション」、「日本経済新聞 電子版 映像ニュース」、「JOYSOUND.TV」、「テレビドガッチ」、「YouTube Leanback」に対応する。YouTube LeanbackはYouTube Remote Appを利用することで、YouTube内の動画をスマートフォンなどで検索でき、選んだ動画をテレビに出力する、といった操作が可能になる。

SENポータルYouTube Leanbackでスマートフォンの動画をテレビに出力

 ショッピングは「<ブラビア>ネットショッピングモール」や「おくってイオン」、「ベルーナらくらくショッピング」、「全国温泉・観光地マップ&宿泊・ツアー情報」に対応する。

 コミュニケーション系はソニーのクラウドフォト/ビデオ共有サービス「PlayMemories Online」や視聴中のテレビ番組やネットコンテンツのタイトルをTwitterなどでシェアできる「SNSシェア」に対応。また、ブラビアネットフォトも強化し、登録した子供の誕生日を入力することで、アップロードした子供の写真を成長アルバムとして自動スライドショーできる「思い出スライドショー」に対応。さらにαcafeの写真もブラビアネットフォトから閲覧可能になった。

 情報検索、管理系では、「あすけんダイエット」に対応。食事内容を記録することで、カロリーや食事バランス情報が表示され、栄養士によるダイエットアドバイスなども入手できる。

170のサービスに対応SENポータルに集約ブラビアネットの思い出スライドショー
SNSシェアショッピングサービスも強化
MediaRemoteでスマートフォン/タブレット連携

 スマートフォン/タブレット連携も強化。テレビのリモコンとして利用できるアプリ「Media Remote」をバージョンアップし、ブラウザのポイント操作が行なえる「フリーカーソル」機能や、Webページの情報をスマホ/タブレットからBRAVIAに送って表示したり、BRAVIAの表示ページをスマホ/タブレットで共有する「URLキャッチ&スロー」機能を追加する。

 なお、SENなどのネットワーク機能の一部は、発売済みの2010年以降のBRAVIAでも対応予定。詳細は下表の通り。

 2012年度の国内市場規模について本多統括部長は、「2011年は(エコポイントなどで)特需的な状態で約1,600万台だったが、'12年度は800万台規模になると予測している。本来の姿に戻ったともいえ、台数は落ちるが、ビジネスはしっかり続けていく」と言及。目標シェアは公表していないが、「数量を追うのではなく、大型をシェアや構成比を増やすことを考えている。顧客価値と利益のバランスをとって事業を展開していきたい」とした。

【10~12年BRAVIAのネットサービス対応】

ジャンルサービス名サービス
開始予定
10年
モデル
11年
モデル
12年
モデル
ネット動画
音楽
TBS世界遺産セレクション3月28日
日本経済新聞電子版
映像ニュース
テレビドガッチ6月以降
JOUSOUND.TV
YouTube Leanback4月以降*1--○*3
ショッピング〈ブラビア〉ネット
ショッピングモール
3月28日-○*3
おくってイオン4月以降○*3
全国温泉・観光地マップ&
宿泊・ツアー情報
3月28日○*3
ベルーナらくらくショッピング3月28日-○*3
コミュニケーションSNSシェア*14月以降--○*3
ヘルスケアあすけんダイエット4月以降○*3
写真PlayMemories Online2012年春-○*3
<ブラビア〉ネットフォト
(バージョンアップ)
3月23日○*3
他機器連携Media Remote
(バージョンアップ)
4月以降-○*2○*3
Wi-Fi Direct対応済み-○*3
10年モデル:HX900、LX900、HX800、HX700、NX800、EX700、EX710、EX500、EX300
11年モデル:HX920、HX820、HX720、NX720、EX720、EX72S、EX420、CX400
12年モデル:HX850、HX750、EX550、EX540、HX65R

*1.ソフトウェアアップデートが必要(4月10日予定)
*2.URLキャッチ&スロー、フリーカーソル、SNSシェア非対応
*3.HX65Rシリーズは非対応

(2012年 3月 23日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]