ニュース

ソニー、積層型CMOSセンサーの生産能力増強。スマホなどへの供給体制を強化

 ソニーは、積層型CMOSイメージセンサーの生産能力増強に向けた設備投資を2014年度下期から2015年度上期に向けて実施する。総額350億円規模の設備投資により、ソニーのイメージセンサー生産能力を現在の約6万枚/月から、2015年8月には約68,000枚/月に増強する。

ソニーセミコンダクタ 長崎テクノロジーセンター(左)、熊本テクノロジーセンター(右)

 今回の設備投資は、ソニーセミコンダクタ 長崎テクノロジーセンター(長崎テック)と熊本テクノロジーセンター(熊本テック)における積層型CMOSイメージセンサーの生産能力を増強するもの。長崎テックで積層型イメージセンサーに関する重ね合わせ工程とそれ以後の工程を行なうための増強と、熊本テックでフォトダイオード製造や配線工程などのマスター工程を行なうための製造設備増強に充てられる。2014年度の投資額は約90億円(長崎30億円、熊本60億円)で、2015年度投資額は長崎で約260億円。

 ソニーでは1月に山形テックの新設と設備投資を発表しているが、今回の設備投資により、山形テックでマスター工程を行なう半導体チップの一部について、それ以後の必要な工程を長崎テックで行なえるようになるため、積層型CMOSセンサーの一貫した生産体制を構築できるとする。

 積層型CMOSイメージセンサーは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器市場におけるさらなる需要増が見込まれるため、ソニーではその生産能力と一貫した供給体制の強化を推進。中長期的にはイメージセンサーの総生産能力を約75,000枚/月まで増強する予定で、イメージセンサーにおけるリーディングポジションを確固たるものにするとしいる。

(臼田勤哉)