「アニメ コンテンツ エキスポ 2012」が幕張メッセで開催

-4月、7月の新作アニメ多数。アニメ内の食事も販売


会場入口

 最新アニメ作品の紹介や、各種イベント、物販などが行なわれる総合イベント「アニメ コンテンツ エキスポ 2012」が3月31日と4月1日の2日間、幕張メッセで開催された。入場料は1,500円。

 このイベントは、2010年12月15日に東京都議会で可決された「東京都青少年健全育成条例改正」に反対する角川書店やアニプレックス、キングレコード、ジェネオン・ユニバーサルなど8社が、従来参加していた「東京国際アニメフェア2011」への出展を取りやめ、新しいイベントとして計画。2011年に開催する予定だったが、震災の影響により中止となり、今回が初開催となる。なお、アニメフェアは既報の通り、3月22日~25日まで開催された。


 「アニメ コンテンツ エキスポ 2012」の会場は幕張メッセの国際展示場・展示ホール1~3。アニプレックス、角川グループ(富士見書房、アスキー・メディアワークス、エンターブレインなど)、ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン、スターチャイルドといった、各社がブースを展開し、手がける最新作品をイラストやPVなどを交えて紹介。BD/DVD商品の展示や、台本・プロモーション用グッズなども展示。さらに、ミニステージで声優らを招いてのイベントも開催された。

 また、REDステージ、WHITEステージと名づけられた大型のイベントステージも併設。「モーレツ宇宙海賊」、「輪廻のラグランジェ」、「銀魂」など既に放送された作品や、「人類は衰退しました」、「ヨルムンガンド」など、今後テレビ放送が予定されている新作に関するトークショーや、ミニライブ、PV上映なども実施された。

 初日の3月31日は、強風の影響で朝から京葉線がストップし、総武線にも大幅な遅れが発生。バスで会場を目指す人々が幕張本郷駅に殺到し、長蛇の列ができるなど、交通が混乱したが、それでも場内には多数の来場者があり、イベントの声援が場内を常に包むなど、非常に熱気あふれるイベントとなっていた。

会場は幕張メッセ初日はあいにくの天候となったが、場内はまっすぐ歩くのが難しいほど大勢の来場者があった



■NOTTVがアニメ放送をアピール

NOTTVの紹介ブース

 4月1日にmmbiが放送開始する携帯端末向けV-Highマルチメディア放送「モバキャス」のチャンネル「NOTTV」。そのNOTTVもブースを出展し、対応端末のタブレット「MEDIAS TAB N-06D」、スマートフォン「AQUOS PHONE SH-06D」を使い、デモ放送を表示していた。

 基本料金は月額420円で、3チャンネルのリアルタイム視聴と、蓄積型放送(シフトタイム視聴/デジタルコンテンツ)が楽しめる。常に通信が可能なスマートフォンの特徴を活かし、双方向番組や、ソーシャルメディアを組み合わせた番組などを実施するのが特徴。

 放送ではアニメ番組も予定されており、「偽物語」や「エウレカセブンAO」、「妖狐×僕SS」、「Fate/Zero」などがラインナップ。訪れたアニメファンに向け、「NOTTV」の機能をアピールしている。

対応端末のタブレット「MEDIAS TAB N-06D」、スマートフォン「AQUOS PHONE SH-06D」NOTTVの番組表。アニメ番組が強調されている
番組詳細情報を表示しているところ番組の下部にTwitterなどのソーシャルサービスを表示して連動したり、その他のコンテンツのメニューを表示す事などが可能

 また、ブース内では「モバキャス」対応のシャープ製スマートフォン「docomo NEXT series AQUOS PHONE SH-06D」の特別モデルとして、6月に発売が予定されている「SH-06D NERV」も参考展示。

 これは、2012年秋の公開が予定されている映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」とコラボレーションした「ヱヴァモデル」。画の世界観を再現し、「NERV官給品」をコンセプトとしている。

 デザインのみならず、内蔵コンテンツや、UI、パッケージなどを「新劇場版」の制作会社である「カラー」が全面的に監修している。

6月に発売が予定されている「SH-06D NERV」。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」とのコラボモデルだ番組の下部にTwitterなどのソーシャルサービスを表示して連動したり、その他のコンテンツのメニューを表示す事などが可能



■各社がブースで新作を紹介

 既に第1話の放送がスタートした「宇宙兄弟」は、モーニング連載のコミックが原作。幼い頃に宇宙飛行士になると約束を交わした兄弟の物語だが、弟の日々人は見事に夢をかなえるも、兄の六太は自動車メーカーをクビになり、無職状態。そこへ届けられた一通のメールをキッカケに、兄が再び宇宙を目指す。六太役・平田広明氏の熱演にも注目だ。

 「夏色キセキ」はオリジナル作品。仲良しの女子中学生4人が主人公で、彼女達に訪れる一夏のキセキを描いた物語。最大の特徴は、声優ユニット・スフィアの4人(寿美菜子/高垣彩陽/戸松遥/豊崎愛生)が、そのまま主役の4人を演じている事。

宇宙服姿でアピールする「宇宙兄弟」ブース声優ユニット・スフィアの4人が主演している「夏色キセキ」Fate/Zeroブースには劇中に登場する様々な武器が展示されている

 4月12日から、フジテレビ「ノイタミナ」枠で放送されるのが「つり球」。江の島を舞台に、文字通り釣りをテーマにした作品。コミュニケーションが苦手で、友人がいないユキは、宇宙人を自称する少年・ハルから強引に釣りに誘われるが……。クセのある登場人物達と、意外性のある物語展開に注目だ。

 アニプレックスとufotableが提案する、テレビのクールフォーマットでも劇場フォーマットでもない中編アニメの新たな発表の場、「アニメ文庫」。テレビアニメのビデオシリーズを全集に、劇場アニメのビデオパッケージをハードカバーに例えて、「読み切りの文庫シリーズ」というコンセプトの元でパッケージ化されている。

 その第1期作品として、極めてシュールな百合コメディ「百合星人ナオコサン」や、「みのりスクランブル!」、「ギョ!」の3作品が「アニメ文庫」作品としてBD化されている。

「ノイタミナ」枠で放送される「つり球」テレビのクールフォーマットでも劇場フォーマットでもない中編アニメとして展開している、「アニメ文庫」。左から「百合星人ナオコサン」や、「みのりスクランブル!」こちらも「アニメ文庫」から「ギョ!」

 祖母から受け継いだ“友人帳”を手に、妖怪たちと交流し、彼らに“名を返す”日々を送る少年と、その用心棒・ニャンコ先生の生活を描いた人気シリーズ「夏目友人帳」。最新作「夏目友人帳 肆」は3月で放送が終了したが、BD/DVD発売はこれからが本番。3月21日には第2巻が発売されたばかりで、限定版には特典としてキャラクターソングCDが付属する。

 ブースには作品の名場面と共に、招き猫仕様のニャンコ先生をお参り(?)できるコーナーも用意。多くの来場者が可愛い姿を撮影していた。さらにニャンコ先生はプライズ商品などのグッズ展開も多数予定。大型フィギュア展示ブースでも、ロボットなどに混じって巨大ニャンコ先生が登場するなど、キャラクター人気の高さを伺わせている。

「夏目友人帳」ブース金運より食べ物運がアップしそうな招き猫仕様のニャンコ先生
超巨大ニャンコ先生も登場プライズ景品として、友人帳を引っ張りだせるニャンコ先生ティッシュケース

 既報の通り、2008年に放送されたアニメ「かんなぎ」が、5月2日にBD-BOX化される。監督は「らき☆すた」や「フラクタル」の山本寛。シリーズ構成は倉田英之。普通の少年御厨仁(みくりやじん)と、彼の前に現れた産土神(うぶすながみ)・ナギの物語。DVD版に収録されていたオーディオコメンタリなども収録している。

 “菌”が肉眼で見える体質の主人公が、農大で仲間たちと波乱万丈の学生生活を送る「もやしもん」。アニメ化や実写化もされている人気作だが、「もやしもんリターンズ」として、2012年7月から再びアニメ化される事が発表された。放送枠は従来と同じフジテレビ「ノイタミナ」。新しいキャラクターも加わり、新シリーズも注目の作品になりそうだ。

5月2日にBD-BOX化される「かんなぎ」再アニメ化が決定した「もやしもんリターンズ」2005年から放送された「交響詩篇エウレカセブン」の続編「エウレカセブンAO」
劇場版の公開を控える「魔法少女まどか☆マギカ」コーナーでは、アニメコンテンツエキスポ会場限定仕様の観賞券セットが販売された7月から放送される「ソードアート・オンライン」は、超大規模なネットワークRPGが存在する2022年の物語。ゲーム内でのゲームオーバーは現実世界での死を意味し、クリアする事だけがゲーム世界から脱出する唯一の方法……7月放送開始の「恋と選挙とチョコレート」。巨大学園を舞台にした人気美少女ゲームが原作だ
新作のイラストをペイントした車の展示もニコニコ動画で4月から配信される「うぽって!!」は、天王寺キツネの同名コミックが原作。銃器を擬人化した美少女キャラクターが多数登場する異色のミリタリーコメディだアニメ「ギルティクラウン」のブース。既報の通り、Blu-ray/DVDジャケットにスマートフォンをかざすと、各話の名場面が表示されたり、キャラクターが飛び出して歌う機能などを備えたAndroidアプリ「ギルティクラウンARアプリ」もアピールされていた



■レアな展示/物販も

 アニメの情報展示だけでなく、今後発売が予定されているフィギュアや、イベントなどのために作られた巨大フィギュアの展示コーナーも用意され、写真撮影も可能になっていた。

グッドスマイルカンパニーのブースから、Fate/Zeroのセイバーとセイバー・モータード・キュイラッシェ。5月発売予定で、13,800円V-MAXを使って作られた実物大のセイバー・モータード・キュイラッシェも第1期の放送は終了したが、OVA化や、7月からの第2期シリーズも決定した「輪廻のラグランジェ」。会場には1/10スケールのウォクス・アウラも展示された
グッドスマイルカンパニーから夏に発売予定の「本間芽衣子」(あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない)。価格は未定だ「僕は友達が少ない」から、高山マリアと羽瀬川小鳩。どちらも7月発売で、価格は6,800円
「ねんどろいど」シリーズにも新作が続々登場予定。「あの夏」の貴月イチカ、「モーレツ宇宙海賊」の加藤茉莉花、「日常」の東雲なのなどが、夏に発売予定アニメ作品にちなんだ食事の販売もされているフードコート。「シュタインズゲート」のドクターペッパー(オリジナルコースター付き 250円)や「ジューシーからあげ ナンバーワン!」(600円)、「これはゾンビですか」に登場した戦闘にも使える「トモノリの対メガロラーメン」(600円)、「あの夏で待ってる」からイチカのサンドイッチ(600円)などなど



■コスプレが会場に華を添える

 場内には一般参加者用のコスプレ広場も設けられているほか、企業ブースにもコスプレコンパニオンが多数登場。イベントに華を添えていた。

4月からスタートする西尾維新原作のアニメ「めだかボックス」のブースから「妖狐×僕SS」のブースから、お嬢様・白鬼院凛々蝶と執事の御狐神双熾人気ライトノベルを原作とした「アクセル・ワールド」から、ヒロインの黒雪姫も登場
「涼宮ハルヒの憂鬱」から、ハルヒとみくるもイベントに参加メディアファクトリーブースでは、「アクエリオンEVOL」のコスプレが大人気

(2012年 4月 2日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]