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新センサーと手ブレ補正強化、4K動画対応「DMC-GX8」

4K PHOTOは“後からフォーカス”対応に進化

 パナソニックは、世界初の6コントロール手ブレ補正システムを搭載し、4K/30p動画撮影や4K PHOTOに対応したマイクロフォーサーズ一眼カメラ「LUMIX DMC-GX8」を8月20日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は14万5,000円前後。高倍率ズームレンズ「H-FS14140」が付属するレンズキット「DMC-GX8H」は18万円前後。カラーはブラック(-K)とシルバー(-S)。

DMC-GX8

新MOSセンサーとDual I.S.で手ブレ抑制

 新開発の「20M Live MOSセンサー」と世界初の6コントロール手ブレ補正システム「Dual I.S.」を搭載したLUMIX新モデル。4/3型2,030万画素の新撮像素子を搭載し、解像力や低感度撮影時の立体感を向上。S/N比も改善し、高ISO感度撮影時のノイズを抑えている。

DMC-GX8(ブラック)の本体

 さらに、レンズ内手ブレ補正2軸とボディ内手ブレ補正4軸を組み合わせた6コントロール手ブレ補正技術「Dual I.S.」を新搭載。上下左右の角度ブレ(Yaw、Pitch)と、上下左右の並進ブレ(x、y)の大きなブレを広く補正するボディ内手ブレ補正、上下左右の角度ブレの細かなブレを補正するレンズ内手ぶれ補正を連動させることで、従来以上に強力な手ブレ補正を実現。暗い場所や望遠時の撮影能力を強化したという。

 なお、レンズがDual I.S.非対応の場合、手ぶれ補正に対応したレンズならレンズ内手ブレ補正のみ、手ブレ補正機能非対応レンズはボディ内手ブレ補正のみが働く。

 独自の空間認識技術DFD(Depth From Defocus)と、コントラストAFを組み合わせた「空間認識AF」により、AF合焦速度0.07秒を実現(H-FS14140使用時)した。追尾AFは、被写体の動きを予測する機能を加え、追従性能を従来機GX7比で約200%に向上した。月明かりやろうそく下でも撮影できる「ローライトAF」や、微小な光源を検出して、夜空の星までピントをあわせる「星空AF」にも対応する。

 4K/30pまでのビデオ撮影に対応。MP4形式で、4K/30p、24p(3,840×2,160ドット/100Mbps)、FHD/60p(1,920×1,080/約28Mbps)、FHP/30p(1,920×1,080/約20Mbps)などの撮影に対応。AVCHD/AVCHD Progressiveでの撮影にも対応する。

 高速連写は8コマ/秒(AFS)、6コマ/秒(AFC)。記録メディアはSDメモリーカード(SDXC/SDHC対応)。

DMC-GX8(ブラック)
DMC-GX8(シルバー)

4K PHOTOは“あとからフォーカス”に進化

 4K(3,840×2,160ドット)で撮影した4K動画から1コマを切り抜き、800万画素の静止画を作成する「4K PHOTO」も搭載。カーソルボタンから素早く[4Kフォト]を選択可能にした。4Kフォトモードに設定すると、切り出しに最適な「記録方式MP4」、「画質設定4K/100M/30p」、「輝度レベル0-255」に、一括で設定が切り替わる。

 4Kフォトモードの撮影モードは「4K連写」、「4K連写(S/S)」、「4Kプリ連写」の3種類が選択可能。

 4K連写はレリーズボタンを押している間、秒30コマでシャッター音付きで撮影できる機能。シャッター音は動画には記録されない。4K連写(S/S)のS/SはStart/Stopの略で、従来からの4Kフォトモードと操作性は共通。レリーズボタンを押して、秒30コマで撮影開始し、撮影終了時にもう一度レリーズボタンを押して撮影停止する。[4K連写]はレリーズボタンを押している間に撮影続行、[4K連写(S/S)]は、終了時にもう一度レリーズボタンを押すの違いとなる。

 4Kプリ連写は、レリーズボタンを押した前後各1秒間(60コマ)を撮影する機能となる。

 パナソニックでは、被写体の動きが予測できて写真感覚で撮影する場合は「4K連写」、撮影の瞬間が予測できない時には「4K連写(S/S)」、瞬間にあわせてレリーズしたいときに「4Kプリ連写」を使うと位置づけている。

 4K PHOTOのアスペクト比は、16:9のほか、4:3、3:2、1:1も選択可能。それらのアスペクト比で、約800万画素の静止画が切り出せる。切り出した静止画には、通常の写真と同じようにExif情報が記録され、撮影日時や露出の設定などが確認できる。撮影した4K PHOTOは、MP4形式の動画として保存される。

 新たに「フォーカスセレクト」にも対応予定。これは、4K PHOTO撮影後に、フォーカスポイントを自由に変更できる機能。ピント位置が決まらない失敗写真を防いだり、これまでと異なる写真表現を楽しめるという。操作方法は、撮影後に再生画面を見ながら、タッチ操作で好きな場所を選んでフォーカスを変更するだけ。なお、フォーカスセレクトは、後日のファームウェアアップデートで対応する。アップデート時期は未定としている。

 スライドフォトセレクトを搭載し、液晶モニターのタッチ&ドラッグ操作でベスト写真を選択できる。一度に60枚(2秒分)の写真を表示し、その中から切り抜く写真を選択する。ピンチ操作により拡大してピント確認も行なえる。

チルト対応の有機ELビューファインダも

 操作性も改善。露出補正ダイヤルを天面に独立し、モードダイヤルと2段重ねして配置。ダイレクトな操作を可能にした。前後ダイヤルの機能割り当てにも対応する。ボディは、各部シーリング構造による防塵・防滴設計で。マグネシウム合金の採用により、堅牢性を確保している。

ダイヤル部

 背面に3型/104万画素の可動式タッチパネル有機ELモニターを装備。左180度、上下250度に動かすことが可能で、ローアングルからハイアングルまでの撮影に対応。さらに、0.5型に大型化した236万画素の有機ELビューファインダーも装備。ファインダー倍率は0.7倍(35mm換算)/0.77倍を切替可能で、90度チルト機構も装備。ローアングル撮影にも利用できる。

液晶モニタはバリアングル
ビューファインダ部

 IEEE 802.11b/g/nの無線LANを装備。iOS/Android向けの専用アプリ「Panasonic Image App」により、撮影した写真や動画の閲覧や保存がスマホやタブレットから行なえる。

 AV出力やUSB、マイクロHDMI出力などを装備。外形寸法は133.2×63.1×77.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約435g(本体のみ)。撮影可能枚数は約310枚(LVF ON)、AVCHD動画の実撮影可能時間は約60分。付属ソフトは「PHOTOfunSTUDIO 9.7 PE」、「SILKYPIX Developer Studio 4.3 SE」。

(臼田勤哉)