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スペック、113万4,000円のフォノイコライザ「REQ-77S」

オイルコンデンサを14個搭載。電源は別筐体

フォノイコライザー「REQ-77S」。電源が別筐体になっている

 スペックは、フォノイコライザ「REQ-77S」を3月1日に発売する。価格は113万4,000円。電源部が別筐体になっている。

 低出力、ローインピーダンスのMC出力を受ける初段のオペアンプに、ローノイズ、ハイゲインでバイポーラ入力のオペアンプを採用。ハイインピーダンスなMM出力に対しては、ハイスルーレートのFET入力オペアンプを選択。各カートリッジの長所や潜在能力を発揮させるという。

 出力段には、600Ω負荷でも余裕を持って駆動できるというオーディオ専用のオペアンプを採用。片チャンネル、オペアンプ4基のみというシンプルな構成になっている。

左がアンプ本体、右が電源

 CR型イコライザは最小の受動素子だけで構成。コンデンサには、米Arizona Capacitors製ハーメチックシール(完全気密構造)のオイルコンデンサをカスタムしたものと、樹脂ケースに封印されたマイカコンデンサを並列接続で使用。「全帯域に渡る高精度のRIAA偏差を確保すると共に、オイルコンデンサの滑らかで上質な音色とマイカコンデンサーの透明度の高い音質が一つに融合された」としている。

 なお、オイルコンデンサはCRイコライザの2つの素子に加え、信号系の一部と、電源品質の改善のために+-、L/Rの電源系にも8個、合計14個使用。さらに、2種類の異なる音色を持つオイルコンデンサを使い分けている。

 電源部には新開発のSiC(シリコン・カーバイド)による大容量ショットキーバリアダイオードを搭載。電源のコンデンサにもカスタムの大容量電解コンデンサと中容量のコンデンサをブレンドし、小容量のオイルコンデンサやマイカコンデンサを並列接続。「全帯域に渡るフラットなエネルギー感と量感溢れる低域を両立させた」という。

 さらに、フォノイコライザ本体への電源とは別に、リレー回路用のトランスと電源回路も用意。リレー駆動回路からの悪影響がイコライザーアンプに及ぶのを事前に避けている。イコライザ回路用には、L/R独立した電源回路を設け、電源回路からの他チャンネルの干渉も排除した。

 筐体には、スプルース材やカエデ材を使用。アンプ本体と電源部のベース部材には響きを重視し、オーストリア産のジャーマンスプルースによる無垢に近い積層板を、インシュレータには硬さと粘り強さが特徴という北海道産のイタヤカエデの無垢材をラウンド形状に挽きだした物を使っている。木製ベース・シャーシとインシュレータは、オークヴィレッジとの共同開発。

 入力のMCゲインは60dB、インピーダンス切替は20Ω/200Ω。MMゲインは40dB。入力負荷容量切替は0pF/100pF。出力はアンバランス(RCA)、バランス(XLR)を用意。外形寸法は本体部分が260×387×84mm(幅×奥行き×高さ)、重量は5kg。電源部が260×380×84mm(同)で、6kg。消費電力は10W。

左がアンプの背面、右が電源の背面
昨年10月に開催された「オーディオ&ホームシアター展 TOKYO」(音展)で参考展示された時のもの