レビュー
スマホでDVD視聴とCD取込みが超カンタン! 「DVDミレル」
1台3役の“マルチ”DVDドライブ。CDレコもDVD対応
(2015/10/20 10:00)
CDドライブから直接スマホに音楽をリッピングできるという特徴を提げ登場、CDドライブを「PC周辺機器」ではなく「スマホ周辺機器」に変え、ヒットモデルとなったアイ・オー・データ機器の「CDレコ」。その上位機種とも言える「DVDミレル(DVRP-W8AI)」が8月末に発売された。
PCを使うことなく、スマートフォンやタブレットから直接利用できるというCDレコの特徴を継承しながら、DVDミレルの名前の通り、DVDをスマホ/タブレットで見れるようにした点が最大の特徴だ。しかもこの「DVDミレル」の発売に伴って、既存の「CDレコ」ユーザーにとってもうれしいアップデートがある。
最初に種明かしをしてしまえば、CDレコの上位機「CDレコWi-Fi」も“DVDミレル化”できるのだが、そもそも「DVDミレル」とはどんな製品なのか紹介したい。なお、価格はオープンプライスで、直販サイトのアイオープラザ価格は13,824円(税込)。
1台でDVD視聴と音楽CD取り込み。CDレコもDVD再生対応へ
まず「CDレコ」について改めてかいつまんで説明すると、ラインアップとしては「CDレコ(CDRI-S24A)」と「CDレコ Wi-Fi(CDRI-W24AI)」の2種類のモデルがあり、前者はAndroid端末と直接USB接続して音楽CDの音源をFLAC/AACなどのファイル形式で取り込めるもの、後者はAndroid/iOS端末とWi-Fiで接続し(Android端末はUSB接続もOK)、同じように音楽CDを取り込めるものだ。
このCDレコシリーズの上位バージョンと言えるのが、今回新たに登場した「DVDミレル」。DVDビデオをAndroid/iOS端末用アプリを使ってワイヤレス再生する機能を備えている。もちろん、CDレコと同じように、USBもしくはWi-Fiで接続して音楽CDの取り込みを行なえる。つまり、CDレコをパワーアップさせ、DVDのワイヤレス再生にも対応したのが、DVDミレルというわけだ。
なお、従来のCDレコWi-Fiも、DVDビデオのワイヤレス再生を行なえるようになる。CDレコWi-FiでDVD再生に対応させるには、App StoreやGoogle Playで有料販売されている「DVDミレル for CDレコ」をインストールするだけ。もともとドライブ自体はCD/DVD対応だったので、技術的にはさほど難しくなかったのかもしれない。アプリの通常価格が3,000円(2015年12月末日まではキャンペーン価格2,000円)とやや高額に感じるところはあるけれど、既存製品や既存ユーザーを長くフォローしてもらえるのはありがたい。
DVDミレルユーザーは無料アプリ。CDレコユーザーは有料アプリを使う
DVDミレルでDVDを視聴するまでの手順を整理すると、最初にDVDミレル本体の電源を入れ、スマートフォン側でDVDミレルのSSID(アクセスポイント名)にWi-Fi接続してから、専用アプリを立ち上げてDVDを視聴する、という流れ。
電源は、DVDミレルに同梱されているACアダプタか、USB(Type-A)ポートから本体のDC INに入力できるケーブルのいずれかを使用する。電源を取れる屋内であれば前者のACアダプタで、外出先ではモバイルバッテリーなどからの電源供給で駆動できる。
その後、スマートフォンのWi-Fi設定画面でWPS機能を使うか、所定のSSIDとパスワードを入力して接続。専用のAndroid/iOSアプリ「DVDミレル」(無料版)をインストールした後、製品に同梱されているシリアル番号を入力すれば、挿入したDVDの再生がすぐに始まる。DVDを見るだけなら、かなりあっさりと使用準備は整うだろう。
ここで注意しておきたいのは、各アプリストアにある無料版の「DVDミレル」アプリをインストールしなければならないこと。有料版の「DVDミレル for CDレコ」というアプリも見つかるが、これはCDレコユーザー用のアプリ。DVDミレル(ハードウェア)を購入した人にとっては余計な出費になってしまうので、誤って有料版アプリをダウンロードしてしまわないよう気を付けたい。
アプリの機能はシンプル。レンタルDVDもすぐに見られる!
DVDミレルの重要なポイントは、ACアダプタから電源を取って据え置き的に扱えるだけでなく、モバイルバッテリーなどとつないで使うこともできる点だろう。モバイルバッテリーと一緒に持ち歩けば、どこでもスマートフォンを使ってDVDを見られるので、レンタルビデオ店で借りたDVDを近くの喫茶店で鑑賞し、その後すぐに返却する、という使い方もできる。音楽CDの取り込みもOKなので、ショップで購入した音楽CDをすぐさまスマートフォンに取り込み、帰宅途中からさっそく聞き始める、なんてことも可能だ。
DVD視聴用の「DVDミレル」アプリは、再生・停止のほか、チャプター単位のスキップ、字幕・音声の切り替えなどが可能で、画面構成はシンプル。早送りや早戻しは画面上のタイムシークバーゲージをタッチ操作するため、画面の小さなスマホなどでは、細かくジャンプ先を指定するのはやや難しいが、タブレットなどでは問題無いはずだ。DVDのメインメニューの表示と操作にも対応している。
なお、途中で再生を中断した時に、後で同じところから再開するレジューム機能も備えており、視聴に際しては大きな不満はない。
画質については、ノイズの目立たないきれいな映像で滑らかに再生できるが、高解像度のスマートフォンだと、さすがにDVDなりの粗さが見えてしまう。音質は気になるところはなく、当然ながらステレオサウンドに対応するので、モバイルデバイスという再生環境を考えれば十分な性能だ。
Wi-Fi機能について補足すると、基本はスマートフォンなどの端末と直接接続となる。既存のWi-FiルーターのアクセスポイントにDVDミレルを接続する場合、DVD視聴はアイ・オー・データの保証外の利用方法となってしまう。ただし、スマートフォン側の普段のWi-Fi設定を変える必要がなく、同時にインターネットも利用できるので、利便性は高い。
ちなみに、DVDミレル本体とスマートフォンとをUSBで直接接続できるケーブルも同梱されているが、こちらはDVD再生時には使えない。DVD再生は必ずWi-Fi接続で、ケーブルは後述する音楽CD取り込みを行なう際に使うものとなる。
CDレコ機能では、NASへの楽曲直接保存に対応
DVDミレルが同時に備えるCDレコとしての機能についても触れておこう。「DVDミレル」では、従来からある「CDレコ」アプリも使えるようになっており、DVDミレルに挿入した音楽CDを取り込むことが可能になっている。取り込みの際にはインターネット上から適切な楽曲情報を自動で取得し、ファイル名やファイル内部のタグ情報などに反映させることができる(インターネットアクセスが必要なため、Android端末ではWi-Fiルーター経由で接続するか、先述したケーブル接続する)。
取り込む音源ファイルはロスレス圧縮のFLACか圧縮音源のAAC、またはiOS端末用のApple Lossless。楽曲ファイルは端末に保存することができるだけでなく、「ポケドラCloud」や「RockDisk for Audio」などのCDレコ対応NASと連携すれば、ネットワーク越しにダイレクトでNASへ直接ファイル保存することも可能。このあたりは、従来製品のCDレコと全く同じだ。
「CDレコ」アプリは、すでにリリースされてから1年たっていることもあり、中身はずいぶん充実してきた。メディアプレーヤーとして基本的な機能をもつだけでなく、前述したNASへの直接取り込み、一度端末に取り込んだ楽曲のNASへの転送、NAS上の楽曲の再生などに加え、楽曲再生時の歌詞表示にも対応した。再生位置に合わせて歌詞を同期して強調表示するようになっていて、カラオケの練習用としても活躍しそうだ。
1台で何役もこなす万能ドライブ。アプリの進化にも期待
DVDミレルは、モバイルバッテリーを併用していつでもどこでもDVDビデオをワイヤレス再生でき、音楽CDの取り込みにも対応するマルチな製品。付け加えると、メーカー保証外ではあるが、PCと接続するUSB 3.0ケーブルを別途用意すれば、PC用の書き込み対応CD/DVDドライブとしても使えるので、1台で3役も4役もこなせるおトクなデバイスと言える。音楽CDの取り込み機能も頻繁に使いそうな人は、音源データの保管に「ポケドラCloud」など対応NASの導入も合わせて購入を検討してもいいだろう。
DVD視聴用アプリは、シンプルなものだが、CDレコの専用アプリが徐々に機能アップしてきたのを見ると、DVDミレルの進化にも期待したい。PCを使わずに、DVDを見て、CDを取り込む。この気軽さがDVDミレルの最大の魅力だ。
DVDミレル (DVRP-W8AI) |
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(協力:アイ・オー・データ機器)