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ゼンハイザー、超ハイエンドの真空管搭載コンデンサー型ヘッドフォンシステム

 独ゼンハイザーは8日、70周年を記念したパーティを開催。この会場内で、今後発売されると見られる真空管搭載のコンデンサ型ヘッドフォンを披露した。国内では初公開となる。製品名や価格、発売時期などは一切未定で、「Next Mile Stone」というヘッドフォンプロジェクトで開発が進められている。

展示されたコンデンサ型ヘッドフォン

 今回のイベントは、1945年のゼンハイザー設立から今年で70周年を迎えたことを記念し、関係者らを招いて行なわれたもの。ドイツの本社からダニエル・ゼンハイザーCEOが来日し、つのだ☆ひろをはじめとする様々なアーティストを招いたライブイベントなどを行なった。

 このイベントで国内で初めて展示されたのは、真空管搭載のアンプ部と、オープンエア型ヘッドフォンで構成するハイエンドのコンデンサ型ヘッドフォン。70周年を記念したモデルだが、今年発売されるかどうかや、詳細なスペックなどは明らかにしていない。前述の通り製品名は未定だが、同社の名機として知られるヘッドフォンシステム「Orpheus」(オルフェウス)を彷彿とさせる製品となっている。

ヘッドフォン部

 大理石を用いた台座部分に2つの四角い箱がのったような形状だが、そこから電源を入れると、セレクタ/ボリュームノブや、真空管がせり出してきて、ヘッドフォン部を収めた部分の上面カバーがゆっくりと開くデザインを採用している。

電源を入れる前の状態
電源を入れると、真空管が上にせり出した
電源を入れて、真空管部分やカバーが開くまでの様子

 会場では試聴はできなかったが、展示期は既に音が出る状態とのこと。今後の発売に向けてブラッシュアップしていくという。今後のイベントなどで実機が登場するかどうかなども現段階では情報が無いが、これから明らかになっていくことに期待したい。

ヘッドフォン部
ケーブル接続部
ヘッドフォンのイヤーパッド部分

 70周年イベントのライブには久保省三社長の友人であるジュディ・オングさんが「魅せられて」を、つのだ☆ひろさんが「メリー・ジェーン」を披露するなど、豪華なステージが繰り広げられた。CHEMISTRYの川畑要さんも登場。玉置浩二(安全地帯)のカバー「悲しみにさよなら」などをアコースティックで歌い上げた。

 ダニエル・ゼンハイザーCEOは、1945年から70年間、同氏の祖父であるフリッツ・ゼンハイザー博士らが7人の研究者の仲間と小さな小屋からスタートして、電圧計を作ったのが始まりという同社の歴史を振り返り、マイクやヘッドフォンで「パーフェクトサウンド」を追い求めてきたことを説明。

ダニエル・ゼンハイザー氏が新コンデンサ型ヘッドフォンを披露した

 日本法人であるゼンハイザージャパンが'07年に設立したことは「市場への明確なコミットメント」と位置づけ、久保省三社長をはじめとするスタッフに対し、これまでの成功に感謝を述べたほか、日本の多くのユーザーや関係者に対し、「常に最高を求める皆さんの要求が、私たちを前へと動かした。皆さんのオーディオへの情熱、ゼンハイザーへの信頼に感謝する。私たちはまだ完璧ではない。だからこそ、皆さんの期待に応え、皆さんのパーフェクトサウンドへの追求をサポートするために、日々精進する」と語った。

(中林暁)