【レビュー】乾電池でも動く、12型地デジテレビを試す
-「ピクセラ PRD-LK112」。手頃な小型テレビ
PRODIA PRD-LK112 |
ピクセラの液晶テレビ「PRODIA PRD-LK112」は、地上デジタル放送に加えてワンセグ放送にも対応し、バッテリや乾電池で動作することで屋外などでも利用できる点が特徴だ。実売は2万円台前半。
液晶は解像度が1,366×768ピクセルの12型で、A4サイズのノートPC程度の大きさ。テレビとして考えるとかなり小型だが、デスクなどに置いて個人観賞用として楽しむには十分だ。
本体には電源のほかに、ワンセグ用の外付けアンテナとリモコンが付属。基本的に操作はリモコンで行なうが、本体右側面にも電源や入力切替、チャンネル、音量などのボタンが配されているほか、「ホーム」ボタンを押すとチャンネルと音量が上下左右、「入力切替」が決定の役割を果たすため、リモコンがなくても一通りの操作は可能だ。左側面にはmini B-CASスロットとコンポジット入力を備えており、テレビだけでなく外部の映像を表示することも可能。なお、HDMIは搭載しない。
正面 | 左側面 | 右側面 |
製品内容 | 後45度にチルト | 前15度にチルト |
背面にはアンテナ入力端子のほか、ニッケル水素バッテリを内蔵。バッテリのみで公称2時間の駆動が可能になっている。バッテリの代わりに乾電池で駆動することも可能で、乾電池駆動の際は公称でアルカリ電池で約1時間、充電式電池で約2時間の視聴が可能という。
バッテリ | 背面にはアンテナ入力端子とバッテリボックスを備える | 乾電池で駆動することも可能 |
■ バッテリ内蔵+ワンセグアンテナで家の外でも利用可能
リモコン |
テレビの視聴には背面のアンテナ入力端子を使用。外付けアンテナでワンセグを視聴するか、宅内のアンテナを接続して地上デジタルを視聴できる。筆者の自宅はもともと電波が非常に弱いということもあり、外付けアンテナでのワンセグ視聴はほとんど圏外状態。この点は環境次第のため、ワンセグで利用したい場合はワンセグ機能を搭載した携帯電話やスマートフォンなどを使ってあらかじめ電波感度を確かめるといいだろう。
宅内アンテナの接続時は地上デジタルとワンセグどちらも視聴が可能で、メニューから切替えが可能。しかし画面サイズが12型/1,366×768ピクセルということもあり、QVGAのワンセグを表示すると画質の荒さが目立ってしまう。地デジ(12セグ)が受信できる環境で、ワンセグを見るという状況は殆ど無いと思われるので、ワンセグは屋外などでテレビを見たい時にバッテリ駆動で利用するもの、と考えたほうがいい。
テレビの視聴には外付けアンテナが必須 | 放送波をワンセグと地上デジタルで切り替えられる |
EPG |
テレビの機能はEPGによる番組の選択や画質の調整、オンタイマーやオフタイマー、音声切替えや字幕といった一般的な機能がほぼ揃っており、「卓上テレビ」としての機能は十分。液晶も鮮やかで認識しやすく、地上デジタルであれば通常のテレビ感覚で数m離れても視聴可能。ボリュームも最大50まで上げることができ、6~8畳程度の広さであれば音が届くレベル。小型ながらもテレビとしては十分なスペックだ。
ホームボタンを押すと設定が表示される | 画質や音質なども細かく設定可能 | 同時間帯の番組のみを表示する裏番組表機 |
指定した時間にバッテリを使用する「バッテリ使用時間帯」設定 |
また、バッテリ内蔵という特徴を活かし、指定した時間に電源ではなく内蔵バッテリを利用する「バッテリ使用時間帯」という機能が用意されている。
これはいわゆる電力の「ピークシフト」用だ。夏場などで電力需要が高い時間帯にバッテリを利用して節電対策にする、深夜など電気代の安価な時間帯にバッテリを充電しておき、日中など電気代の高い時間はバッテリを利用するといったことが可能だ。電源アダプタを接続中は、電源アダプタ経由で利用するか内蔵バッテリを利用するかも選択できるため、2時間以内であればバッテリ利用をメインにし、普段は充電しておいて電気の利用を抑えるという使い方もできる。
内蔵バッテリでの利用時間は公称2時間とのことで、フル充電状態から利用したところ2時間10分程度までテレビを視聴できた。ドラマやバラエティ番組など1時間番組なら十分な時間で、2時間枠の特別番組や映画なども視聴できそうだ。
便利な機能としては「静止」機能を搭載し、放送中の番組を任意の箇所で止められる。電話番号や料理のレシピをメモするといった場合に便利な機能だが、番組は「静止」であって録画できているわけではなく、解除するとまた番組に戻る。
■ ワンセグの使い道は限定的。シンプルで必要十分なテレビ
乾電池や内蔵バッテリで駆動するという機能は非常にユニークではあるが、電源アダプタを使わずバッテリで利用するシーンでは当然ながら宅内アンテナの利用も難しく、必然的に外付けアンテナでのワンセグ利用になってしまう。ディスプレイサイズからするとワンセグの視聴は「とりあえずテレビが見られればいい」レベルになってしまうことと、ワンセグの受信感度に大きく左右されることを考えると、緊急時の利用などかなり限定的な使い方になりそうだ。
また、普段は宅内で利用しているが、屋外で視聴したい時、または緊急時に持ちだそうとした時には、本体にアンテナを内蔵していないため、必ず外付けアンテナを用意してセットで持ち歩く必要がある。緊急時の用途を考えるのであればアンテナは内蔵して欲しかったと感じた。
一方、宅内での利用であれば、片手で持てる程度の重量で取り回しやすい本体は、デスクに置いておく小型テレビとしては非常に使いやすい。画面も鮮やかで見やすく、ボリュームも1人暮らしであれば部屋中のどこにいても十分に聞こえるレベル。価格も2万円前半と手頃ながらテレビとしての機能は十分揃っており、自分の部屋用や寝室用など2台目のテレビとして購入するか、1人暮らし用のテレビとしても重宝しそうだ。本体デザインがブラックのほかにホワイトやレッドをラインナップしており、インテリアとの調和を重視する人にも小型ながら一通りの機能を備えたPRODIAは魅力的な存在かもしれない。
Amazonで購入 | ||
PRD-LK112BK (黒) | PRD-LK112RE (赤) | PRD-LK112WH (白) |
(2012年 3月 19日)
[ Reported by 甲斐祐樹 ]