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Xbox One XをE3会場で見た。巨大なヒートシンクにコンパクト化したボディ

 6月11日(現地時間)のプレスカンファレンスで発表された、マイクロソフトの新ハードウェア「Xbox One X」をE3会場でチェックしてきた。ハードの外観を中心にご覧いただきたい。

Xbox One X。コントローラーはXbox One Sのものとまったく同じなので、そこからサイズ感が分かるだろう

Xbox One Sよりちょっと小さい? 基本デザインはSを継承

 Xbox One Xは、「現在最高性能のゲームコンソール」でありつつ、「Xboxとしては最小」とされている。

 実際に見ると、サイズ的にはXbox One Sよりもほんの小さい、というところだろうか。ライバルであるPlayStation 4 ProとノーマルのPlayStation 4の差に比べると、かなりXbox One Sとの差は小さいようだ。とはいえ少なくとも、今時のゲーム機として「大きい」という印象を受けるものではない。

 ボディはXbox One Sとはうってかわって黒。形状・デザインイメージは、ディテールで変化はあるものの、Xbox One Sのそれを踏襲している、と思っていい。フロントにUSB端子と、ペアリングボタンにIRブラスターなどがあることは変わりない。ただし、ディスクの挿入位置は多少下になり、ディスクイジェクトボタンの位置もディスクドライブの隣からIRブラスターの横に移動している。だが、アイデンティティである、電源を兼ねた「Xboxボタン」の位置と役割は変わらない。

正面から。ディスクの挿入位置はブロックの段差の位置になり、Xbox One Sより少し下に。「Xbox」ボタンやUSBの位置は変わらず
ドライブ部。下にあるのはIRブラスター

 背面の端子類も、Xbox One Sと同じである。電源は内蔵でいわゆるメガネケーブルを使っており、HDMIがinとoutで2つ、USB端子が2つに光out、そしてIR出力にイーサネット、となっている。電源とHDMIの間隔がXbox One Sより短くなっているが、大きな変化とはいえないだろう。

本体背面。左より、電源・HDMI inおよびout、USB 3.0×2、IR出力、光デジタル出力、Ethernet

 すなわち、Xbox One Sを基本に置いた上で、パワフルなGPUを詰め込んだのがXbox One X、といって良さそうだ。

巨大なヒートシンクで効率的な冷却を

 会場の試遊機はXbox One SとXbox One Xがタイトル毎に使い分けられていた。もちろん、Xbox One Xでの展示は4KかつHDRだ。

試遊台でのXbox One X。サイズ的にはXbox One Sより少し小さいくらいだろうか

 会場にはXbox One Xを分解したモデルも展示されていたのだが、内部構造を見て感じるのは、やはり空冷ファンとヒートシンクの巨大さだ。このヒートシンクの中で液体を入れ、その相変化に伴う熱移動を活かして効率的な冷却をするのだろう。「液冷」というと水が流れるようなものを思い浮かべそうだが、あくまでヒートシンクの一種なので誤解のないように。会場は非常にうるさいので、動作音などは確認できていない。

Xbox One Xを分解展示。ヒートシンクや冷却ファンの大きさがわかる。内部はかなり「ぎっしり」詰まった印象だ
メインボードとヒートシンク。冷却にかなり気をつかっていることがわかる
Xbox One Xのメインロジックボード。AMD製のメインSoCの周りを、GDDR5のメモリーチップが囲むような構成である

 ボディの作りを見る限り、非常に力の入った製品であることはよくわかる。日本での正式な発売日はまだ公開されていないが、価格も合わせ、気になるところだ。

西田 宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、週刊朝日、AERA、週刊東洋経済、GetNavi、デジモノステーションなどに寄稿する他、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。
 近著に、「顧客を売り場へ直送する」「漂流するソニーのDNAプレイステーションで世界と戦った男たち」(講談社)、「電子書籍革命の真実未来の本 本のミライ」(エンターブレイン)、「ソニーとアップル」(朝日新聞出版)、「スマートテレビ」(KADOKAWA)などがある。
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