レビュー

もはや“音楽再生機”、ヤマハ サウンドバー「YAS-209」の新世代っぷりを聴く

ショボいテレビの音を、格段にグレードアップしてくれるのがサウンドバー……というのは“少し前の常識”。実は今、サウンドバーは大きな変革の時を迎えている。映画やテレビ番組、ゲームを迫力のサウンドで再生するモノ、という“テレビの周辺機器”という枠を超え、“家の中で音楽を楽しむ時の最も身近な製品”へと進化しつつあるのだ。

「YAS-209」のサウンドバー部分

いったいどういう事なのか。“新時代のサウンドバー”を体現している、ヤマハの人気モデル「YAS-209」に迫りながら、その新しい使い方と魅力を体験する。結論から言うと、「最近あまりテレビ見てないから」とか「Bluetoothスピーカーならもう持ってるから」という人でも、きっと「なにこれスゲェじゃん」と思うはずだ。

DTS Virtual:Xとサラウンドモードに注目

まず「YAS-209」の基本的なスペックをおさらいしよう。8月から発売されていて、価格はオープンプライス。実売は登場当初は4万円前後だが、現在は3万円台で販売している店舗もある。

「YAS-209」

ワイヤレスのサブウーファーとテレビの前に置くサウンドバーがセットになった製品だ。サブウーファーが付属しない製品では、もっと低価格なモデルもあるが、サウンドバーだけでは迫力のある低音再生は難しい。どうせ買うなら映画やゲームを迫力のサウンドで楽しみたいという人は、YAS-209のようなサブウーファーセットのタイプがオススメだ。

サウンドバーにはフロントL/R用として、4.6cm径×4基、ツイーター用で2.5cm径×2基のユニットを搭載。サブウーファーには16cm径ウーファーを搭載している。最大出力はサウンドバーが50W×2、サブウーファーは100Wとパワフルだ。

入力端子として、HDMIと光デジタルを装備。ARCにも対応しているので、テレビとHDMIケーブル1本で接続可能だ。デコーダとしては、5.1chまでのリニアPCM、ドルビーデジタル、ドルビープロロジックII、DTS、5.1chまでのMPEG-2 AACに対応している。

前モデル「YAS-207」から引き続き、「DTS Virtual:X」に対応する。これは、サウンドバーのように、天井に個別のスピーカー設置しなくても、高さ方向を含めたサラウンドを仮想的に再現できるという技術だ。つまり、前方、左右、後方という、通常のサラウンドの広がりに加え、“高さ方向”の音場もバーチャルで再現できる。

これとは別に、サラウンドモードもムービー/テレビ/ミュージック/スポーツ/ゲームから選択できる。これは、ソースに最適なサラウンドとして用意されているものだ。この音場プログラムと、DTS Virtual:Xとの“重ねがけ”も可能だ。

Bluetooth、ネットワーク再生、そしてAlexaにも対応

YAS-209最大の特徴は、ネットワーク音楽再生機能を搭載し、SpotifyやAmazon Musicなどの音楽配信サービスが使える事だ(Amazon Music HDには非対応)。さらに、Bluetooth受信もできる。スマホなどから、手軽に音楽を伝送・再生できるわけだ。

NASなどに保存した音楽ファイルの再生も可能だ。フォーマットはMP3/WMA/AAC/Apple Lossless/WAV/FLACで、WAV/FLACは192kHz、Apple Losslessは96kHzまで対応する(ハイレゾは48kHzへのダウンサンプリング再生)。

これはつまり、サウンドバーをネットワークオーディオ機器として使えるという事。「テレビのサウンドを強化する製品」であると同時に、テレビと関係なく、音楽を聴くための製品としても使えるというわけだ。

もう1つのポイントは、AmazonのAlexaに対応した事。サウンドバーがスマートスピーカーとして使えるようになったわけで、リモコンを使わず、声で音楽再生などを指示できるほか、ボリューム操作、入力切替なども音声でできるようになった。

ニュースや天気予報などを聞く事も可能。テレビも音楽も関係なく、「朝、家を出る支度をしながらニュースと天気予報を声で聞く」といった、使い方が可能になる。これは、毎日のサウンドバーの利用頻度アップにつながる新機能といえるだろう。

ユニットや筺体だけでなく、DTS Virtual:X自体にも手を入れる

ここまでの説明では、前モデルのYAS-207に、ネットワーク再生機能とAlexa対応を追加しただけに見える。しかし、開発統括部 SC開発部 ソフトグループの片山真樹主事によれば、スピーカーユニットや内部構造、さらにDTS Virtual:Xを使った際のサラウンド効果も含め、中身はほぼ一新されているそうだ。

開発統括部 SC開発部 ソフトグループの片山真樹主事

「ヤマハでは音の基準として“True Sound”を掲げ、後加工した効果を前面に押し出すのではなく、コンテンツ自身が持つ“素材”をいかに活かすかにこだわっています。それを基に、YAS-209も開発しています。しかし、それだけでは様々なコンテンツ全てに対応するのは難しい。そこで、サラウンドモードも搭載しました。ここには、AVレシーバーの開発で培った個別最適化技術が活かされています」。

「ユニットは、よりクリアな音にするためにゼロから作り直しています。筐体は、サウンドバーとサブウーファーのどちらも、剛性を上げて、箱鳴りが少なくなるようにしました。サウンドバーの筐体にはハニカム構造を採用しています。これにより、全体として雑味が無く、スピーカーとしての再生能力がアップしました。サブウーファーの低域も、レスポンスが良く、シャープになりました。量感がありながら、膨らまず、締りのある低音です。容積も増加し、YAS-207は40Hzまででしたが、YAS-209では34Hzまで出るようになっています」(片山氏)。

サウンドバーというと、平たい棒状で、バーチャルサラウンド機能も入っているので、どうしても「特殊なスピーカー」というイメージがある。だが、箱に入ったユニットが鳴るスピーカーである事に変わりはない。だからこそ、ユニットやエンクロージャーの作りが音質のベーシックな部分に大きく影響する。YAS-209はその基礎的な部分がさらに進化したわけだ。

この進化は、DTS Virtual:Xを使ったバーチャルサラウンド再生でも同様だ。

「YAS-207の時は、DTS Virtual:Xを初めて搭載したので、“その効果をより体感していただく事”を重視して開発しました。今回のYAS-209では、そこから良い意味で一歩引いて全体を俯瞰し、どのようにすればより自然にサラウンドを体験していただけるかを念頭に開発しました」(片山氏)。

これは決して「DTS Virtual:Xのバーチャルサラウンド効果が減った」という意味ではない。片山氏は、人間がサラウンドサウンドによって“自然な”臨場感を感じるためには、サラウンドによって過去の実体験を脳内で思い出し、それを加味した上でサラウンドを聴く事が大切だという。「バーチャルサラウンドを過剰に効かせるのではなく、それによって過去の生活体験を呼び起こし、補完していただけるように適度にアシストする事で、自然に、そこに行ったように感じていただけます。“ここまでアシストすれば、過剰感無く、自然に感じていただける”というアシスト量がポイントです」(片山氏)。言い換えれば、DTS Virtual:Xがより自然に聴こえるように、使いこなしが進化したわけだ。

DTS Virtual:Xのイメージ

そしてDTS Virtual:X技術自体も、前モデルとは異なる。片山氏によれば、DTSの協力を得て、DTS Virtual:Xのアルゴリズム自体にも手を入れたという。「前モデルでは、DTS Virtual:Xに対して“映画はいいんだけど、音楽はちょっと……”という評価もありました。そこで、『ミュージック』モード用のDTS Virtual:Xを、DTSのエンジニアさんと私が一緒に、共通プラットフォームのツールを使ってやりとりをしながら、新しいアルゴリズムを一緒に考えて作りました」。

「DTS Virtual:Xを使って音場を広げながらも、ボーカルなどの音の“芯”が無くならないように対策しています。それでいて、ヒステリーな音にならないように注意しました」。音場が広くなっても、1つ1つの音や音像までボワッと膨らみ、フォーカスが甘くなってしまったら、音楽もにじんでしまう。そうならないように、“YAS-209用に特別にカスタマイズしたDTS Virtual:Xが入っている”というわけだ。

「というわけだ」と簡単に言ったが、これができる事自体も実はスゴイ。AVアンプの「シネマDSP」でお馴染みだが、ヤマハはデジタル信号処理によって音場を創生する世界初の機器(DSP-1)を1986年に発売、最近ではAIが音場を最適にしてくれる「SURROUND:AI」を開発するなど、“音場の処理”の技術では世界トップレベルのメーカー。だからこそ、アルゴリズムへ手を加える事もできたわけだ。

サブウーファー部分

一方で片山氏は、通常のスピーカーではなく“サウンドバー”ならではの開発の苦労もあると語る。特にサウンドバーとサブウーファーが別筐体のモデルの場合は、それぞれのスピーカーから、どの帯域を、どのくらい再生するかという“バランス”が難しい。

「サウンドバーはユニットの口径が小さいので、豊かな音が出しやすいのはサブウーファーの方です。ですので、音のことだけを考えて、再生する音のかなりの部分をウーファー側に割り当てていくと、音は豊かになるのですが、例えば男性アナウンサーの声が中央のサウンドバーではなく、横に置いたサブウーファー側から聴こえるようになってしまいます」。

「今回のモデルは、そうした事が起きないように、豊かな音を出しながら、男性アナウンサーの声もちゃんと正面から聴こえるようにと、何度もチェックしながら作り上げました。サウンドバーはめいっぱいのところまで音を出していて、サブウーファーが下からサポートするようなカタチです。そのサポートをやりすぎると、男性の声がサブウーファーから聴こえてしまう。ボーカルの無い音を聴くだけでしたら、それでも良いかもしれません。しかし、テレビ用のスピーカーとしては、テレビから語りかけてくれなければダメなのです。エンジニアはどうしても、そのユニット、エンクロージャーを使って、最高のパフォーマンスを出そうとする。Hi-Fiではそれでいいのですが、テレビスピーカーでは違和感に繋がる事もあります。それがサウンドバー開発で難しいポイントですね」(片山氏)。

反面、サウンドバーならではの利点もある。それは、アンプとサラウンド機能、スピーカー、そのすべてがセットになっている事。AVアンプの場合は、どんなスピーカーが接続されるかわらからない。それゆえ、様々なスピーカーを接続しても、破綻しないサウンドにしなければならない。

だが、サウンドバーであれば、最終的にどんな音が出るかまで開発者が制御できる。「私はAVアンプのチューニングにも携わって来ましたが、スピーカーも含めて開発できるサウンドバーは、“攻めた作り”にしやすいという利点がありますね」(片山氏)。

細かい進化だが、サウンドバーとサブウーファーのワイヤレス接続部分も見逃せない。接続には汎用のものではなく、専用のソリューションで接続するようにしたという。これにより、接続安定性がさらに向上。ジッターが低減でき、音質面でもクオリティアップを実現したそうだ。

サブウーファーはワイヤレス。専用のソリューションで接続するようにしたという。これにより、接続安定性がさらに向上。ジッターを低減した

音場の広がりがアップ、そこに定位する音像もよりリアルに

では実際の音をチェックしよう。

まずはバーチャルサラウンドを使わず、2chの音楽で、スピーカーとしての“素の音”を聴いてみる。前述のように、新しいユニットにより、音の明瞭さが確実にレベルアップしたのがわかる。高域だけでなく、せり出してくる中低域もシャープで気持ちがいい。低い音はしっかりと沈み込むが、それがボワッと肥大化せず、締める部分はピシッと締めている。キレの良さが感じられるサウンドバーというのは非常に貴重だ。特にバーチャルサラウンド機能を使っていないのに、音場は上下左右に広がり、楽器などの音像もサウンドバー付近にまとわりつかず、テレビ画面の中央や上の方に定位する。ステレオも、キチンと再生すると、広がりのあるサウンドが体感できるというのが改めて実感できる。これなら音楽再生でも使いたいと思える音だ。

次に、映画「プロメテウス」から、宇宙船の操縦室でホログラム映像が登場するシーンをDTS Virtual:Xにムービーモードを適用して再生してみる。

音が出た瞬間に、前モデル「YAS-207」よりも音場が広がり、定位感もアップしたのがわかる。YAS-207は、左右に音が広がるだけでなく、上下方向にも音が広がって驚かされたが、YAS-209では上下左右だけでなく、右上、左上といった、斜め方向にも音が広がる。音像の定位もより明瞭に感じられる。これにより、“音に包み込まれている感”がより強く感じられるようになった。

さらに、広がった音場に定位するホログラムの「ビィイイン!!」というような効果音が驚くほどシャープだ。聴いていると「音像がここにある」と指をさせるほど明瞭に位置がわかる。音の広がり、包み込まれ感がアップしたにも関わらず、その中に展開する音像が肥大化したり、にじんだりしていないのがスゴイ。広さとシャープさを兼ね備えたサウンドだ。

ラグビーの中継をスポーツモード×DTS Virtual:Xで聴くのも面白い。「ワーッ」という歓声が左右に広がるのだが、それだけでなく、歓声の奥に、太鼓の「ドンドン」という響きや、歓声がスタジアムの壁に反響し、エコーのように残った残響音まで聞き取れ、スタジアムの巨大さが音だけで感じられる。聞いていると「あー、スタジアムってこういう感じだよね」と、過去の記憶が呼び覚まされる。

スポーツモードで優秀なのは、これだけ音の広さ、深さがしっかり再現されているのに、アナウンサーの実況や解説の声が、中央でしっかりと明瞭に再生される点だ。声が歓声に埋もれてしまったり、声の輪郭がボワッと膨らんだりしていない。そのため、1つ1つの言葉がクリアに聞き取れ、ストレスが少ない。もちろん、男性の声がサウンドバー方向から聞こえる事もない。ちゃんとテレビの方向から聞こえる。

ミュージックモードで、渡辺貞夫のジャズライブを聴くと、ライブハウスの空間がフワッと前方に広がると同時に、サックスやピアノ、ベースの生々しいダイレクトサウンドがキチンと聴こえる。広さとフォーカスの両立ができていないと、こういう音にはならない。ライブのBlu-rayも楽しめるサウンドバーと言えるだろう。

ちなみに、試聴しながら、サウンドバーをOFFにしてテレビ内蔵スピーカーの音に切り替えてみると、ショッキングなほど音が貧相になる。低音も高音も伸びないだけでなく、音も広がらず、特に奥行きがまったく無くなってしまう。低音が心地良かったNHK男性アナウンサーの声が、中低域が無くなった事でスカスカになり、音像も厚みが無くなり、カキワリのような声になってしまう。サウンドバーの音を一度聴いたら、もう元には戻れない。

Alexa対応でサウンドバーはどう進化するのか

音質以外の進化で大きいのは、前述のようにネットワーク再生とAmazon Alexaへの対応だ。AV流通営業部 マーケティング課の手塚忍主事は、「市場のトレンドから考えて、YAS-209でAlexaに対応させる事が、家庭で使うサウンドバーにとって非常に重要だと企画の段階から考えていました。テレビを見ていても、知りたいニュースや天気をすぐに放送してくれるとは限りませんが、Alexaであればすぐに教えてくれます」と語る。

AV流通営業部 マーケティング課の手塚忍主事

手塚氏は、通常のスマートスピーカーの場合、「“どこに置かれるかわからない”というのが、設計する上で難しいポイントだ」という。「スマートスピーカーの使用用途として、音楽を聴いている方の割合が大きいというデータもあります。サウンドバーであれば、設置場所は想定しやすく、ネットワーク再生で音楽を楽しむ場合には、音質面でも優れています。ネットワーク再生とAlexa対応で、サウンドバーの稼働時間は確実にのびると思います」。

ちなみに、「アレクサ」と呼びかけてくるユーザーの声を認識するために、製品にはマイクが搭載されている。快適な使用のためには、マイクの集音機能や、声の認識精度が高くなければならない。それゆえ、ユーザーの声がかき消えてしまうテレビの近く置かれるのが、苦手な製品も多い。

YAS-209もテレビの近くに置く製品なので同じ悩みを持つ。片山氏も「苦労しました」と苦笑いする。「Alexaに対応する場合は、特定の条件下でも音声が認識できるという認証の試験をクリアする必要があるのですが、YAS-209はその認証よりも遥かに高いレベルの精度を我々が社内で設定し、それをもクリアしています。YAS-209は音場モードも搭載していますので、各モードでテストしたりと、大変でした。サウンドバーの真正面からは認識しやすいのですが、左右にズレたところから声をかけても反応できるようにするのに苦労しました」。

「その甲斐あって、通常の音量レベルでコンテンツを再生している最中でも、呼びかけに反応してくれます。実はサウンドバーならではの解決策がありまして、音を出しているのがサウンドバー自身ですので、自分が出している音を、キャンセル用の情報として活用しながら呼びかけの声を認識しています」(片山氏)。

YAS-209の上部。よく見るとヤマハロゴの両脇に、小さな2つの穴がある。これがマイクだ

スマートスピーカー機能を備えた事で、室内に溶け込み、普段の生活をサポートする存在になるサウンドバー。デザイン面も、それにマッチする必要がある。

YAS-209では、「スリーク」(なめらか)という言葉をデザインコンセプトに、ファブリック素材を活用。部屋に溶け込みやすくしているほか、サブウーファーもボトムに向かって、筺体が締まって見えるようなデザインを採用。容積はYAS-207の18.9Lから、YAS-209は22.0Lに増えているが、それを感じさせないように工夫したという。

ファブリック素材も活用している
より細身に見えるサブウーファー
設置イメージ。より部屋に溶け込みやすいデザインになった

使い勝手も改善。スマートフォン/タブレット向けに、新アプリ「Sound Bar Controller」を開発した。前述のように、ネットワーク経由のストリーミング再生が可能になったが、その操作機能を内包しながら、サウンドバーらしく、よりシンプルに、操作しやすいユーザーインターフェイスになったという。

新アプリ「Sound Bar Controller」
リモコンのデザインもシンプルだ

新しい時代のサウンドバー

YAS-209には、大きく分けて3つの進化点がある。1つは、映画やテレビ番組を、より広い音場で、クリアなサウンドで再生できるサウンドバーとしての進化。

もう1つは、基礎的なスピーカーとしての再生能力に磨きをかける事で、ネットワーク経由で音楽を聴きたくなる、オーディオスピーカーとしての進化。

最後は、Alexa対応による音声操作の対応と、新アプリ登場といった、使いやすさの進化だ。

手塚氏は、Alexa対応がサウンドバーの新たなユーザー層開拓に寄与すると見ている。「私は最初、スマートスピーカーに呼びかけるのが気恥ずかしかったのですが、2人の娘はすぐに慣れて積極的に使うようになり、今では妻も私も日々活用しています。社内で聞いても、20代の若い社員は自宅で使っている人が多い。サウンドバーがAlexaに対応すると、今までサウンドバーに抵抗があった人にも興味を持っていただくキッカケになればと。今までミニコンポで聴いていた音楽を、サウンドバーで楽しむ、そういう図式が作れればいいなと思っています」。

片山氏は、「新たな発見をしてもらうためにYAS-209を作った」と語る。「従来のサウンドバーよりも、音楽を聴く機会が確実に増えるため、2ch音楽の再生にもこだわりました。Hi-Fi機器を担当しているエンジニアが開発を担当したのも、それが理由です。自宅でも、イヤフォン/ヘッドフォンで聴く人は多いですが、YAS-209で聴いていただければ、遥かに聴こえ方が違うのがすぐにわかっていただけると思います」。

そして、馴染みのある曲をYAS-209で聴いて、新たな発見をしていただく。こんな音があったんだと、感じていただく。純粋な音楽はステレオモードで聴いていただきたい。そして、それ以外のコンテンツでは、それぞれに最適化されたサウンドモードを使っていただき、あたかもそこに行った時のような、空気感を感じていただける。それが新しい時代のサウンドバー、YAS-209の付加価値だと考えています」。

 (協力:ヤマハ)

山崎健太郎