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【IFA 2013】4K & ハイレゾ製品が充実のソニーブース
4K配信対応プレーヤー、DSD対応USB DACなど
(2013/9/7 09:14)
ドイツ・ベルリンで9月6日(現地時間)、国際コンシューマエレクトロニクス展「IFA 2013」が開幕した。出展社の中でも特に新製品を多数発表したソニーのブースをレポートする。
4K対応有機ELやメディアプレーヤー、湾曲液晶など
4日のプレスカンファレンスでも平井一夫社長兼CEOが4K製品の充実をアピールした通り、テレビやプロジェクタといった対応製品が多く登場した。テレビは、ベゼル幅がスリムになった65型BRAVIAの「KD-65X8505A」や、55型の「KD-55X8505A」などを展示している。また、世界最大とする56型の4K有機ELテレビも参考展示している。
既報の通り、4K対応で小型化したプロジェクタ「VPL-VW500ES」も10月末に発売される。価格は明らかにしていない。4,096×2,160ドットの4K SXRDを搭載。2012年発売の4Kプロジェクタ「VPL-VW1000ES(168万円)」に比べて大幅に小型化したことが特徴で、外形寸法は495.6×463.6×195.3mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約14kg。HDMI 2.0をサポートし、4K/60pの映像信号入力に対応した。コントラスト比は20万:1、輝度は1,700ルーメン。「トリルミナスディスプレイ」による広色域表現にも対応する。
4Kコンテンツについては、米国で開始された4K対応「Video Unlimited」で利用できるメディアプレーヤー「FMP-X1」も出展。Video Unlimitedの4K対応時期について詳細は明らかにしていないが、課題とされるコンテンツの対策の一例として、映画などの配信サービスを紹介している。ハンディカムも4K対応の「FDR-AX1」が展示されている。
4K以外で注目されていたのは、画面が湾曲した65型の“Curved”液晶テレビ。映像に囲まれているような状態で視聴でき、映像に没入できるほか、内蔵スピーカーユニットの個々の向きを変えることでサラウンド感が得られるという「Multi-angle Live Speakers」を採用。スピーカーのエンクロージャ容積を多くすることで豊かな低音再生も可能にした。
また、有機EL搭載のヘッドマウントディスプレイ新モデル「HMZ-T3」も展示。来場者が体験できるようになっており、開幕後は順番待ちの列ができる人気のコーナーとなっていた。
ハイレゾはポータブルとデスクトップで再生対応。録音も可能に
今年のIFAで注力されているもう一つの動きが「ハイレゾ」への対応。CDを超える24bit/192kHzのFLACやDSDなどの再生機器を充実させているほか、ヘッドフォンやスピーカーも、ハイレゾ再生を想定した仕様としたモデルを用意。「Hi-Res AUDIO」ロゴを冠することで、ソニー全体でハイレゾに取り組んでいく意向がうかがえる。
ウォークマンは、秋の新モデル「F880シリーズ」で最大24bit/192kHzまで対応(従来のF800シリーズは仕様上は16bit/44.1kHzまで)。32GBモデル「NWZ-F886」の価格は約330ユーロ。FLAC/WAVのほか、Apple Losslessも最大24bit/192kHzまで再生可能。なお、DSDには対応しない。Bluetoothを内蔵するほか、新たにNFCにも対応し、ヘッドフォンなどとワンタッチでペアリング可能になった。
デジタルアンプは従来のS-Master MXから、新たに「S-Master HX」へ進化。圧縮音源で失われた高域の補間も行なえるほか、CD音源をアップコンバートして高音質再生することも可能だという。Android OSは4.1。アクティブノイズキャンセル機能も備える。
さらに、別のウォークマン新製品とみられる試作機を「Prototype Walkman」としてショーケース内に展示。詳細は明らかにしていないが、F880シリーズに比べて本体が厚く、背面下部が盛り上がったデザインになっているなど、デザインだけでもかなり違いがある。
さらに、同社ポータブルアンプ「PHA-1」の新モデルとなる「PHA-2」も参考出展。欧州での発売時期や価格は明らかにしていないが、24bit/192kHzに対応し、DSD(2.8MHz)もサポート。「デジタルミュージックプレーヤーとのデジタル接続にも対応する」としており、この製品をウォークマンのF880シリーズと組み合わせて展示していた。ヘッドフォンは、MDR-1Rと、同製品を小型化した新モデルのMDR-10Rを“ハイレゾ対応製品”としてアピールしている。
据え置きのオーディオプレーヤーにもハイレゾ対応モデルを一挙に投入。今秋発売とする「UDA-1」はデスクトップサイズのUSB DAC兼アンプで、FLACやDSDなどのハイレゾ音源もサポート。20W×2chのアナログアンプを内蔵する。ハイレゾファイル再生向けに、PC用プレーヤーソフト「Hi-Res Audio Player」も用意。なお、ドライバはASIOを使用し、DoPはサポートしないため、Macには対応しない。
HDD搭載プレーヤー「HAP-S1」も出展。内蔵の500GB HDDにハイレゾ音源などを貯めて、本体で再生できる。無線LANも内蔵するが、DLNAなどのネットワークプレーヤーとしての利用は想定しておらず、一度HDDにコピーする必要がある。無線LANはスマホ用のリモコンアプリとの連携や、楽曲転送時などに使用する。内蔵アンプの出力は40W×2ch。国内での発売は未定だが、円換算での価格は8~9万円前後の見込み。また、この製品との組み合わせを想定したスピーカー「SS-HA1」も発売。ハイレゾ音源の特徴である繊細な高域を表現するため、ツイータをダブルで搭載した3ウェイ4スピーカー構成となっている。
さらに上位のモデルとして、1TB HDD内蔵でアンプを別筐体とした“ES”型番のモデル「HAP-Z1ES」と、プリメインアンプ「TA-A1ES」を用意。いずれも欧州では秋発売で、円換算ではそれぞれ20万円前後の見込み。TA-A1ESのパワーアンプ部は80W×2ch出力。
プレーヤーだけでなく、PCMレコーダもハイレゾ対応モデルが登場。可動式XYマイク内蔵の「PCM-D100」は、24bit/192kHzのPCM録音に加え、DSD 2.8MHzの録音も可能となっている。また、ハイレゾ対応ではないが、XYマイクでのPCM録音とフルHD動画撮影が行なえるレコーダ「HDR-MV1」も発売する。この製品はNFCと無線LANも搭載し、撮影した音声や動画をスマートフォンへ簡単に転送できることが特徴。
アクションカムの新モデル「HDR-AS30V」は、GPSも新たに内蔵。GPSの記録データをもとに、マップ上でどういった進路で移動したかを後から確認できる。NFCも搭載し、無線LAN接続操作が簡単になる。CMOSセンサーは1/2.3型、有効1,190万画素のExmor R、レンズはF2.8のカールツァイス テッサー レンズ。
高機能なカメラを搭載し、ネットワークサービス連携も充実させた“One Sony”を象徴する製品として発表されたスマートフォン「Xperia Z1」は会場内の様々な場所に設置。“レンズスタイルカメラ”のDSC-QX10/100との組み合わせや、アプリ「TV Side View」を使ったテレビとの連携デモ、オンライン写真/動画共有サービス「PlayMemories Online」の機能アップデート紹介コーナーなどにも使用されていた。