ライカ、フルHD動画対応「ライカM」を国内で披露
ライブビュー対応に。フルHD対応コンデジ2機種も
ライカM |
ライカカメラは1日、9月18日から23日までドイツで開催された映像関連の総合見本市「フォトキナ 2012」にて同社が発表した新製品を、日本国内メディア向けに紹介するイベントを開催した。
新製品は「ライカM」、「ライカM-E」、「ライカS」、「ライカX2ポール・スミスエディション」などとなっており、コンパクトデジタルカメラの新モデル「D-LUX 6」と「V-LUX4」の2機種も発表されている。
目玉となるモデルは「ライカM」。従来、M型ライカはM8、M9と数字を重ねてきたが、「デジタルカメラの短いライフサイクルの中でナンバーを重ねていく事に疑問を感じ、Mというシンプルな名前にした」(ライカカメラ プロダクトマネージャーのStefan Daniel氏 )という。2013年初旬の発売予定で、価格は77万7,000円程度を予定している。
モデル名はシンプルに「ライカM」 | ライカカメラ プロダクトマネージャーのStefan Daniel氏 |
有効2,400万画素、フルサイズのCMOSセンサーを搭載したレンジファインダー式のカメラ。新たにライブビュー機能に対応し、ピーキング表示機能も用意。ファインダーだけでなく、3型の背面液晶モニタでフォーカスや露出、色合いなどをチェックしながら撮影できるようになった。別売の外付けビューファインダー「ライカ EVF2」も使用できる。
別売の外付けビューファインダー「ライカ EVF2」も使用できる |
CMOSセンサーは「LEICA MAX 24MP CMOSイメージセンサー」を採用。コダックおよび同社イメージセンサー事業を継承したTruesense Imagingのものから代わり、ベルギーのCMOSISと共同開発した。同社がデジタルカメラ用のイメージセンサーを開発するのは初めてのことだという。
CMOSセンサーは「LEICA MAX 24MP CMOS」を採用。ベルギーのCMOSISと共同開発したというもので、ライカMに最適化設定されているほか、CCDセンサーの長所も取り入れ、鮮やかな色再現や高い描写力を実現したという。
なお、ライカMはライカMバヨネットマウントを採用しているが、別売の「ライカR用アダプターM」を使うことで、Rレンズを取り付ける事もできるようになった。新しいCMOSは、このRレンズ使用時にも高い描写力が得られるよう設計されているという。
さらに、動画撮影にも対応。軍艦部のシャッター横に「M」というボタンを設け、これを押す事で動画撮影ができる。フォーマットはMotion JPEGで、形式はQuickTime(.mov)。1080p/720pと640×480ドットでの撮影も可能。フレームレートは25コマ/秒、24コマ秒、30コマ/秒(VGAのみ)から選択可能。
動画を撮影しているところ | 右端にあるのが動画撮影用ボタン | 軍艦部 |
モノラルマイクも内蔵しているほか、オプションのマイクロフォンアダプタを接続する事もできる。
画像処理エンジンは、これまでライカSシステムに搭載されてきた「LEICA MAESTRO」(ライカ マエストロ)を採用。低消費電力化も実現したという。ISO感度は200~6400相当に対応し、Pull機能によりISO 100にも設定可能。記録メディアはSD/SDHC/SDXC。外形寸法は約139×42×80mm(幅×奥行き×高さ)、重量は680g。
■コンパクトデジカメ2機種も
「D-LUX 6」は、F 1.4の明るいレンズを搭載したコンパクトデジカメ。11月の発売を予定しており、価格は88,200円の予定。
新開発のレンズ「ライカ DCバリオ・ズミルックス f1.4-2.3/4.7-17.7mm ASPH.」を装備し、焦点距離は35mm換算で24~90mm相当。さらに、新開発の1/1.7型、有効1,010万画素のCMOSセンサーを組み合わせている。
D-LUX 6 | 各種アクセサリを取り付けたところ |
フルHDの動画撮影にも対応。AVCHDフォーマットで、1080/60p、1080/60i、720/60pの録画に対応。いずれもセンサー出力は60コマ/秒。MP4形式での録画もでき、1,920×1,080ドット、1,280×720ドット、640×480ドットでの撮影も可能。MPO形式で3D静止画も撮影できる。
ピント合わせやシャッタースピードの設定、露出補正などは、本体背面の後ダイヤルを使用。絞りリングを鏡筒に装備し、直感的な操作もできる。NDフィルタも内蔵。外形寸法は110.5×46.6×67.1mm(幅×奥行き×高さ)、重量は296g(バッテリとメモリーカード含む)。記録メディアはSD/SDHC/SDXC。
「V-LUX4」は、光学24倍で、明るさF2.8通しの高倍率ズームを備えたコンパクトデジカメ。レンズは「ライカDCバリオ・エルマリート f2.8/4.5-108mm ASPH.」で、35mm判換算で25~600mm相当の幅広い焦点距離をカバーする。
撮像素子は1/2.33型、有効1,210万画素CMOSセンサーで、ISO 100~6400までの設定が可能。約130万画素の電子ビューファインダーと、3型46万画素の液晶モニタも備えている。
光学24倍で、明るさF2.8通しの高倍率ズームを備えた「V-LUX4」 |
AVCHDのフルHDの動画撮影も可能。1080/60p、1080/60i、720/60pの録画に対応。MP4形式での録画もでき、1,920×1,080ドット、1,280×720ドット、640×480ドットでの撮影も可能。動画の記録可能時間は1クリップ最大29分。MPO形式で3D静止画も撮影できる。
記録メディアはSD/SDHC/SDXC。外形寸法は125.2×110.2×86.6mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は589.5g(バッテリとメモリーカード含む)。
■その他
「ライカM-E」は、ライブビューやUSB端子などを省きつつ、低価格化したモデル。1,800万画素のフルサイズCCD採用。10月発売で、価格は56万7,000円。動画撮影機能は無い |
12月発売予定の、中判デジタルカメラ「ライカS」 | 既発売のコンパクト「ライカ X2」の特別限定モデルとして、英国のデザイナー、ポール・スミス氏によるデザインの「ライカ X2 ポール・スミスエディション」も11月に発売予定 | カメラ以外の新製品も。限定モデル「ライカウルトラビット 8×20/10×25 オーストリッチ」は、小型の双眼鏡。ストラップ付きレザーケースが付属する |
(2012年 10月 2日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]