ミニレビュー

日本バスケが五輪へ大きな一歩。明暗分けた一戦を「バスケットLIVE」で観る

 2020年の東京オリンピック出場に向けて、男子バスケットボール日本代表が大きな勝利を手にした。世界ランキングでアジア1位(世界10位/7月時点)のオーストラリアに対し、8位(世界49位/同)の日本が1点差で勝利。日本男子バスケットボールにとって歴史が変わったといえる6月29日の一戦は、同日より始まったソフトバンクの新たな映像配信サービス「バスケットLIVE」でも伝えられた。

スポナビライブ終了後に始まった、バスケの新たな配信

 バスケットLIVEは、ソフトバンクとヤフーによるサービスで、男子プロバスケットボールリーグB.LEAGUEなど、国内バスケットボールのライブ中継を中心に、スマートフォン/タブレット向けにストリーミング配信。Yahoo!プレミアム会員(月額462円)向けのサービスで、プレミアム会員であれば追加料金は不要。専用Webサイトで視聴できる。対応OSは、iOS 9.0以上と、Android 5.0以上。

 バスケットボールの映像配信は、ソフトバンクの「スポナビライブ」がB.LEAGUE開幕当初から積極的に行なっていたが、同サービスが今年5月で終了。B.LEAGUEの試合は新たにDAZNでも視聴できるようになったが、これとは別にソフトバンクが引き続きB.LEAGUEなどの試合を配信するのがバスケットLIVEだ。なお、B.LEAGUE B1(1部)リーグ戦やB2(2部)リーグ戦のほか、高校生の戦いが熱いウインターカップなどの国内主要試合も配信される。

バスケットLIVEの画面

 改めて男子バスケットボール日本代表の現状を説明すると、世界で12チームしか出場できない東京五輪で、出場がかなり厳しいのは、前述のランキングから見ても明らか。出場条件の詳細は日本バスケットボール協会(JBA)のサイトに掲載されているが、現在は2019年のワールドカップへの出場をかけて、アジア予選が行なわれている。千葉・ポートアリーナで行なわれた上記のオーストラリア戦は現地で観戦していたが、その前の対戦で24点差で負けた相手に対し、試合前にどれだけの日本人が本気で勝利を予想していただろうか。

 オーストラリア戦を前に、残り2試合で0勝4敗と崖っぷちに立たされていた日本代表は、試合直前に、B.LEAGUE初代得点王/MVPのニック・ファジーカス選手と、米ゴンザガ大で活躍中の八村塁選手という強力な2人を新たに招集。オーストラリアはこの試合に負けても1次予選通過が決まっていたが、米NBAで現役で活躍する選手を擁する同チームは、日本が普通に戦って勝てる相手ではなかっただろう。

 それでも、この試合はコートに立つどの日本選手も引くことなく果敢にゴールへ攻め込み、リバウンドやルーズボールに食らいつき、人任せにすることなく全員で自陣ゴールを守った。勝利のポイントはいくつもあったが、とにかく勝ったことが重要だった。

 そして、W杯出場への最後の望みとなる7月2日のチャイニーズ・タイペイ戦。前回対戦では最後の最後で勝負強さの差が出てしまい、1点差で敗戦。二次予選に向けて勝利が必須となる7月2日の試合はチャイニーズ・タイペイのホームで行なわれ、現地へは行けなかったため、日本で「バスケットLIVE」を使って観戦した。

月額462円で必要十分の映像

 アプリではなくWebブラウザ上で観るのは、最近のサービスとしては珍しい。PCやテレビは非対応だが、スマホアプリを含め、順次対応予定だという。PCは9月末までに対応予定としている。

 他サービスと比べてバスケットLIVEの大きな利点は月額462円という手ごろな料金。B.LEAGUEも配信するDAZN(月額1,750円/ドコモユーザーは月額980円)は、Jリーグなど多くのスポーツが観られるので単純な比較はできないが、バスケだけ観られればいい人にはバスケットLIVEは利用しやすい。

 Yahoo!プレミアム会員にログイン後、専用サイトへアクセスすると、配信/配信予定の試合が表示されており、そこから選んで視聴。ライブ配信のほか、終了後の見逃し視聴(1カ月間)もできる。

 画質は「低画質/標準画質/高画質」の3つから選択。iPhone Xで観た場合、低画質を選ぶとユニフォームの背番号も判別できないシーンもあったので、外出先などでどうしても通信が悪い場合は別として、標準画質か高画質での視聴を勧めたい。

画質は3種類

 「高画質」で視聴した場合、かつてのスポナビライブほどの高画質ではないように感じたが、各選手の表情や、シュートを打つ指先までしっかり判別できる。観客席も、高画質だと人の顔や応援ボードの文字もしっかり分かり、どれだけ盛り上がっているか伝わりやすい。再生中は15秒送り/戻しボタンも利用できる。

再生時の操作画面

Apple TVやFire TVでテレビ視聴も

 テレビには今後対応予定とのことだったが、iPhone Xから手持ちのApple TV(2012年発売の第3世代)へAirPlay接続を試してみたところ、問題なく映像も音声も伝送でき、HDMI出力したテレビで楽しめた。46型フルHD液晶テレビで観た場合、BSなどの放送に比べるとさすがに画質は低いが、スマホやタブレット画面に比べて大きな画面で観られるのは満足度が高い。なお、Apple TVで再生中も、手元のスマホで15秒送り/戻しや再生位置の調整ができた。

Apple TVでAirPlayで楽しめた

 さらに、AmazonのFire TV/Fire TV StickのFire FOXブラウザであるSilk Browserにも対応した。Fire TV Stickで使ってみると、音声選択ができないことや、リモコンの早送り/戻しで再生位置を調整しにくいなど、Apple TV利用時に比べると違いはあったが、視聴自体は問題なく行なえた。2018年内にはFire TV/Fire TV Stickアプリも提供予定とのことなので、アプリ版では機能や操作性の向上に期待したい。

Fire TV Stickでもブラウザで再生可能

 音声は、日本語の実況と解説付き。再生画面に「オーディオと字幕」というメニューがあり、字幕は今回の試合では無かったようだが、音声は日本語のほか英語も選択できた。試合の細かい状況などをしっかり把握するために日本語対応は必要だが、あえて情報を入れすぎず、現地の音や簡単な状況だけが分かる英語音声の方が、試合そのものを楽しめる場合もあるので、音声が選べるのは個人的にはとても重要だと思う。

音声が選べるのはうれしい

 配信されている映像を観ていると、時々ワールドカップのFIBA公式アプリを紹介するCMが流れた。試しにスマホへアプリをインストールすると、試合結果や個人成績などのほか、ハイライト動画なども用意されていた。フルで観られる試合もあるようだが、全試合が対象ではないようだ。

FIBA公式アプリ。日本語化され、ハイライト動画もあるが、試合のフル配信は一部のようだ

B.LEAGUEや今後の配信試合拡大に期待

 バスケットLIVEは、ライブ/見逃し配信が中心で、執筆時点ではハイライトなどの編集された動画は用意されていなかったが、今後は特集やインタビュー映像などの配信も予定しているとのこと。サイトからジャンプできる、YouTubeでの公式チャンネルには、ハイライトシーンもまとめられているので、まずはその映像を観てみるのもいいだろう。

 5月で終了してしまったスポナビライブは、画質やサービス内容は満足度が高かったが、値下げした後でも月額1,480円という料金(ソフトバンク/Yahoo! プレミアムユーザーは月額980円)が、多くの人にとってハードルになっていたかもしれない。バスケットLIVEの月額462円という料金は、バスケだけに限定されたものの、かなり手ごろになった。

 チャイニーズ・タイペイ戦の勝敗は既に多く報じられているが、現在の日本代表の実力を確かめるために、ハイライトではなくフルで視聴することを強くお勧めしたい。

 次の日本代表戦は9月で少し間が空いているが、それまでに強化試合などもあったら、ぜひバスケットLIVEでも配信してほしい。できれば会場へ足を運びたいが、アウェーの試合では難しく、時差もあるため配信サービスが頼りになる。

 今後は、国内プロバスケのB.LEAGUEが始まってからが、本格的なサービス開始といえるだろう。2018-19シーズンは10月4日の「千葉ジェッツ」×「川崎ブレイブサンダース」から始まる。また、年末に恒例の高校3年生最後の大会・ウィンターカップも同サービスで配信予定としている。平日など会場へ行けない時にも活用できそうだ。

 米国では、NCAAなど大学生の試合はプロに負けず盛り上がるが、日本の大学生も、東京五輪に向けて期待の選手が今後も出てくるはず。もし大学のリーグ戦やトーナメントなども配信されるようになれば、未来の日本代表選手を早いうちからチェックでき、選手にとっても励みになるだろう。さらに欲を言えば、15歳で既に大物ぶりを発揮し、米国留学を決めた田中力選手や、前述した八村塁選手のゴンザガ大学での活躍も、日本から観られるようになったら最高だ。今後の配信試合の拡大を楽しみにしている。