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シャープ、欧州のTV自社展開から撤退。UMCへブランド供与

白物はVestelがシャープブランドで販売

 シャープは26日、欧州のAV事業において、スロバキアのUniversal Media Corporation(UMC)と業務提携したと発表した。これにより、シャープの欧州向けの液晶テレビ事業は、自社ブランドの自社販路展開から、UMCが展開するテレビにシャープのブランドを供与するビジネスに移行する。

 また、白物家電事業については、トルコVestelの販売会社であるVESTEL TICARETと業務提携し、販売事業を移管する。これらの欧州家電事業構造改革に伴い、2014年度第2四半期に特別損失64億円を計上する。

 テレビ事業については、UMCの欧州向け液晶テレビにシャープのブランドを供与するビジネスに移行。ポーランドの液晶テレビ生産拠点SMPLもUMCへの譲渡を前提に協議していく。また、UMCのテレビ設計や開発をシャープがサポートしていく。同様にマレーシアのオーディオ生産拠点SOEMで生産したオーディオ製品も、UMCがシャープブランドで欧州販売する。

 白物家電についてはVestelに販売事業を移管。タイや上海で生産したシャープの冷蔵庫や電子レンジなどをVestelが販売するほか、Vestelが生産するボリュームゾーン向け冷蔵庫や洗濯機、食洗機などについてもシャープブランドを供与し、Vestelが販売する。

 シャープでは、この事業構造改革の遂行により、欧州事業の再成長を図り、AVや白物などの家電事業は、シャープのブランド力とUMCとVestelの販売力を融合し、収益力ある事業への転換を進める。また、デジタル複合機とそのソルーションによるドキュメント事業やビジネスソリューション、太陽光発電所のEPC(設計・調達・建設)を核とするエネルギーソリューションなどの非家電事業は継続し、収益力拡大を図る。なお、本契約はイタリア、ロシアを除き、また、イタリア、オランダ、フランスも現時点では契約対象外となる。

(臼田勤哉)