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スマホをかざしてレコーダ番組を高速転送/持ち出し。シンプルなSeeQVault活用
(2015/10/6 22:04)
10月7日~10日に千葉・幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2015」において、著作権保護の「SeeQvault」のライセンス提供を行なうNSM Initiativesのブースでは、テレビ録画番組のスマートな持ち出しなどの提案を行なっている。
昨年までのCEATEC展示では、SeeQVault(SQV)の技術提案が多かったのに比べ、今回は実際の利用シーンに応じて「HOME」(家の中での視聴)と「OUTDOOR」(外での持ち出し視聴)の2つに分けて紹介する展示内容となっている。
中でも注目は、スマートフォン本体をかざしてレコーダの録画番組を高速転送できるTransferJetとSQVの連携。昨年のCEATECでも同技術をデモしていたが、今回は具体的な製品としてバッファローが11月末に発売するTransferJetアダプタ「BSCRTQ01/V」を用意。東芝もこれに対応したレコーダの「レグザサーバー」を発売予定で、TransferJet対応スマホの新機種であるドコモ「F-02H」(富士通製)内のmicroSDカードへワイヤレスで高速転送できるというデモを行なっている。
実際の転送方法としては、まずレコーダでバッファローの「BSCRTQ01/V」に収めたmicroSDに録画番組をダビング。「BSCRTQ01/V」は平らな板状の端末で、スマホの「F-02H」でアプリ「TJPlus」(ピクセラ製のAndroid用SQVコンテンツ再生アプリ/11月下旬公開予定)を立ち上げてアダプタにかざすと、1時間のHD番組で約1分という高速転送が可能。最初に録画番組のリストが表示され、そこから転送したい番組を選ぶと転送を開始する。なお、BSCRTQ01/V内のmicroSDへのダビングは、あらかじめレコーダの設定で番組録画後に自動転送するように指定できる。
現在のスマホへのSQV転送の一つとして、スマホにUSB接続のSQV対応アダプタを装着するという方法があるが、今回のTransferJet連携により、アダプタを付けなくても簡単に持ち出し視聴でき、ネットワーク経由のリモート視聴とは異なり、通信を使わずに観られるのが特徴。東芝はこの方法を「SeeQVault-Togo(仮称)」として紹介している。
スマホだけでなくタブレットへの転送も想定しており、その場合はバッファローのアダプタの中にある丸いパーツを取り外して、横に並べる。そうすると、アダプタよりも大きいタブレットをアダプタにのせても、タブレットが傾かず水平に置いて正確に転送できる。
バッファローのアダプタに正式対応する第1弾のレコーダは、東芝が今後発売するレグザサーバー新モデルだが、バッファローはそれ以外のレコーダにおいても動作確認を行なっており、'14年のSQV対応モデルでも、同様のことが行なえる見込みだという。
アプリやソフトウェアでもSQV対応が進んでおり、6日に発表されたデジオンのWindows用のプレーヤーアプリ「DiXiM SeeQVault Play」や、東芝のdynabookに搭載されているサイバーリンクの「SeeQVault Player」、近日発売予定の「sMedio SeeQVault Player」などを紹介。機器側だけでなく、ソフト単体でもサポートが増えていることをアピールしている。
家での視聴については、パナソニックやシャープがSQV対応のレコーダやテレビなどを展示。レコーダに接続したUSB HDDを、他のSQV対応レコーダに接続しても観られる。レコーダ/テレビの買い替えや、別室での視聴が簡単に行なえるという特徴を紹介している。
BDや動画配信のコンテンツ持ち出しに向けても検討中
SeeQVaultは、東芝とパナソニック、サムスン電子、ソニーらが共同開発したコンテンツ保護技術であり、現在は21社が賛同している。
今回の展示は、より現実的になった録画番組の活用方法を紹介するのが中心だが、それ以外のコンテンツにも利用の幅を広げるために様々な検討を続けている。一例としてはBlu-ray Discのコンテンツをダビングすることなどを目指してBlu-ray Disc Association(BDA)と話し合いを続けているほか、動画配信サービスなどに対しても採用の呼びかけなどを行なっている。今後も活用を広げる意思表示として「あらゆるコンテンツに“自由の翼を”」というメッセージを発信し、今後も活動を続けるという。