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VTuber沼のハマり方。“切り抜き動画”で刺さる推しを探そう

ホロライブの公式YouTubeチャンネルより

VTuberが人気だ。デビューと同時に大人気となった「壱百満天原サロメ」や、彼女の所属事務所「にじさんじ」の運営会社ANYCOLORが上場して、株価が一時ストップ高になるといったニュースも飛び交い、「VTuberをよく知らない」という人でも、その話題は頻繁に目にするのではないだろうか。この壱百満天原サロメのデビューをキッカケに、“今までVTuberを観ていなかった”新しい視聴者層が加わり、さらに賑わいをみせている。

その一方で、こんな困りごとはないだろうか。「――VTuber、多過ぎて誰を観れば良いのかわかんない」。

配信する側もブームのようになっていることに加え、芸能人のように事務所に所属している人や、個人(フリー)で活動している人も入り乱れ、YouTubeで活動しているVTuberを検索するだけでも、やはり膨大過ぎて「興味はあるんだけど、どう楽しんでいいのかわからない」と、途方に暮れる人もいるだろう。

というか、筆者も元々そうだった。適当にYouTubeのトップページに出てきたVTuberの配信を開いてみては、「なんか違うな」とブラウザバックしてそのまま別のコンテンツを観に行ったりしていた。それが今となっては漁るようにして新しいVTuberを探し、部屋には最推し(一番応援している)の「猫又おかゆ」や、彼女の所属するグループ「ホロライブ」関係のグッズが日々増えていっている。所謂“完全に沼に沈んでしまっている”状態だ。

気づくと増えていたグッズ達。下の段にもっと居る……

ここでは、筆者がこの沼に沈んでいく過程で編み出した、新しく視聴し始めるVTuberを探す方法を“楽しみ方の1つ”として紹介しつつ、オススメのVTuberもまとめてみた。なお、以下はあくまで“筆者の場合”なので、ほかにオススメの視聴方法があったり、イチオシのVTuberがいれば、Twitterなどで教えていただきたい。

そもそもVTuberってなに?

まずは基本的な情報をおさらい。「VTuber」というワードは「バーチャルYouTuber」を略したもの。一般的なYouTuberのように現実の自分の姿を配信/動画上にそのまま映すのではなく、キャラクターを表示して配信活動をする人達のことを指している。

以前から自分で描いたキャラクターを配信画面に出してゲーム配信やお絵描き配信をするという人は存在したが、「VTuber」というワードが使われるようになってきてからは、平面的なイラストを稼働させるLive2Dや3Dモデルのキャラクターを動かして配信することが主流になっている。

また最近は活動の場がYouTubeではない人もひっくるめて、2Dや3Dのキャラクターを動かして活動する“バーチャルタレント”=VTuberと認識されている節がある。今回紹介するのは、「VTuber」の由来通りYouTubeをメインに活動している人達だ。

そして、このVTuberは大きく分けて2種類存在している。前述でも少し触れたとおり、事務所に所属して活動している人と、個人で活動している人だ。この事務所というのが、よく目にする名前だと思うが「ホロライブ」(運営会社:カバー)や「にじさんじ」(運営会社:ANYCOLOR)などのこと。

事務所に所属しているVTuber達は、基礎となるモデルの作成やゲームやカラオケ音源などの著作権周りの管理や、オリジナル楽曲やそのMVなど自分でコンテンツを制作する際に、作詞/作曲家、アニメ制作会社の紹介などといったサポートを受けられるが、ある程度その事務所の方針に従う必要があるほか、基本的に業務委託契約になるため、その制作費などは自分の配信コンテンツを盛り上げながら賄っていく必要がある。

個人で活動している人達は、とくに何かに縛られることなく自由に活動できる一方で、上記のサポートも一切無い状態で全て自分の力で作り上げていく必要がある。自身でモデルを作成できるスキルを持っていたり、コンテンツ製作の依頼を承諾してもらえるための信頼性を築いたりする必要があるほか、何かトラブルが発生した時も自分で対応する必要もある。仕事として本格的に活動しようとすると、ハードルが高いという事もある。

そんな背景を踏まえつつ観てみると、事務所所属のVTuber達は、ある時はその強みを活かして個性を発揮したり、あるときは事務所全体で一体感のあるコンテンツを生み出す一面を見せたりといった魅力がある。

個人で活動している人達は、一芸に長けていて注目されていたり、元々別の分野で注目されていた人がVTuberとして活動開始していたり、そんな個人で活動している人達の横の繋がりで新たな個性の光る人が見つかったりと、事務所所属のVTuberとはまたかなり系統の違う魅力を持っていたりする。

切り抜き動画を観てツボにはまるVTuberを探そう

さて、気になるVTuberを探す方法だが、「ゲーム配信が観たい」「雑談で面白いこと言う人が観たい」「歌が聴きたい」「お絵描きや動画編集などクリエイター系の配信が観たい」など観たい方向性は様々だろう。「何でも良いから推せる人を探したい」といった考えもあるかもしれない。それらを全てひっくるめて、まずVTuberを探すのにオススメしたいのが“切り抜き動画”だ。

とりあえず「片っ端から配信を開いてみる」というのも確かにアリ。だが、今は3時間以上の長時間に及ぶ配信が多く、短くてもだいたい1時間。声や話し方を聴いてみるというだけであれば適当なシーンを数分聴いて回れば良いのだが、この長時間に及ぶアーカイブ動画が多数ある中で、その人の個性が光るシーンや、面白いシーンを探すのは酷な話だ。

そこで、個性の光るシーンをピックアップしてサクっと観られる“切り抜き動画”が役に立つ。歌が聴きたい場合も、歌枠や歌に関して話している動画もあるので、片っ端からチャンネルを開いて歌の再生リストを再生する…… といったことをする必要はない。

切り抜き動画は、所属事務所の公式アカウントや、そのVTuber自身が制作している公式的なもののほか、ファンがその魅力を拡散するために作っているものもある。例えば、にじさんじには公式の切り抜き動画チャンネルも用意されており、ほぼ1日1本ペースで更新されている。配信の盛り上がったシーンや、魅力的なシーンが編集されているため、その人となりが把握しやすい。

にじさんじ公式切り抜きチャンネルより
【教育の時間】大事なことを教えてくれるにじさんじライバーまとめ【公式切り抜き / VTuber 】

ホロライブを運営するカバーは、公式でチャンネルを用意していないが、二次創作のガイドラインに切り抜き動画についての項目を作ってルールを明確化。このルールを守れば動画の収益化も認めている。

ゲームのスーパープレイや、リスナーとのやりとりが面白いシーン、個性が出る面白シーンなど、切り抜き動画も様々だが、ある程度テーマもわかりやすいので、「この系統面白かったな」とテーマを絞りつつ、切り抜き動画の概要欄から元の配信を観たり、そのVTuberをチャンネル登録して次の配信をチェックしてみたりするのが、とっかかりをつかみやすいと思う。

気になるVTuberを見つけたら、動画の一覧ではなく、再生リストから気になるテーマでまとめられた動画を観てみるのもオススメ。こまめな人はゲームタイトルやジャンル、歌、配信内容など細かく分けてリストを作っていたり、アピールしたいアーカイブをまとめていたりもするので、とりあえず何かしら観てみようというときはまず最初にチェックしてみよう。

後で紹介するが、イラストレーターで個人VTuberとしても活動している伊東ライフはチャンネルの再生リストに公式切り抜き動画を充実させていたりする。この様な例があるので、再生リストのチェックはオススメ。

【切り抜き】ヤマトイオリと富士葵と兎鞠まりと配信生活をエモく語るもやぱり締まらなかった伊東ライフ【#YOUTUBE生活ぶっちゃけどうですか】

ただ公式以外の場合、たくさんの人に動画が切り抜かれて編集されるということは、ある程度知名度がある人がほとんど。「自分は地下アイドル的なファンの少ない駆け出しVTuberを応援したいんじゃ!!」という人には向かないのだけれども、何が自分にとって面白く感じるのかを理解すれば、デビューしたばかりの人に光る物を感じられるスキルも身につくだろう。

一方で、“切り抜き動画”には注意点がある。それは、一部、悪意のある編集やサムネイルで再生回数と収益を稼いだり、対象を炎上させようとしていたりするものもあり、そういった悪目立ちしてしまう要素でもあるということ。

公式ではない“切り抜き動画”は著作権的にグレーな要素を含む場合があったり、前述のような悪意のある動画があったりと、視聴するだけでも少し不安という思いもあるかもしれない。だが、切り抜き動画用のハッシュタグを用意しているVTuberも多いほか、切り抜き動画のルール明確化や収益化の許可などの流れも出てきて、整理されつつある。

そして、実際に観てみると、ファンが作った魅力的な部分をピックアップした動画がほとんどなので、「“VTuber”や“切り抜き動画”などジャンルそのものが良く無いモノ」といった決めつけをせずに気軽に観て、推せる人を探して欲しい。

ちなみに、切り抜き動画やVTuber関連の動画/配信を視聴すると、その視聴履歴でまた別の切り抜き動画がYouTubeのホーム画面に出てくるようになる。それらを観ていけば、さらに様々なVTuber達と出会えるだろう。

ホーム画面に出てくる動画がうっとうしくなった場合はタイトル横のメニューから「興味なし」を選択したり、原因となっていそうな動画を視聴履歴から消すとある程度整理できるので、合わせて活用して欲しい。

意外に知らないYouTubeの使い方(基礎編)。おすすめ動画のチューニング

独断と偏見で選んだオススメVTuber

「切り抜き動画を駆使しろと言われても、それを探すのが面倒」という面もあるので、筆者が知っているVTuberの中からオススメの人とその特徴を挙げてみた。筆者の知る範囲かつ、かなり絞ってしまっているので、きっかけにしつつ自分にあるVTuberを見つけて欲しい。

今熱いVTuber

チャンネル登録者数が多く、注目されている“今熱いVTuber”から紹介したいのだが、まず「その登録者の規模感」がどんなものか例を挙げてみる。例えば、YouTuberを代表するヒカキンのメインチャンネル「HikakinTV」が1,080万人、「東海オンエア」が659万人、グループとして活動停止してしまってはいるがジャニーズの嵐のチャンネルが326万人といったところ。

それを踏まえつつ、VTuberの元祖であり、今年2月に「アップデートを目的としたスリープ期間」として無期限活動休止中のキズナアイのメインチャンネル「A.I.Channel」は308万人。この数字を超え、6月にVTuberで初めて400万人を突破し、8月現在で411万人を記録しているホロライブEnglishのがうる・ぐらがVTuberでは最大規模の登録者数となっている。

がうる・ぐらは本人の魅力あってこそではあるのだが、そもそも視聴者の母数が圧倒的に多い英語圏向けに発信していることも、この数字の実現に繋がっている。また、まれに日本語が混ざることもあるが、配信はほぼ英語で行なわれている。

では、日本語を話す国内向けで活動していて規模の大きいVTuberは誰なのかというと、ホロライブ3期生の「宝鐘マリン」。8月1日に登録者数200万人を突破し、勢いそのまま8月16日現在で209万人を記録している。

【宝鐘マリン】

【original anime MV】I’m Your Treasure Box *あなたは マリンせんちょうを たからばこからみつけた。【hololive/宝鐘マリン】

YouTubeにBAN(アカウント停止や動画の公開停止)されるセンシティブなコンテンツのギリギリを攻めるキャラクターとして目立っているが、彼女の魅力はクリエイター気質にある。リスナーが求めているコンテンツを高クオリティで届けてくれる。

本人が絵を描けるというだけでなく、クリエイター陣との繋がりも広く、特にオリジナルソングのMVのクオリティが凄まじい。昨年、声帯にこぶができてしまう声帯結節を患ったこともあり、カバー曲などの投稿は少ない彼女なのだが、その分注力されているのであろうオリジナル楽曲はまさに圧巻の仕上がり。

とくに7月30日の生誕祭ライブ後に公開された4曲目のオリジナル曲「I’m Your Treasure Box *あなたは マリンせんちょうを たからばこからみつけた。」(アイトレ)は、「これ、本当に個人制作? むしろ個人制作だからこそこのクオリティが実現したの?」と永遠にループ再生してしまう。ちなみに公開から2週間経たずに500万回再生を突破している。

オリジナル曲2曲目の「Unison」もアニメMVの仕上がりが脅威的なのだが、先ほどのアイトレとUnisonの2曲は、MVの映像編集をのりぷろ所属のVTuber「鬼灯わらべ」が担当しているという共通点にも注目したいところ。

【Original Animation MV】Unison【hololive/宝鐘マリン】

【兎田ぺこら】

【カメラ/宝くじ】スクラッチ30万円分削って伝説になる!!!ぺこ!【ホロライブ/兎田ぺこら】

マリン船長に続いて今勢いがあるのは、同じくホロライブ3期生の「兎田ぺこら」。ホロライブには英語圏向けとインドネシア向けのグループもあるのだが、日本語圏のホロライブでトップを併走しているのが宝鐘マリンと兎田ぺこらの2人で、こちらも8月5日にチャンネル登録者数200万人を達成。8月12日現在では201万人となっている。

基本的にはゲーム配信がメインなのだが、彼女の持ち味は実写カメラを使った料理配信や宝くじ配信、リスナーオススメ商品の爆買い開封&レビューなど、一般的なYouTuber的な企画が混ざっていること。さらにライブの選曲も、一般的に知名度の高いJPOPや広く知れ渡っているボカロ曲などを歌うことが多く、広く万人ウケを狙った視野を活かして、多くの人に認められているタイプ。

配信冒頭のポエム、特徴的な笑い声のほか、マインクラフトなどの同一サーバー内で多人数プレイするゲームでは罠を仕掛けて殺伐な空気を作るなど、周囲をしっかり巻き込んで面白さを出していくところも魅力の1つ。

【料理】幻のスイーツ「三不粘(サンプーチャン)」を作るで!!!!!!!ぺこ!【ホロライブ/兎田ぺこら】

【壱百満天原サロメ】

【初配信】壱百満天原サロメですわ!!!【ですわ】

デビューから2週間で登録者数100万人を達成し、ひと月経たずに登録者数でにじさんじのトップに君臨した壱百満天原サロメは言わずもがな、今も勢いのあるVTuberだ。

一時期配信の同時接続者数10万人を記録していたことも話題になり、その数が減ったことで「勢いがなくなった」という人達もいるが、通常のゲーム配信などでも同接1万人前後をキープし、アーカイブも安定して20万~40万回再生の数字が出ていることから、登録者数の近いVTuberと同等の人気を表している。

デビュー初配信で履歴書やマイナンバーカード、胃カメラの映像まで晒すという衝撃的な内容からTwitterでバズり、「お嬢様になりたい一般女性」という設定とバッチリかみ合ったエセお嬢様言葉とトーク力で、登録者数が凄まじい勢いで増えているが、彼女のすごいところは、今までVTuberを観ていなかったであろう層を取り込んだこと。

TwitterやVTuberの配信を観ていると、彼女の登場から、とくにニコニコ動画全盛期を楽しんでいた人達や、最初期に少しだけ観ていたという層なども巻き込んで全体的に視聴者が増えているよう感じられる。その影響が前述の2人の200万人達成にも繋がっているのかもしれない。ちなみに、初配信の待機画面で現われる男性はにじさんじを運営するANYCOLORの代表取締役CEOの田角陸氏だ。

【お雑談】初配信のあれやこれや【ですわ】

VTuberでは珍しい「オタクじゃない」例

【大空スバル】

【#生スバル】黒歴史選手権/Everyone talks about their embarrassing memories.【ホロライブ】

アニメやゲームに詳しいVTuberが多い中で、「オタクではない」というVTuber界全体から見ても貴重枠。性格も素直なので、アニメの同時視聴枠では、期待した通りの反応をしてくれて面白い。特徴的な声は聴いているうちに癖になってくるほか、持ち前の明るさに加え、企画系配信の進行も上手く、配信が観やすいのも特徴。

リスナーやホロライブメンバー(ホロメン)から募集した黒歴史を晒す「黒歴史選手権」といった地獄のような企画や、自ら身体を張ってリスナーを笑わせようとする様子からアイドルよりも芸人寄りな印象がある配信スタイルだが、3Dライブでは明るい声色で歌いながら、パワフルでキレキレなダンスをバッチリ決めていく“アイドル”の一面をしっかりと見せつけるギャップも魅力。

【ASMR】初めて挑戦したらヤバイ声でた【ホロざんまい】

独特な語彙(?)センス

【さくらみこ】

【 カウントダウン 】#さくらみこ4周年 をみんなと迎えるにぇ!🎉【ホロライブ/さくらみこ】

基本的にはゲーム配信が中心で、ハマるとのめり込んで長時間に及ぶ配信も行なうタイプ。ホロライブメンバーとのコラボ企画も多いほか、特技を活かして他のメンバーのサムネイル作りを配信内で行なうこともある。

が、最大の特徴はそのポンコツ度。「阿鼻叫喚」を“あえんびえん”と読むような独特な漢字の読み間違いのほか、VTuberの間で一時期広まっていた「加湿器に水入れてる?」の出所は彼女である。舌っ足らずな喋り方での強烈な発言(無自覚)などもあり、35P(さくらみこのファン)らがまとめた語録を見るだけでも面白いのでオススメ。「さくらみこ語録」で検索すれば見つかるほか、本人も配信で紹介している。

【龍ヶ崎リン】

龍ヶ崎リン【語録伝説】前編

発言が色々とアレなVTuberその2、774inc,所属 SugarLyric(シュガーリリック)の龍ヶ崎リン。特徴は落ち着いたハスキーボイスなのだが、そのクールな声で突然残念な発言が飛び出し、そのギャップで観ているこちらは言葉を失う。

歌唱力がすごい

【星街すいせい】

Stellar Stellar / 星街すいせい(official)

個人でデビューし、現在は終了したカバーの音楽レーベル「イノナカミュージック」に所属後、同じくカバー運営のホロライブに移籍するという珍しい経歴を持っている星街すいせい。それ故にようやく実力を発揮できるステージへ登り詰めた苦労人でもある。TAKU INOUEと組んだ「Midnight Grand Orchestra」ではTOY'S FACTORYからメジャーデビューも果たした。

歌以外ではテトリスなどの落ちゲーやマリオカートの腕がピカイチなほか、時折見せるサイコパスな一面もよく取り上げられる。

Midnight Grand Orchestra『Highway』Music Video

【Mori Calliope】

[ORIGINAL SONG] Make ‘Em Afraid - Mori Calliope

ホロライブの英語圏向けグループ「ホロライブ English」1期生Myth(神話)所属のMori Calliope。初配信でオリジナルのラップ「失礼しますがR.I.P」を披露し、その後も自身が作詞を手掛けるなどしてオリジナル曲を制作し、ユニバーサルミュージックEMI Recordsからソロでのメジャーデビューも果たした。

歌以外での配信では、ゲーム中にFワードが飛び出すような一面も持ちつつ、日本のメンバーとコラボして英会話教室を開催したり、日本のリスナー向けに日本語を交えつつ英語も聴き取りやすい発音にしてくれるなど、気遣いと優しさが垣間見えるギャップも魅力。

[MV] Red - Calliope Mori #HololiveEnglish #HoloMyth

【HACHI】

バスタイムプラネタリウム / HACHI 【Official MV】

VSingerプロダクション「ライブユニオン」所属のVSinger。持ち味は力強く伸びのある歌声。毎週金曜日21時には歌枠「ハニカムステーション」やゲリラ歌枠などVSingerだけあってメインは歌配信。ゲーム配信もしているが、再生リストからしか観られないようになっている。

八月の蛍 / HACHI 【Official MV】

バ美肉おじさん

ポケモンお絵かきで伊東ライフの画力判断!!伊東ライフ初めてのポケモン #00

【伊東ライフ】

自分で描いた美少女を動かし地声で話すイラストレーター。コロナ禍対策にVTuberを始め、後述の兎鞠まりと組んでイジられキャラ的な立ち位置を確立。サムネのイラストは毎回自分で描いていることから、ぱっと見で動画や配信を見つけられるのも強みなほか、テンポの良い切り抜き動画も自身のチャンネルで用意しているので、人となりや配信スタイルの把握がしやすい。

【兎鞠まり】

ボイスチェンジャーを駆使して活動を続けてきた結果、今や「本当におじさんなのか」と疑われはじめているおじさん。その実力は是非動画を観て確かめて欲しい。最初期の声は確かに変換を掛けていることがわかるが、最近の動画は色々と馴染み過ぎていて自然に聴こえてしまう。

ラジオ感覚で雑談配信を観ていただけなのに -VTuber沼に沈むまで-

最後に筆者の視聴スタイルと、VTuberのコンテンツにのめり込み、全身が沼に沈んでいった経緯を綴っていこう。

普段は、配信をラジオ感覚で流しながら別の事をしている、というのがメイン。元々ラジオやテレビを付けていた方が1つのことに集中して取り組めるタイプなので、最初は作業のお供に流すコンテンツが増えたという印象だった。

メインとなる作業に集中していても、耳からの情報の3割くらいが頭に残っているといった具合に内容を把握できるほか、メインの作業がないときは、聴こえる音声さえ潰れてなければ複数の情報が一気に流れていてもある程度把握できることから、PCで配信を3、4枠開きながらテレビも観つつ、漫画を読んでいたり、そのままボイスチャットしながらゲームまで始める、といったこともよくやっている。

そんな状態で、「誰がだいたいこういう話をしていたなぁ」と把握しつつ、気になったシーンはあとでアーカイブで振り返えられるので、むしろ1つの配信に集中して観ていることの方が少ない。この性質のために、短期間で多くのVTuberを知ることができた。ちなみに再生速度は等速派だ。

ここまでおかしなことをする人はあまり居ないと思うが、「作業のお供に何か聞く」人は少なくないはず。まずは深夜ラジオのような気分で楽しんで、好みの声や話し方をする人を見つけられれば、作業のお供や気分転換の定番になる事だろう。

VTuberを知ったキッカケは、キズナアイの登場を目にしたことだ。その後登場したミライアカリ、電脳少女シロ、そして“ムカデ人間”発言で話題になったにじさんじ1期生 月ノ美兎の配信も、時折観ていた。初期から視聴していたことになるが、当時はまだ“沼に沈んでいる”ようなハマり方はしていなかった。

そもそも“YouTubeを開くこと”自体が習慣にもなっておらず、当時はにじさんじの「える」にどハマりしている友人の様子をTwitterで眺めながら、「そんなにのめりこめるのか、すごいなぁ」と思っていたくらいだ。あのときの自分の思考は刃付きの特大ブーメランとなって返ってきており、今は背中に突き刺さっている。

そんな自分が、1人の配信をある程度集中して観るようになったキッカケは猫又おかゆ(おかゆん)だ。2019年4月のホロライブゲーマーズからデビューしたおかゆんの初配信を、本当にたまたま生で観たところ、そのハスキーボイスに魅了され、ゲームをマイペースに楽しみながら配信する様子が心地よく、とりあえずYouTubeを開いたときに配信していたら観る、気分転換にアーカイブを再生するといった習慣が生まれた。この時点ではまだまだライトな“おにぎりゃー”(猫又おかゆのファンネーム)。彼女の魅力は長時間のゲーム配信で聴き飽きない声と、その声を活かした歌声。とりあえずオリジナル曲の最新MVを張っておく。

アデュー、サロー / 猫又おかゆ

そんなライトなおにぎりゃーが牢屋入りおにぎりゃー(猫又おかゆのメンバーシップ“おにぎりゃーの牢屋”に加入)になり、ホロライブの沼にもどっぷりハマることになった要因は、AV Watch編集部に異動になったことだった。

「YouTubeのコンテンツにも注目しよう」という編集部の方針もあり、日常的にYouTubeを開くクセをつけて、色んな動画を観るようにしようと探し始めるようになった結果、業務的な道を盛大に踏み外してVTuber方面に突っ走り始め、気がつけば底なし沼にダイブ。

2021年前半でおかゆんのほかに観ていたのは、おかゆんと同じホロライブゲーマーズの大神ミオ、何かと話題になる宝鐘マリン、白銀ノエル不知火フレアのホロライブ3期生お姉さん組、好きなイラストレーター(redjuice)がデザインを担当したホロライブENのIRyS、前述のMori Calliope、同じく前述のバ美肉おじさんコンビ、大空スバルのデザインを担当したことをきっかけに自身もVTuber化したイラストレーターのしぐれうい、にじさんじの健屋花那、そのほか配信は観てないけどTwitterだけフォローしているのが多数……という状況に。振り返ってみるとすでにそこそこ多い。

調べていくだけ、大量に見つかるVTuber達を「いや、どう観ていけばいいんだよ」と思い、おかゆんが所属するホロライブを足がかりにしながらさらに色々観ていくうちに、昨年11月の終わりにデビューしたホロライブ6期生 秘密結社holoXの女幹部 鷹嶺ルイ(ルイ姉)に行き着いた。

そう、このルイ姉こそ、筆者がホロライブ箱推し沼(箱推し:グループ単位で応援するファンといった意味)に沈み、ほかのVTuberもさらに注目するようになった発端。沈んだのは自分なので誰のせいでもないのだけれども。

彼女のホロメンについてのプレゼン能力が非常に高く、片手間で配信を聴いているだけで、「え、なにその話気になる」「あの人そんな感じだったの?」と今まで観てこなかったホロメン達の様々な配信を巡ることに。

そしてホロライブというグループそのものに興味が湧いてきたときに、「有料ライブも観てみよう」と配信チケットを購入して観た3rd fes「Link Your Wish」のクオリティの高さがトドメとなって、頭のてっぺんまで沼に沈み切ったホロライブ箱推しオタクに。ちなみにグループ全体を応援したいと思い始めると、元々応援していたメンバーにはさらに特別な印象を抱くようになってしまい、月額のメンバーシップに登録する数が増えたり、グッズを購入したりし始める……。

【#つながるホロライブDAY1】hololive 3rd fes. Link Your Wish【チラ見せ】
【#つながるホロライブDAY2】hololive 3rd fes. Link Your Wish【チラ見せ】

3rd fesは3月だったので、ルイ姉のデビューから半年経たずに「踏み込んだら底なし沼だった」という状況に。「ホロライブの楽しみ方」というテーマの記事であれば彼女に執筆か協力を依頼したいところ。

もし、ホロライブの誰かに興味があるのであれば、そんなルイ姉の配信や、ホロメンについて語っている切り抜き動画が、その人の魅力がわかりやすくてオススメ。本人もホロメンの知識を活かしたコラボ企画のほか、素のトーク力も高く、VTuber以外の様々な分野の話も聴けるので是非チェックして欲しい。

ルイ姉はデビュー約2カ月で先輩タレントを集めてカバーの谷郷CEOに関するクイズ企画「YAGOO王」を開催していたり、積極的に英語圏向けのホロライブENやインドネシア向けのホロライブIDのメンバーともコラボしたりもするため、配信を流しているだけでグループの全体像が見えてきたり、知らなかったメンバーが登場したりもするので、気づいたときにはホロライブに詳しくなっているだろう。

【公式切り抜き】10分でわかるYAGOO王
【#ホロ英会話伝言】言葉の壁を越えていけ!!!英会話伝言ゲーム!【ホロライブ】

筆者の趣味趣向でホロライブを多めに紹介してしまったが、ホロライブ内でもまだまだ魅力的なタレントが多いほか、「にじさんじ」や「774inc.」、eSportsの大会にも出るゲーム特化の「ぶいすぽっ!」、ソニーミュージックの「VERSEⁿ」「VEE」などなど企業が運営するグループや、ちょっと特殊な例で漫画家の佃煮のりおが個人でプロデュースしている「のりぷろ」、個人でも魅力的な配信をしている人も多い。イラストレーターが2次元の肉体を動かしながらお絵描き配信をしていたりもするので、好みにあった人を探して、のめり込み過ぎず適度に楽しいVTuber視聴ライフを過ごして欲しい。

野澤佳悟