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8Kテレビ実用化へ。ソシオネクストが世界初1チップ8K HEVCデコーダ

 ソシオネクストは、日本放送協会(NHK)との共同研究により、8K HEVC映像のデコードを1チップで処理可能なLSI「SCH801A」を開発し、サンプル品によるデコード動作を確認した。製品出荷は11月を予定しており、テレビメーカーはデコーダをデジタルテレビ用SoCと組み合わせることで、8Kテレビを短期間で開発できるという。

SCH801A

 フルHDの16倍にあたる3,300万画素の高精細映像を扱う8Kでは、デコードにも膨大な処理が必要となる。そのため、これまでの8K映像のデコード処理では、複数の高性能プロセッサによる並列処理が必要となっていた。SCH801Aは、8K/60p映像をワンチップでデコード可能な世界初の製品となる。

 日本国内では、衛星放送による8K試験放送が2016年に開始予定、さらに2018年には実用放送が予定されている。SCH801Aは、8K放送で用いられる8K/60p映像をワンチップで実現可能とするもので、低消費電力かつ高速で安定したデコード処理により、8K放送の本格普及を後押しするという。

 8K/60pのデコードに対応し、外部インターフェイスには、PCI Express Gen2を1レーン、HDMI 2.0-Txを4チャンネル搭載する。4月18日から21日まで米国ラスベガスで開催される放送機器展「NAB SHOW」でも、SCH801Aを用いた8K映像デコード動作を展示する予定。

(臼田勤哉)