ソニー、新クラウド「PlayMemories Online」25日開始

-PC&スマホからアップし、スマホ/TV/Tabletで表示


Sony Tabletとスマートフォンで「PlayMemories Online」を立ち上げたところ。UIが統一されている。画面のプラスマークを押すと、端末に保存された静止画、もしくはカメラで撮影した画像をクラウドにアップロードできる
PlayMemories Onlineの概念図

 ソニーは、PCやスマートフォン、タブレット、液晶テレビ、PlayStation 3(PS3)などで活用できる新しいクラウドサービス「PlayMemories Online」を4月25日にスタートすると発表した。無料で5GBのストレージサービスが利用できる。

 同社はこれまで「PlayMemories Online」に関して、概要やストレージサービス容量などを段階的に発表していたが、具体的なサービス開始日は明らかにしていなかった。なお、このサービスに対応するソフトとして、PC向けの「PlayMemories Home」、PS3向けの「PlayMemories Studio」、Android/iOS向けアプリ「PlayMemories Online」の提供を既に開始している。

 クラウドサービスの「PlayMemories Online」は、対応するソフトやWebブラウザなどからアクセスする事で、様々な機器で、ユーザー自身の静止画・動画ライブラリを鑑賞したり、他のユーザーと共有できるサービス。5GBのスペースが無料で利用できる。スペース拡張については、有料/無料なども含めて未定。

 例えば、2012年1月以降に発売されるソニー製ビデオカメラ、デジタルカメラに付属するPC用ソフト「PlayMemories Home」では、撮影した画像や動画の管理や編集ができるほか、ドラッグアンドドロップで、手軽に「PlayMemories Online」のユーザー領域にアップロードする事ができる。なお、このサービスはSony Entertainment Network(SEN)のIDでログインする。

 スマートフォン/タブレットのアプリ「PlayMemories Online」を使い、同じIDでログインすると、スマホ/タブレットから、ユーザー領域の静止画・動画が閲覧できる。クラウド側で形式や解像度などを変換することで、アクセスしてきた端末に合わせた表示が自動でできるのが特徴。PC/スマホ/タブレットのブラウザからアクセスする事もでき、その場合はフル解像度の画像にアクセスできる。

 なお、動画ファイルの場合、Webブラウザで表示する場合はクラウド側でFLV形式に、スマホやタブレット、後述するテレビのBRAVIA向けには、3G形式やMP4形式に変換したものが表示される。


PC用ソフト「PlayMemories Home」の画面タブレットの「PlayMemories Online」を起動したところ。ライブラリの表示メニューが「PlayMemories Home」と統一されている「PlayMemories Home」で静止画をPlayMemories Onlineにアップロードするところ。ドラッグアンドドロップで簡単にアップロードできる
スマホの「PlayMemories Online」を使い、撮影したデジカメをPlayMemories Onlineにアップロード数秒すると、同じ画像がタブレットの「PlayMemories Online」にも表示される

 表示アプリは2011年以降発売の液晶テレビ・BRAVIA向けにも用意(録画機能搭載モデルを除く)。テレビから同様に静止画・動画が閲覧でき、動画はHD解像度で再生が可能。Wi-Fi対応のデジタルフォトフレームも対応している。

 3月29日から1,500円で販売されている、PS3向けの動画編集・鑑賞ソフト「PlayMemories Studio」(30日無料試用可/2012年以降発売のソニー製カメラ購入者に無償提供)も、このサービスに対応。PS3の処理能力やコントローラーを活かし、ゲーム感覚で動画編集などができ、書き出せる(MP4・VGA)。将来的には編集した動画をPlayMemories Onlineにアップロードできるようになるという。

 なお、現時点で「PlayMemories Studio」にPlayMemories Onlineのコンテンツを閲覧する機能は無く、PS3でPlayMemories Onlineを楽しむためには、Webブラウザを使う必要がある。また、PlayStation Vitaやプレイステーション・ポータブルのブラウザでは、閲覧・アップロードはできない。その他、ブラウザではMac OS X 10.7のSafariに対応している。

 閲覧だけでなく、アルバム単位で他のユーザーを招待し、アルバムを共有する事が可能。一緒に出かけた旅行の写真を共有したり、離れて暮らす家族と共有するといった使い方ができる。

 また、特定の人にポストカードとして静止画を送付する機能も用意。ライブラリの中から送付したい画像と、テンプレートデザインを選択。メールアドレスとコメントなどを記載し、送付する事ができる。

 この場合、相手がPlayMemories Onlineを使っている必要は無く、メールにはWebブラウザでアクセスできる画像閲覧用のURLが記載される。なお、このURLを送信前に、送信主が知る事はできないため、例えばTwitterのようなSNSで、不特定多数のユーザーに向けて、特定の画像を公開するといった使い方は想定されていない。

 ポストカードを受け取る相手がPlayMemories Onlineを使っている場合は、PlayMemories Homeやスマートフォン/タブレットアプリのPlayMemories Online、テレビのアプリなどから受け取る事も可能。

PCの「PlayMemories Home」からポストカードを作成しているところ。テンプレートを選択送りたい相手のメールアドレスやコメントを入力タブレットの「PlayMemories Online」からも、同様のポストカードを送る事ができる
BRAVIAからPlayMemories OnlineにアクセスしたところBRAVIAであればHD動画の再生も可能送られてきたポストカードをBRAVIAで表示しているところ

 なお、様々な機器で表示・再生できるよう、クラウド側で変換されるのが特徴だが、オリジナルファイルをダウンロードできるのはWebブラウザからアクセスした時のみとなる。ブラウザからのアクセス時にも、PlayMemories Onlineへのログインが必要だが、前述のように、共有したコンテンツの場合のみログイン不要で閲覧できる。

 また、動画ファイルの場合、デジカメやビデオカメラで撮影したAVCHD動画などもクラウドへアップロードできる。しかし、ハイビジョン映像の場合、ファイルサイズが大きと、すぐに5GBの容量が一杯になる事が予想される。そのため、PC向けソフト「PlayMemories Home」では、アップロード時にWMVファイルに自動変換するよう、デフォルトで設定されている。ユーザーが設定を変更し、オリジナルファイルをアップロードする事も可能。また、各機器向けに表示するためにクラウド側で変換されたファイルは、アカウントごとの保存容量にはカウントされない。

 アップロード時の制限は、1ファイル200MBまで、スマホ/タブレット向けアプリで3G通信を使う場合は20MBまで。対応ファイルは静止画がJPG/ PNG/ BMP/ TIF/ GIF、動画がWMV/ MP4/ MTS/ M2TS/ MOV/ AVI/ MPG/ M4Vだが、これらファイル形式のすべてファイルへの対応を保障はしていない。

 各機器での利用できる機能やスケジュールは以下の通り。

対応機器ソフト名PlayMemories
Onlineの利用
機能SEN ID価格
Android端末
iOS機器
PlayMemories Onlie4月25日から閲覧
アップロード
必要無料
PCPlayMemories Home4月25日から
(Ver.1.3アップデート)
閲覧
アップロード
ダウンロード
必要無料

(Webブラウザ)
4月25日から閲覧
アップロード
ダウンロード
必要
(共有されたアルバム
 の閲覧時は不要)
無料
BRAVIA
(2011年以降発売モデル/
 録画機能搭載モデル除く)

(対応アプリ)
2012年春予定閲覧必要無料
デジタルフォトフレーム
(対応アプリ)
2012年春予定閲覧必要無料
PS3PlayMemories Studioアップロードのみ
対応予定
アップロード
※対応予定
必要1,500円

 表に記載した通り、PlayMemories HomeはPlayMemories Onlineに対応するため、4月25日にバージョン1.3にアップデートされる。これにより、クラウドサービスに対応するほか、カメラ内の静止画を取り込まず、そのまま印刷する機能も追加される。

 なお、PlayMemories Onlineサービスはアメリカ、カナダ、ドイツ、フランス、イギリスでも同時開始。また、日本では4月24日~5月20日まで、銀座ソニービルで開催されるゴールデンウィークイベント「『THOMAS & FRIENDS in GINZA』~ソニーときかんしゃトーマスのネットワーク体験島~」において、Xperiaで撮影した写真を、きかんしゃトーマスのジオラマ内に設置した対応機器に共有して楽しむ事ができる。イベントは4月24日からだが、この体験は4月26日から実施される。


(2012年 4月 20日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]