ヤマハ、TV前設置可能でiPhone無線伝送対応の新YSP

YSP-4300/3300。ウーファやスマホとAirWired接続


YSP-4300

 ヤマハは、「デジタル・サウンド・プロジェクタ」YSPシリーズの新モデルとして、iPhone/iPadからのワイヤレス接続にも対応した「YSP-4300」と「YSP-3300」の2機種を発売する。価格はどちらもオープンプライス。発売時期と店頭予想価格は、「YSP-4300」が11月下旬で18万円前後、「YSP-3300」が11月中旬で14万円前後。

 また、これらに標準で付属するAirWired対応のiPod用ワイヤレストランスミッタ「YIT-W12」は単品販売も行なわれる。11月中旬発売で、価格はオープン。店頭予想価格は8,000円前後。


YSP-4300YSP-3300AirWired対応のiPod用ワイヤレストランスミッタ「YIT-W12」

 「YSP-4300」と「YSP-3300」は、既発売の「YSP-2200」の上位モデル。テレビの前に設置する横長のサウンドバーとサブウーファのセットで構成されており、サウンドバーには小径ユニットを多数配置し、サウンドビームを放出するビームスピーカーを採用。ビームのように放出された音を、壁などに反射させる事で、前方設置にも関わらず、リアルな7.1chサラウンド再生を可能にしている。

 なお、ラック向けの「YSP-5100」や「YSP-4100」も存在するが、「YSP-4300」と「YSP-3300」それとは別のラインナップとして併売する。


YSP-3300

 ビームスピーカーは2.8mm径で、YSP-3300が16個、YSP-4300が22個内蔵。セットアップ機能として、付属のマイクを使い、テレビ画面に表示される指示に沿うだけで設置環境に合わせたビームの設定を自動で行なえる「インテリビーム」機能も用意。部屋の端に設置した場合の補正精度が向上しているほか、左右の音の位置バランスも補正できるようになり、従来機種の「フロント左/右チャンネルの位置調整」の手動セッティングが不要になった。

 新機種の特徴として、横長スピーカーの左右に、ビームスピーカーよりも大きな6.5cm径のウーファを合計2基搭載。人間の声の帯域をサウンドバーで担当できるようになり、全体の音質を高めているほか、従来はパッシブだった別筐体のサブウーファをアクティブサブウーファ化。さらに、ワイヤレス接続とし、設置性をアップさせている。サブウーファは縦置き、横置きどちらにも対応する。

 なお、サウンドバーには、テレビリモコンの信号を受け取り、背後から再度送信するリモコンリピーター機能を搭載。テレビのリモコン受光部をサウンドバーが塞ぐように設置しても、リモコンでのテレビ操作ができるようになっている。また、サウンドバーの高さを調節するためのスタンドも付属する。


YSP-4300のサウンドバー部分YSP-4300のサブウーファ。ワイヤレスで接続する左右に6.5cmのウーファを内蔵した

 システム全体の再生チャンネル数は7.1chまで対応。HDMI入力は4系統備えており、内蔵デコーダはドルビーTrueHDやDTS-HD Master Audioなど、HDオーディオのデコードに対応する。シネマDSPも搭載しており、10個のプログラムから選択できる。

 圧縮音楽を補間するミュージックエンハンサー機能も用意。EPGの情報と連動し、自動的に音場プログラムを切り替える「おまかせサラウンド」も備えている。

 HDMI出力は1系統。4K映像の伝送や、3D映像/ARCにも対応。切り替え速度を向上させるInstaPortにも対応している。HDMI CECもサポートし、大手テレビメーカーのテレビやレコーダとの連携操作が可能。

 そのほかの入力はアナログ音声×1、光デジタル音声×2、同軸デジタル音声×1。筐体はアルミで、不要な振動を抑制する剛性を確保している。

YSP-4300の入力端子部YSP-4300に付属するリモコン



■4300/3300の違い

 前述のように、4300はビームスピーカーを22個搭載し、さらに横長のタイプ。3300は16個のビームスピーカーを搭載している。出力は、4300が2W×22と75W×2、3300が2W×16と50W×2。

 サウンドバー部分の外形寸法(スペーサー無し)と重量は、4300が1,102×161×86mm(幅×奥行き×高さ)で6.9kg、3300が1,002×161×86mm(同)で6.3kg。サウンドバー部分の消費電力は4300が60W、3300が40W。

 サブウーファは共通で、出力は130W。ユニットは16cm径。縦置き時の外形寸法は145×371×446mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は9kg。消費電力は45W。

 なお、4300のみUSB入力も装備し、iPod/iPhone/iPadを接続して再生したり、USBメモリ内に保存した音楽ファイル(MP3/WMA/AAC/WAV)を再生する事も可能。さらに4300はFMチューナも搭載し、ラジオ受信もできる。

YSP-3300のサウンドバー部分YSP-3300のサブウーファ。ワイヤレスで接続する



■iPhone/iPadとワイヤレス連携

 4300/3300どちらも、ヤマハ独自の非圧縮無線伝送「AirWired」に対応。iPhone/iPadのDock端子(30ピン)に取り付ける送信アダプタ「YIT-W12」を製品に同梱しており、これを用いてiPhone/iPadの再生音をワイヤレスでスピーカーに送信できる。高音質・低遅延の伝送を特徴としている。

 この送信アダプタには、USB端子も備えており、PCに接続する事も可能。PCの音声をAirWiredでサラウンドシステムに送信できる。対応OSはWindows XP/Vista/7とMac OS X 10.6以降。iPodは第1~4世代touch、第3~6世代nano、iPhone 3G/3GS/4/4S、第3世代までのiPadに対応する。

iPhoneと送信アダプタ「YIT-W12」を接続したところ送信アダプタ「YIT-W12」
USB端子も備えているPCとの接続も可能

 外形寸法は40×10×38.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は10.3g。なお、サウンドバーとサブウーファはワイヤレス接続になっているが、この通信にもAirWiredを使用している。


(2012年 9月 27日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]