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キヤノン、1080/60p動画撮影対応の「PowerShot G16」

動画を12%に圧縮してスマホ転送可能。薄型「S120」も

 キヤノンは、「PowerShot」シリーズなどコンパクトデジタルカメラの新製品8モデルを8月29日より順次発売する。このうち、上位モデルの「G16」と「S120」は、最高1,920×1,080ドット/60fpsの動画撮影にも対応する。価格はオープンプライスで、直販価格はG16が59,980円、S120が49,980円。これら2機種の発売時期は9月中旬。

PowerShot G16
PowerShot S120

 ハイアマチュア向けと位置付けられているG16/S120共通の特徴は、前述のフルHD/60fps記録対応(従来機のG15/S110は24fps)のほか、AFの高速化により最高0.1秒のAF時間を実現した点など。映像エンジンはDIGIC 6で、従来のDIGIC 5に比べて最大約2.4倍の速さでノイズを処理。高感度CMOSセンサーとの組み合わせによる「HS SYSTEM」で、暗いシーンでもノイズを抑えた写真を撮影可能としている。両機種とも無線LANを内蔵し、スマートフォンなどへワイヤレスで画像を転送できる。

PowerShot G16

PowerShot G16

 1/1.7型、有効1,210万画素の裏面照射CMOSセンサーを搭載するコンパクトデジタルカメラ。光学ズームは5倍で、35mmフィルム換算の焦点距離は28~140mm。F値はF1.8~2.8。1cmまでのマクロ撮影にも対応する。本体カラーはブラック。

 AFアルゴリズムやメカ制御などの改善により、AF時間は0.10秒(広角端)と、従来機種の0.17秒に比べ約41%短縮。同社コンパクトデジタルカメラ史上最速としている。AFの高速化に伴い、撮影タイムラグは従来の0.22秒から0.13秒(広角端)まで短縮した。連写はフル画素で最速約12.2枚/秒。

 最高1,920×1,080ドット/60fpsの動画撮影に対応。動きのある被写体の撮影時でも残像感を抑えた滑らかな動画を記録できるとしている。記録形式はMPEG-4 AVC/H.264(MP4)。フルHD/30fps記録時は、DIGIC 6がDIGIC 5の約9倍という情報量で、ノイズかディテールかを判断。ISO 1600時にも従来機でISO 400相当の低ノイズを実現した。

 動画撮影中のAF追従性能も向上。子どもや動物などの動き続ける被写体をより滑らかに追い続けるられるという。また、ピントが合焦している部分の輪郭に色を付けて強調する「MFピーキング」を表示しながら記録することもできる。

 光学式手ブレ補正とDIGIC 6による電子式手ブレ補正を組み合わせた5軸手ブレ補正を搭載し、動画撮影時の手ブレ補正も強化。上下や左右のブレに加え、回転軸、水平回転軸、縦回転軸のブレや画像の歪みを抑え、歩き撮りや乗り物からの撮影時などに効果を発揮するとしている。

 PowerShot Gシリーズで初となる無線LANも搭載。スマートフォンなどに撮影した写真や動画を転送できるほか、写真をFacebookやFlickrに直接投稿することもでき、Twitterへの日本語文字入力にも対応する。60pのフルHD動画を無線LANで送信する際には約12%のデータ量に圧縮し、スマートフォンなどへスピーディーに送信できるという。「クラウドシンクロ」により、撮影した写真をパソコンと同時に、同社会員制オンラインフォトサービス「CANON iMAGE GATEWAY」(無償)や、FlickrのWebサービスに保存することも可能。

 そのほか、簡単に星空や星の軌跡、星の動きを動画で再現できるというオート撮影機能「星空モード」を搭載。好みに応じてボケ味の加減を調整できる「背景ぼかし」機能も利用できる。白トビや黒ツブレを抑える「ハイダイナミックレンジ」機能も進化。新たに「油彩調」や「ヴィンテージ調」などの仕上がり効果も選べるようになった。

液晶モニタ側

 液晶モニタは3型/92.2万画素。光学ファインダーを備える。本体グリップを握りながら設定を切り替えられる電子ダイヤルや、露出補正/撮影モード用の2段ダイヤル、片手でダイレクトに設定を切り替えられるボタンなどを装備する。

 記録メディアはSD/SDHC/SDXCカード。HDMI出力も備える。外形寸法は108.8×40.3×75.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約356g(電池/メモリーカード含む)。バッテリ「NB-10L」が付属する。

PowerShot S120

S120のシルバーモデル

 G16と同じく、1/1.7型、有効1,210万画素の裏面照射CMOSセンサーを搭載。光学5倍ズーム対応で、35mm換算の焦点距離は24~120mm、F値はF1.8~5.7。本体の厚さは、「F1.8以下の明るいレンズを持つコンパクトデジタルカメラで世界最薄」という約29mmを実現したことが特徴。本体カラーはブラックとシルバーを用意する。

 動画機能はG16と共通で、最高1,920×1,080ドット/60fpsの動画撮影に対応。記録形式はMPEG-4 AVC/H.264(MP4)。動画撮影時のAF追従も強化したほか、MFピーキング表示も可能。5軸手ブレ補正も搭載する。静止画AFもG16と同様に0.1秒(広角端)を実現し、連写は最速12.1枚/秒。「星空モード」や、「背景ぼかし」機能も搭載。ハイダイナミックレンジ機能の「油彩調」や「ヴィンテージ調」などの仕上がり効果も利用できる。

液晶モニタ側(ブラック)

 無線LANも内蔵。スマートフォンへの転送や、Facebook/Flickr投稿などが行なえる。また、1080/60p映像を約12%に圧縮してスマートフォンなどへ転送することも可能。

 液晶モニタは3型/92.2万画素で、G16とは異なりタッチパネル対応となっている。記録メディアはSD/SDHC/SDXCカード。HDMI出力も備える。付属バッテリは「NB-6LH」。外形寸法は100.2×29×59mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約217g(バッテリ/SDカード含む)。

光学30倍ズーム搭載「SX510 HS」なども

 上記以外のPowerShot新モデルとして、光学5倍ズーム対応のF2.0レンズと無線LANを備えた「S200」や、光学30倍ズームと最大60倍「プログレッシブファインズーム」を備え、無線LANも内蔵する「SX510 HS」、光学16倍と最大32倍のプログレッシブファインズームを備えた「SX170 IS」、光学5倍ズーム/無線LAN搭載の「A3500 IS」をラインナップ。

 また、IXYシリーズでは、光学8倍ズームで無線LAN搭載の「620F」と、光学8倍ズーム搭載の「100F」を8月29日に発売する。ラインナップと発売日、直販価格は下表の通り。

シリーズ製品名発売日直販価格
PowerShotG169月中旬59,980円
S12049,980円
S20034,980円
SX510 HS8月29日27,980円
SX170 IS19,980円
A3500 IS11,980円
IXY620F23,980円
100F14,980円
PowerShot S200
PowerShot SX510 HS
PowerShot SX170 IS
PowerShot A3500 IS
IXY 620F
IXY 100F

(中林暁)